うすきみ
DONE心の声が聞こえるようになった夢主と七海のお話心の中は貴女でいっぱいですしくじった……。
その日は七海と一級数体の討伐任務にあたっていた。順調に討伐は進み、最後の一体にトドメを指した時、ニヤリと笑った呪霊に呪いをかけられた。が、特に身体の異常はなく、とりあえず高専へ帰ることにし、車の後部座席に乗りこんだ。
「本当に大丈夫ですか?」
車が走り出すと、隣の七海は、独特のサングラスを指で押し上げながら言った。
「うん。特に何も」
『この人はすぐに無理をするから、注意しておかなければ』
「は?」
「え?なんですか?」
「え?」
『やはり呪いで……』
「いや、異常は特には……」
「は?」
「え?」
『もしかして、思ってる事が口に出ていたか……』
「ん?」
七海の声がふたつ聞こえる……?もしや……心の声が聞こえてる……?でも、運転席にいる伊地知くんの声は聞こえない……。距離が関係してるのかな?試しに少し運転席に近寄ってみると……
3050その日は七海と一級数体の討伐任務にあたっていた。順調に討伐は進み、最後の一体にトドメを指した時、ニヤリと笑った呪霊に呪いをかけられた。が、特に身体の異常はなく、とりあえず高専へ帰ることにし、車の後部座席に乗りこんだ。
「本当に大丈夫ですか?」
車が走り出すと、隣の七海は、独特のサングラスを指で押し上げながら言った。
「うん。特に何も」
『この人はすぐに無理をするから、注意しておかなければ』
「は?」
「え?なんですか?」
「え?」
『やはり呪いで……』
「いや、異常は特には……」
「は?」
「え?」
『もしかして、思ってる事が口に出ていたか……』
「ん?」
七海の声がふたつ聞こえる……?もしや……心の声が聞こえてる……?でも、運転席にいる伊地知くんの声は聞こえない……。距離が関係してるのかな?試しに少し運転席に近寄ってみると……
うすきみ
DONE夢主に思いを寄せる七海が、モブと夢主のあらぬ現場を見てしまうお話ふたりの秘密年に数回行われる五条主催の慰労会(という名のただの宴会)がある。それは補助監督だけの時もあれば、呪術師だけの時もある。それが今回は補助監督、呪術師関係なく自由参加という事で、次の日が休みの○○は参加する事にした。
普段はあまりこういう会に参加しない彼女だが、ここ最近忙しく、暗い案件が続いたので、飲んで騒ぎたい気分だったのだ。
仕事を片付け、指定の居酒屋に着いた頃には既に出来上がっている者もいたが、彼女の到着にいち早く気づいた家入が手を挙げて彼女を誘った。常日頃から仲良くしてもらっている先輩に呼ばれたのが嬉しく、彼女は満面の笑みを浮かべて家入の元へ向かった。
「おつかれ。ビールでいいかい?」
「はい。ありがとうございます」
3160普段はあまりこういう会に参加しない彼女だが、ここ最近忙しく、暗い案件が続いたので、飲んで騒ぎたい気分だったのだ。
仕事を片付け、指定の居酒屋に着いた頃には既に出来上がっている者もいたが、彼女の到着にいち早く気づいた家入が手を挙げて彼女を誘った。常日頃から仲良くしてもらっている先輩に呼ばれたのが嬉しく、彼女は満面の笑みを浮かべて家入の元へ向かった。
「おつかれ。ビールでいいかい?」
「はい。ありがとうございます」
うすきみ
DONE両片思いの七海と夢主がお互いの気持ちを伝え合うまでのお話帰りたくない、帰したくない呪術師の先輩、七海さんと二人で出掛けるようになったのは一年ほど前。合同任務の帰りに行った食事がきっかけだった。好きな物の話をしていると、思っている以上に趣味が合った。好物、観ている映画、読んでいる本、驚くほど一致した。それからは休みを合わせて映画を観に行ったり、お互いのおすすめの本屋へ出掛けたり、お気に入りのレストランへ行って食事をするようになった。
最初は本当にただの先輩としか見ていなかった。確かにかっこいいし、仕事も出来るし、気遣いも出来るけど、私には素敵すぎる。だからそういう風に見ないようにしてた。でもやっぱりそれには限界があって、私の為に休みを合わせて出掛けてくれたり、普段は見せないような優しい笑顔で微笑みかけられれば、段々と恋心が育ってしまう。二人で出掛けるようになって半年も経てば、私は七海さんを好きになっていたし、一年経てばその先を望むようになってしまっていた。
2594最初は本当にただの先輩としか見ていなかった。確かにかっこいいし、仕事も出来るし、気遣いも出来るけど、私には素敵すぎる。だからそういう風に見ないようにしてた。でもやっぱりそれには限界があって、私の為に休みを合わせて出掛けてくれたり、普段は見せないような優しい笑顔で微笑みかけられれば、段々と恋心が育ってしまう。二人で出掛けるようになって半年も経てば、私は七海さんを好きになっていたし、一年経てばその先を望むようになってしまっていた。
うすきみ
DONE雨に濡れた七海と夢主、そこから何かが始まるお話覚悟してください山奥の廃墟。呪霊祓除に来ていた七海と同期の○○は途方に暮れていた。
一級相当が複数確認された為、珍しくアサインされた二人。当初は問題なく進んでいたのだが、途中から数体が外に飛び出した。帳があるので逃げられることは無いが、雨の降る廃墟の外を走り回らされる事となった。小雨ならまだしも、この日は列島に近づく台風の影響で大粒の雨が止めどなく降り続いていた。もちろん祓除は問題なく終了したが、彼らはまるでプールにでも飛び込んだ様にぐっしょりと濡れてしまっていた。この日は電車で帰ることになっていた二人は、降り続く雨とずぶ濡れになった自分達を見て、途方に暮れた。
「これじゃ帰れないね」
「そうですね」
「一応電話してみようか」
2194一級相当が複数確認された為、珍しくアサインされた二人。当初は問題なく進んでいたのだが、途中から数体が外に飛び出した。帳があるので逃げられることは無いが、雨の降る廃墟の外を走り回らされる事となった。小雨ならまだしも、この日は列島に近づく台風の影響で大粒の雨が止めどなく降り続いていた。もちろん祓除は問題なく終了したが、彼らはまるでプールにでも飛び込んだ様にぐっしょりと濡れてしまっていた。この日は電車で帰ることになっていた二人は、降り続く雨とずぶ濡れになった自分達を見て、途方に暮れた。
「これじゃ帰れないね」
「そうですね」
「一応電話してみようか」