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    うすきみ

    @usukimi377

    七海建人の沼にハマっております
    七海×夢主中心に書いてます

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    うすきみ

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    心の声が聞こえるようになった夢主と七海のお話

    #七海建人ななしwebonly
    #七海建人
    sevenSeasBuilders

    心の中は貴女でいっぱいですしくじった……。
    その日は七海と一級数体の討伐任務にあたっていた。順調に討伐は進み、最後の一体にトドメを指した時、ニヤリと笑った呪霊に呪いをかけられた。が、特に身体の異常はなく、とりあえず高専へ帰ることにし、車の後部座席に乗りこんだ。
    「本当に大丈夫ですか?」
    車が走り出すと、隣の七海は、独特のサングラスを指で押し上げながら言った。
    「うん。特に何も」
    『この人はすぐに無理をするから、注意しておかなければ』
    「は?」
    「え?なんですか?」
    「え?」
    『やはり呪いで……』
    「いや、異常は特には……」
    「は?」
    「え?」
    『もしかして、思ってる事が口に出ていたか……』
    「ん?」
    七海の声がふたつ聞こえる……?もしや……心の声が聞こえてる……?でも、運転席にいる伊地知くんの声は聞こえない……。距離が関係してるのかな?試しに少し運転席に近寄ってみると……
    『とりあえず、帰ったら△△さんを医務室に連れて行って、その後は五条さんの………』
    後部座席の背もたれに寄りかかると、伊地知くんの声は聞こえなくなった。30センチって所かな?
    『この人は伊地知くんに近づいて何してるんだ?やはり呪いで何か異常が出てるのか』
    異常だと!?思わず七海の方を振り向くが、窓の外を見ている。私が勢いよく振り返ったので、七海もこちらを向く。
    『どうしたんだろうか』
    「どうしました?」
    これは確定だ。呪いのせいで近くにいる人の心の声が聞こえるようになってしまった。私は思わず頭を抱えてしまった。
    「大丈夫ですか?」
    『頭を抱えている。やはり何か異常が……』
    「異常ばっかり言うな!!……あ……」
    「……」
    ということで、自分のせいで七海にバレてしまったのだった。


    「時間が経てば治るだろう。気にする事はない」
    硝子はそう言って私と距離をとった。
    「念の為、明日は休め。たぶん大丈夫だとは思うがな」
    「うん……」
    「それにしても、面倒臭い呪いにかかったもんだな」
    彼女はクスクス笑いながら、タバコに火をつけた。
    「ホントだよ。聞きたくもない本音とか聞こえてきたら、ショックで寝込みそうだわ」
    「主に七海のか」
    「まぁ……」
    そう。私は七海に恋している。学生時代は何も無く、ただの仲の良い後輩だったのだが、彼が脱サラして戻ってきた時、一目惚れをした。知り合いに一目惚れするというのもおかしな話だが、この世界に戻ってきた七海は、大人オブ大人な素敵な男性になっていた。しかも、私の好みど真ん中の外見になって戻ってきたのだ。そりゃ、一目惚れもするだろうよ。
    「帰りも一緒だったんだろ?」
    「そうだけど、ずっと心配してくれてる感じだけだったし、それは相手が私じゃなくても同じだろうし」
    「どうだかな。まぁ、この際あいつの本音聞いてみたらいいんじゃないか?お前何年片思いしてんだ」
    「かれこれ三年ほどかと」
    「そろそろいいんじゃないか?」
    「でもさ、振られたら気まずくない?仲良くしてくれなくなったら凹むんだけど」
    「……そのままだとどっかの誰かさんみたいに拗らせるぞ」
    「え?」
    その時、医務室のドアを開け、話題の人が入ってきた。
    「お疲れ様です。報告書は全て出してきました」
    「ありがとう。助かりました」
    七海は少し私から距離をとって立ち止まる。まぁ、聞かれたくはないよね。心の内なんて。
    「もう診察は終わったんですか?」
    「あぁ。こいつは明日も休ませる。念の為な」
    「では、私が送ります」
    「は!?」
    「そうしてくれ。ほら。行け」
    そう言って、硝子はわざと私の方に来て、私を立たせる。
    『頑張れよ。そのままお持ち帰りでもして貰え』
    「ちょっ!!硝子!!」
    「ははは。じゃーな」
    後ろを振り返り、椅子に座った硝子は、カルテの整理を始めた。
    「では、行きましょう」
    七海は距離を取ったまま歩き出す。私もどうすることも出来ず、とりあえず彼の後ろをついて行くことにした。

    帰りの車内、私は七海の声が聞こえないように、助手席側の後部座席に座った。この距離なら全く聞こえない。このまま送って貰って、明後日の任務まで家に引きこもっていれば何とかなるだろう。明日には、呪いが消えていることを祈る。なんてぼんやり考えていると、私の家に到着したらしく、七海が車から降り、わざわざ後部座席のドアを開けてくれた。いや……この距離だと聞こえちゃう……。私が降りるのを躊躇っていると、彼の手が伸びてきた。
    「どうぞ」
    スマートだなぁと思っていると……
    『本当は帰したくない。せっかくのチャンスを逃したくない』
    は?え?
    「どうしました?」
    中々出てこない私に声をかける。
    『この後は私も任務がないし、明日も休みです』
    ん?
    『体調に異常が無さそうなら、夕飯を一緒に』
    「七海、わざと?」
    私は思わず聞いてしまった。私の受けた呪いをわかった上で、この距離で考え事をしている。確信犯としか思えない。
    「何がでしょう」
    『わざとに決まってるでしょ。貴女と一緒に過ごしたいと言ってるんですよ』
    「口で言えよ!!」
    思わず突っ込んでしまった……。彼は口元を抑え、くつくつと笑っている。
    「すみません。表情がくるくる変わって面白かったもので」
    「チッ」
    思わず舌打ちしてしまった。
    『怒った顔も可愛い』
    「だから……え?」
    『私からしたら、くるくる変わる表情も、怒った顔も全てが可愛いですよ』
    顔に熱が集まっていく。
    「△△さん。私はあなたが好きです。だから可愛いと思うし、まだ一緒にいたいと思っています」
    彼は私の手を取り、車から私を下ろす。
    「医務室で私の本音を聞きたくないと言ってましたが」
    「聞いてたの!?」
    「はい。申し訳ないとは思ったのですが、入るに入れなくて」
    「あ……それはごめん」
    「いえ。私はいつもあなたの事を考えています。今日は会えるか、怪我はしてないか、無理はしてないか、ちゃんと休んでいるか」
    「……」
    「私の心の中はあなたでいっぱいです」
    『愛してる』
    「私と付き合ってくれませんか?」
    『私の傍にいて欲しい』
    言葉と心で私に愛を囁く。嬉しい……。
    「……はい。よろしくお願いします」
    そう言うと、思い切り抱きしめられた。
    「ありがとうございます」
    『嬉しい。やっと私の物になってくれた。十年思い続けた』
    「十年!?」
    思わず聞いていしまった。
    「はい。高専時代から好きでした。その頃、あなたは私にそういう好意はなかったようなので、何も言いませんでしたが」
    「マジか……」
    『キスしたい』
    え!?瞬間的に顔を上げて彼を見る。それを彼は逃さなかった。私を抱いていた手は、腰と後頭部に回され、優しく、でも逃げられないよう口付ける。それは、軽く触れるようなキス。
    『可愛い……抱きたい……』
    「ちょっ!!七海!!」
    恥ずかしさに耐えきれず、腕を伸ばして抵抗する。
    「男なんて皆そんなものです。好きな女性を抱きたいというのは、当たり前のことでしょう?」
    意地悪な笑みを浮かべながら七海が言った。
    「とりあえず、私の家に行きましょうか」
    「何で七海の家?」
    『抱くにはそちら方がいろいろと都合がいいので』
    「だから!!」
    「ははは」
    七海は笑いを堪えることもせず、くすくす笑いながら今度は助手席に座るよう促した。

    それから七海の心の声が聞こえなくなるまで、私はずっと愛を囁かれ続け、彼がすました顔で何を思っているのかを思い知らされるのだった。
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    うすきみ

    DONE呪詛ミン×非術師女夢主
    曖昧な関係を続けていると思っていた夢主のお話
    関係に名がつけば 私には微妙な関係の男性がいる。セフレと言うには甘過ぎて、彼氏と言うには確信の無い関係だ。

     彼と出会ったのはたまに行くバーだった。その日は厄日かと思う位ついてなくて、ただでさえ落ち込んでいるというなか、トドメの様にクソ上司に残業を押し付けられた。何とか終電前には終わったけれど、そのまま帰る気にもなれずそのバーに寄った。空腹に構わず強い酒を煽っていると低く良い声が声を掛けてきた。振り向くとそこには大層なイケメンが立っていた。
     酔っていたし何の話をしたかは良く覚えてないけれど、彼が私の隣に座って琥珀色の液体を水の様に飲んでいたのは覚えている。会話をしながら飲んでいるうちに、自然な流れで手を握られ、耳元で何かを囁かれ、私はよく分からずにそれに頷き、肩を抱かれて店を出た。そのまま何処かの綺麗なホテルで体を重ねて、気づいたら朝だった。しかし、何をしたか、どんな風にしたかを薄ら覚えている辺りが恥ずかしい。いっそ記憶を無くしていればどんなに良かったかと思うほど、昨夜の私は乱れに乱れていた。言い訳をさせてもらえば、酒と疲れのせいだ。
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