tw6mp9
CAN’T MAKE僥倖に預かるの続編「…なんで、仙蔵が乱太郎を見つけてるのさぁ…。」
僕が一番最初に見つけたと思ってたのに…。としょんぼりしているのは、前世で乱太郎の所属していた保健委員会の委員長であり、乱太郎と同じく不運を携え、周りからは不運大魔王と呼ばれていた善法寺伊作だ。
乱太郎のことを前世でもどの先輩よりも一番可愛がってくれていた彼は、乱太郎の家の隣に住んでいて、お兄さんポジを獲得していたらしい。
立ち話もなんだから僕の部屋で詳しい話を聞かせて欲しい!ね!来るよね!と肩を掴まれてしまった仙蔵と乱太郎は、あれよこれよと伊作の家へと案内されて事の顛末を話した。
記憶を思い出したのは誕生日を迎えた昨日だったことと、今世の両親は前世の両親と同じだったが、記憶を持っていなかったこと。だから、もし、自分たちのように出くわしたとして、自分だけが前世のことを覚えていて相手が覚えていなかった時。きっと、どうすればいいか分からないし、絶望してしまうかもしれないと思ったこと。そんな絶望なんかしたくないから、記憶が無いフリをして殻に閉じこもったこと。
1344僕が一番最初に見つけたと思ってたのに…。としょんぼりしているのは、前世で乱太郎の所属していた保健委員会の委員長であり、乱太郎と同じく不運を携え、周りからは不運大魔王と呼ばれていた善法寺伊作だ。
乱太郎のことを前世でもどの先輩よりも一番可愛がってくれていた彼は、乱太郎の家の隣に住んでいて、お兄さんポジを獲得していたらしい。
立ち話もなんだから僕の部屋で詳しい話を聞かせて欲しい!ね!来るよね!と肩を掴まれてしまった仙蔵と乱太郎は、あれよこれよと伊作の家へと案内されて事の顛末を話した。
記憶を思い出したのは誕生日を迎えた昨日だったことと、今世の両親は前世の両親と同じだったが、記憶を持っていなかったこと。だから、もし、自分たちのように出くわしたとして、自分だけが前世のことを覚えていて相手が覚えていなかった時。きっと、どうすればいいか分からないし、絶望してしまうかもしれないと思ったこと。そんな絶望なんかしたくないから、記憶が無いフリをして殻に閉じこもったこと。
tw6mp9
MAIKING「いつか」をそろそろ今にして乱太郎には、五つ上の恋人がいる。その人物とは、最高学年である六年生で乱太郎と同じ保健委員会に所属している六年は組の善法寺伊作だ。不運大魔王として度々不運が重なり、二人で出かけている時も帰りに猪に追いかけられたり、小銭落としたりという不運があったりするけれどそんな不運でもふたりで出かけることが楽しくて、嬉しいし、いつでも伊作は乱太郎に優しくて、甘ったるい声で自分の名前を呼んでくれて、好きだよとか、大好きだよ。という気持ちをいつでも伝えてくれるものだから、乱太郎には申し分ないほどいい恋人だと思っている。だけど、そんな申し分ないほど良い恋人だと思っている伊作に、ひとつ、乱太郎はある不満を抱えていた。
その不満というのは、伊作が乱太郎に口吸いをしてくれないということだけだ。好きだよ、大好きだよといつもありったけの愛を乱太郎に運んでくれて、愛おしそうに見つめて抱きしめてくれるのに乱太郎が目を閉じて口吸いをされるのを待っていても、そういうのは乱太郎が大人になってからだとか、今はこれで我慢してね。と頬や額にチュッと音を立てられて違うところに口吸いをされるのだ。
520その不満というのは、伊作が乱太郎に口吸いをしてくれないということだけだ。好きだよ、大好きだよといつもありったけの愛を乱太郎に運んでくれて、愛おしそうに見つめて抱きしめてくれるのに乱太郎が目を閉じて口吸いをされるのを待っていても、そういうのは乱太郎が大人になってからだとか、今はこれで我慢してね。と頬や額にチュッと音を立てられて違うところに口吸いをされるのだ。