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DONE隠れオタクな弟とオープンオタクな兄の話。表現の都合上、少し古いオタク観が出てきますが『00後半〜10年代前半のオタク観にVカルチャーが現れた世界』だと思って読み進めて下さい。
隠れオタクとオープンオタクオタクとは。
愛好者を指す呼称であり、特定の分野に過度に熱中し詳しい知識を持っている者を指すサブカルチャーの分野で用いられてきた言葉である。昨今では寛容に受け入れられる事の多いオタクではあるが、多感な学生達の中にはオタク趣味をバカにする者も当然存在する。そして、そんな学生達に馬鹿にされることを恐れ己のオタク趣味をひた隠す者も当然存在するのだ。かく言う雷門中に通う目金一斗も漏れなくその『馬鹿にされることを恐れているオタク』であり、所謂隠れオタクという存在であった。
「なあ、第七人格ってソシャゲあるじゃん。あれ映画化するらしいぜ」
「え、そうなんですか?」
「あれストーリーとかあったっけ」
さして興味のない流行りのソシャゲや芸能人をきっかけにバズった音楽、新発売のスニーカーの情報にまでアンテナを伸ばしそれらの話でクラスメイト達と盛り上がる。そんな涙ぐましい努力を重ね、一斗は日々学生生活を謳歌していた。
13696愛好者を指す呼称であり、特定の分野に過度に熱中し詳しい知識を持っている者を指すサブカルチャーの分野で用いられてきた言葉である。昨今では寛容に受け入れられる事の多いオタクではあるが、多感な学生達の中にはオタク趣味をバカにする者も当然存在する。そして、そんな学生達に馬鹿にされることを恐れ己のオタク趣味をひた隠す者も当然存在するのだ。かく言う雷門中に通う目金一斗も漏れなくその『馬鹿にされることを恐れているオタク』であり、所謂隠れオタクという存在であった。
「なあ、第七人格ってソシャゲあるじゃん。あれ映画化するらしいぜ」
「え、そうなんですか?」
「あれストーリーとかあったっけ」
さして興味のない流行りのソシャゲや芸能人をきっかけにバズった音楽、新発売のスニーカーの情報にまでアンテナを伸ばしそれらの話でクラスメイト達と盛り上がる。そんな涙ぐましい努力を重ね、一斗は日々学生生活を謳歌していた。
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DONE目金兄弟SS。出オチです被害者と決闘者「オレのターン!ドロー!」
人通りの多い夕暮れ時。駅前の広場で二人の決闘者(カードバトラー)がバトルディスクを腕に装着しカードバトルに勤しんでいた。公衆の面前でやることなのか、そもそもあれは何なんだという好奇心や嫌悪の目に晒されながらも決闘者達は白熱としたバトルを繰り広げている。その光景に偶然鉢合わせた目金一斗は、平時であるならば「面白いことをやる人たちもいるものだ」と比較的好意的な気持ちを抱き通り過ぎるだけであったであろう。しかし
「何やってるんだよ馬鹿兄貴……!」
その決闘者の一人が、自分と全く同じ顔をした双子の兄でなければという話ではあるのだが。
被害者と決闘者
「兄貴!一体何考えてるんだよ!どういうことか説明して!!!」
3441人通りの多い夕暮れ時。駅前の広場で二人の決闘者(カードバトラー)がバトルディスクを腕に装着しカードバトルに勤しんでいた。公衆の面前でやることなのか、そもそもあれは何なんだという好奇心や嫌悪の目に晒されながらも決闘者達は白熱としたバトルを繰り広げている。その光景に偶然鉢合わせた目金一斗は、平時であるならば「面白いことをやる人たちもいるものだ」と比較的好意的な気持ちを抱き通り過ぎるだけであったであろう。しかし
「何やってるんだよ馬鹿兄貴……!」
その決闘者の一人が、自分と全く同じ顔をした双子の兄でなければという話ではあるのだが。
被害者と決闘者
「兄貴!一体何考えてるんだよ!どういうことか説明して!!!」
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DONE目金君と化身の話。僕と兄貴とラストベガ化身。サッカー選手の気力が高まるとその姿を現すオーラの一種であり、円堂守が活躍した時期からおよそ十年後の世界では、ごく限られた選手がその才能を開花させ試合をより白熱したものへと導いている。化身を活用した試合は中学生たちが繰り広げているとは思え無い程迫力がある展開を観戦者に魅せ、プロリーグよりも中学サッカーに熱を入れた応援をする者も多数いるほどだ。そう、化身とは技術だけで身に付く物ではない。選ばれた者だけがその力を手に出来る極めて希少な能力なのである。
「今、何か出ましたよね。僕何か出しましたよね⁈」
「へ、は……」
とは言っても。化身というものが広く知れ渡るのは前述したとおり十年後の世界である為、あの日河川敷で兄貴と草サッカーをしていた目金一斗は、その凄さに気付くことは無かったのだが。
4432「今、何か出ましたよね。僕何か出しましたよね⁈」
「へ、は……」
とは言っても。化身というものが広く知れ渡るのは前述したとおり十年後の世界である為、あの日河川敷で兄貴と草サッカーをしていた目金一斗は、その凄さに気付くことは無かったのだが。
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DONEss。また兄弟関連のものが書けたら一緒にまとめるかもしれない目金兄弟ss「サッカー?するわけ無いじゃないですかそんなもの。スポーツに現を抜かす暇があるなら勉学に勤しんだ方がまだマシだね」
雷門中に入学して間もない頃。僕は隣町にあるサッカースクールに通うことになったのだが、物は試しで誘った兄に言われたセリフがこれだ。あの頃の兄はスポーツ全般を軽視していて、何故そんなものに熱中するのは本気で理解出来ない様子だった。あの日も当然僕の誘いは断られ「試合に出られるようになったらまた言ってください。観に行くので」と兄としての優しさを見せられて話は終わった。誘った身ではあるが兄がこういう反応を示すのは予想の範疇であったし、駄目元で声をかけた様なものだ。だから、今後兄はスポーツ全般に対して興味を抱かず、たまに僕の話に相槌を打つ程度の関わり方しかしないのだろうと思っていた。
1183雷門中に入学して間もない頃。僕は隣町にあるサッカースクールに通うことになったのだが、物は試しで誘った兄に言われたセリフがこれだ。あの頃の兄はスポーツ全般を軽視していて、何故そんなものに熱中するのは本気で理解出来ない様子だった。あの日も当然僕の誘いは断られ「試合に出られるようになったらまた言ってください。観に行くので」と兄としての優しさを見せられて話は終わった。誘った身ではあるが兄がこういう反応を示すのは予想の範疇であったし、駄目元で声をかけた様なものだ。だから、今後兄はスポーツ全般に対して興味を抱かず、たまに僕の話に相槌を打つ程度の関わり方しかしないのだろうと思っていた。