ヴィーノ
REHABILI龍品を書きたかったね。「俺、龍司くんの作る料理スゲ〜好きだよ」
そう言って笑う品田に郷田は今まさに飲もうとしていたビールが逆流してしまった。がほがほ、と噎せ返る郷田のことなど気にすることなくこれぞ男飯!というような豪快なご飯を美味しそうに食べていた。
郷田から言わせてみれば、全て適当に切って焼いて味付けしただけ。だから、まるでお高いフレンチのフルコースのように美味そうに、しかし食堂のA定食のようにがっつかれてしまうと中々にむず痒さが郷田の背筋をビリビリと駆け抜けていく。嬉しさ?それとも、愛おしさ?アルコールが回っている郷田の思考は一向にまとまらなかったから、そのふわふわとした気持ちに名前をつけ意味を込めることなど出来やしなかったが。
599そう言って笑う品田に郷田は今まさに飲もうとしていたビールが逆流してしまった。がほがほ、と噎せ返る郷田のことなど気にすることなくこれぞ男飯!というような豪快なご飯を美味しそうに食べていた。
郷田から言わせてみれば、全て適当に切って焼いて味付けしただけ。だから、まるでお高いフレンチのフルコースのように美味そうに、しかし食堂のA定食のようにがっつかれてしまうと中々にむず痒さが郷田の背筋をビリビリと駆け抜けていく。嬉しさ?それとも、愛おしさ?アルコールが回っている郷田の思考は一向にまとまらなかったから、そのふわふわとした気持ちに名前をつけ意味を込めることなど出来やしなかったが。
ヴィーノ
REHABILI郷田が品田を数ある家のなかのひとつである高層マンションに監禁してる話(そんな物騒な話ではない)リハビリ。
ざぁざぁと叩きつける雨粒に、窓が壊れてしまうのではないか?と心配してしまうほどだ。
「すごいね、雨」
ぺたりと雨風を受け冷たくなっている窓に手をついて外を眺める品田はまるで台風を喜んでいる子どものようだ。悪天候故に、外の景色はどんよりとした灰色に染まっている。それでも品田は嬉しそうに外を眺めていた。
「危ないで、こっち来ぃ」
「危ないの?」
不貞腐れたような声を出しつつ郷田の言うことに従順なところがある品田はぺたぺたと素足を鳴らしながら郷田の座っているソファへと身を沈める。ふわふわと優しく品田を包み込むそれは、来た当初は慣れなかったものの、今ではこのふわふわに包まれるのがやみつきになってしまった――もし、郷田が飽きて放り出されてしまったら、困ってしまうぐらいには。
898「すごいね、雨」
ぺたりと雨風を受け冷たくなっている窓に手をついて外を眺める品田はまるで台風を喜んでいる子どものようだ。悪天候故に、外の景色はどんよりとした灰色に染まっている。それでも品田は嬉しそうに外を眺めていた。
「危ないで、こっち来ぃ」
「危ないの?」
不貞腐れたような声を出しつつ郷田の言うことに従順なところがある品田はぺたぺたと素足を鳴らしながら郷田の座っているソファへと身を沈める。ふわふわと優しく品田を包み込むそれは、来た当初は慣れなかったものの、今ではこのふわふわに包まれるのがやみつきになってしまった――もし、郷田が飽きて放り出されてしまったら、困ってしまうぐらいには。
ヴィーノ
MOURNING龍品を書きたかったんだよな。「シナタツぅ!」
怒号のようなそれに思わず肩を揺らし、後ろを振り向けば、かつて見た事のある金髪が大股で近づいてくるではないか。
大きな身体ががばりと抱きしめてぎゅうぎゅと締め付けてくる。そのままグルグルと回されて情けない悲鳴をあげながら真っ白なコートを辛うじて掴んで耐えた。まるでコーヒーカップに乗っているかのような回転から解放された、と思いきやその大きな身体に見合った大きな手でわしわしと頭を撫でてくる。犬か何かだと思っている可能性が出てきた。撫でれば大抵の機嫌は取れると、そう思っているのだろう。
「久しぶりやな!元気にしとったか?」
そう言って笑う男――郷田龍司は頭一つ分下にある品田のへにゃりと困ったように下がった眉を見て、さらに笑うのであった。
988怒号のようなそれに思わず肩を揺らし、後ろを振り向けば、かつて見た事のある金髪が大股で近づいてくるではないか。
大きな身体ががばりと抱きしめてぎゅうぎゅと締め付けてくる。そのままグルグルと回されて情けない悲鳴をあげながら真っ白なコートを辛うじて掴んで耐えた。まるでコーヒーカップに乗っているかのような回転から解放された、と思いきやその大きな身体に見合った大きな手でわしわしと頭を撫でてくる。犬か何かだと思っている可能性が出てきた。撫でれば大抵の機嫌は取れると、そう思っているのだろう。
「久しぶりやな!元気にしとったか?」
そう言って笑う男――郷田龍司は頭一つ分下にある品田のへにゃりと困ったように下がった眉を見て、さらに笑うのであった。