jelka87052396
DONE果歩さんのばじとら♀小説「珊瑚」(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19785880)の場地視点パラレル小説。♂×♂でr15(触り合いっこ)有。
黒真珠****
何でもないようなことが、あるとき急に意味を持つようになる。そういうことは時々、あるものだ。
喪服に袖を通すお袋の後ろ姿。
うなじの所でネックレスの金具を留め、鏡を前に髪を撫で付けている。
「それ、真珠。黒いのなんてあんだな」
ジュズみてぇ。と思ったのを覚えている。あの頃は数珠、という漢字が分からなかったから(今もあいまいだ)、真珠のジュと数珠のズが同じだということも、知らなかった。
お袋は黒い布地についた白い糸くずを、無造作に手で払った。
「偽モンだよ。おいケースケ、そこにあるガムテープ取って」
そこって、と視線をさまよわせる。テレビの横に置いてあるのが目にとまる。紙みたいな、ザラザラの質感のそれを1つ掴んだ。
4416何でもないようなことが、あるとき急に意味を持つようになる。そういうことは時々、あるものだ。
喪服に袖を通すお袋の後ろ姿。
うなじの所でネックレスの金具を留め、鏡を前に髪を撫で付けている。
「それ、真珠。黒いのなんてあんだな」
ジュズみてぇ。と思ったのを覚えている。あの頃は数珠、という漢字が分からなかったから(今もあいまいだ)、真珠のジュと数珠のズが同じだということも、知らなかった。
お袋は黒い布地についた白い糸くずを、無造作に手で払った。
「偽モンだよ。おいケースケ、そこにあるガムテープ取って」
そこって、と視線をさまよわせる。テレビの横に置いてあるのが目にとまる。紙みたいな、ザラザラの質感のそれを1つ掴んだ。