Nora_Ma13
PROGRESSうさぎも人間も食べる気は無い狼の話進捗
おおかみはうさぎをたべたくない 最近、厄介なことに巻き込まれた。元々は、自分の縄張りに人間が迷い込んで来たことが発端だ。狼を前にしても「わあ、白い狼なんて初めて見たよ」「きれいだなあ」等と呑気なことを言う人間に毒気を抜かれ、森の入口まで案内してやったのがどうもよくなかったらしい。
それから少しして、小さな赤い毛並みのうさぎが殴り込んできたのかと思うほどの勢いで縄張りまでやってきた。そいつは、俺が人間を食べようとしているのではないかという疑念を抱いているようで、そうならないようにと直談判をしに来たのだと言う。はっきり言えば、考えなしの行動だ。だが、自分以外のやつのために危険を冒してまで行動するところに興味が湧いた。それで、少し脅かしたら立ち去るだろうとからかってしまったのが最大の過ちだった。信じ難いことに、うさぎは自分の身と引き換えに人間を食べないようにと言い出して、「赤ずきんさんを守る」と息巻いたそいつがそれから毎日訪ねてくるようになってしまったのだから。
421それから少しして、小さな赤い毛並みのうさぎが殴り込んできたのかと思うほどの勢いで縄張りまでやってきた。そいつは、俺が人間を食べようとしているのではないかという疑念を抱いているようで、そうならないようにと直談判をしに来たのだと言う。はっきり言えば、考えなしの行動だ。だが、自分以外のやつのために危険を冒してまで行動するところに興味が湧いた。それで、少し脅かしたら立ち去るだろうとからかってしまったのが最大の過ちだった。信じ難いことに、うさぎは自分の身と引き換えに人間を食べないようにと言い出して、「赤ずきんさんを守る」と息巻いたそいつがそれから毎日訪ねてくるようになってしまったのだから。
Nora_Ma13
PROGRESSsgdzの日の出られない部屋後日談進捗出られたあとの話「……で、俺たちに何か言うことは?」
自室にて、ソファに腰かけて腕を組み、正面に座る相手を見据える。
「いや〜、えろうすんまへん」
「ごめんね! 志賀、太宰くん!」
もはや清々しいほどに謝罪が軽い。飄々としているようで、内に鋭いものを持っている織田と、こうと決めたら譲らない、我の強い武者。この二人が組むとここまで面倒なことになるのかと、重い溜息が出た。
あの悪趣味な部屋から出た俺たちを迎えたのは、この二人に司書を加えた三人だった。危機に気付いて助けに来てくれたのかと思っていれば、「両想いおめでとう」とにこやかに言い放つ親友と、つかめない笑顔をうかべる織田と、申し訳なさそうな司書。三者三様の反応でわかったのは、見つけたら切り刻むと誓っていた犯人はこの三人だったという事だ。
2586自室にて、ソファに腰かけて腕を組み、正面に座る相手を見据える。
「いや〜、えろうすんまへん」
「ごめんね! 志賀、太宰くん!」
もはや清々しいほどに謝罪が軽い。飄々としているようで、内に鋭いものを持っている織田と、こうと決めたら譲らない、我の強い武者。この二人が組むとここまで面倒なことになるのかと、重い溜息が出た。
あの悪趣味な部屋から出た俺たちを迎えたのは、この二人に司書を加えた三人だった。危機に気付いて助けに来てくれたのかと思っていれば、「両想いおめでとう」とにこやかに言い放つ親友と、つかめない笑顔をうかべる織田と、申し訳なさそうな司書。三者三様の反応でわかったのは、見つけたら切り刻むと誓っていた犯人はこの三人だったという事だ。
Nora_Ma13
MOURNING「Eat Love」のsgさんなんか思ってたのとちょっと違う……ような……もうちょっと爽やかだったはずが……重い……
眠い時に書いたからかな
With Love 今思えば、なんてことのない出会いだった。転生したばかりの文豪は、この世に再び生まれた弊害か、記憶も心も曖昧なのだという。だからあの時、あいつが見せたあの微笑みも、気を許したような姿も刹那的なもので、「敵」と認識された己に再び向けられることはないのだろう。そんなものを、ずっと、待ち望んでいる。
当初は、こんなはずではなかった。自分が志賀直哉だと知った途端に手のひらを返した生意気な青年を、懐柔できやしないかと、半ば意地で菓子を渡していたはずだった。初めは、「いらない」と即座に切り捨てられていたのが、口籠るようになり、困ったように口をもごもごさせるようになり、ついには、文句を言いながらも「仕方ないな」と受け入れるようになった。意地の勝利だった。それを親友に言うと、驚いたような顔で言うのだ。
604当初は、こんなはずではなかった。自分が志賀直哉だと知った途端に手のひらを返した生意気な青年を、懐柔できやしないかと、半ば意地で菓子を渡していたはずだった。初めは、「いらない」と即座に切り捨てられていたのが、口籠るようになり、困ったように口をもごもごさせるようになり、ついには、文句を言いながらも「仕方ないな」と受け入れるようになった。意地の勝利だった。それを親友に言うと、驚いたような顔で言うのだ。
🌸雨花🌸
DONEちょっとえっちこたつ(R-15) 二人で本を読んでいる夜更け。
いつも一緒に行動してるわけでもないし、ずっと喋っている訳でもないし、ずっとくっついている訳でもない。ただ同じ空間にいるだけで太宰治的には満足なところもあり、なにかに集中している顔を眺めるのも好きだったりする。
けど今回は俺の方がさっさと飽きてしまって、こたつの温もりの中でうたた寝までしてしまった。
少しの時間寝こけて起きたら、肩にはブランケットがかかっていたが、かけたらしい本人は寝る前に見たのと同じ精悍な顔つきで本を読み続けている。
顔の下敷きにしてたらしい本はそっと避けられ、危うく涎を回避…。
「なおや…」
「ん~?」
「一緒に寝よ」
「俺はもう少し本読んだらな、お前はもう一回寝てろよ」
1116いつも一緒に行動してるわけでもないし、ずっと喋っている訳でもないし、ずっとくっついている訳でもない。ただ同じ空間にいるだけで太宰治的には満足なところもあり、なにかに集中している顔を眺めるのも好きだったりする。
けど今回は俺の方がさっさと飽きてしまって、こたつの温もりの中でうたた寝までしてしまった。
少しの時間寝こけて起きたら、肩にはブランケットがかかっていたが、かけたらしい本人は寝る前に見たのと同じ精悍な顔つきで本を読み続けている。
顔の下敷きにしてたらしい本はそっと避けられ、危うく涎を回避…。
「なおや…」
「ん~?」
「一緒に寝よ」
「俺はもう少し本読んだらな、お前はもう一回寝てろよ」