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    Nora_Ma13

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    Nora_Ma13

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    うさぎも人間も食べる気は無い狼の話
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    #小説
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    おおかみはうさぎをたべたくない 最近、厄介なことに巻き込まれた。元々は、自分の縄張りに人間が迷い込んで来たことが発端だ。狼を前にしても「わあ、白い狼なんて初めて見たよ」「きれいだなあ」等と呑気なことを言う人間に毒気を抜かれ、森の入口まで案内してやったのがどうもよくなかったらしい。
     それから少しして、小さな赤い毛並みのうさぎが殴り込んできたのかと思うほどの勢いで縄張りまでやってきた。そいつは、俺が人間を食べようとしているのではないかという疑念を抱いているようで、そうならないようにと直談判をしに来たのだと言う。はっきり言えば、考えなしの行動だ。だが、自分以外のやつのために危険を冒してまで行動するところに興味が湧いた。それで、少し脅かしたら立ち去るだろうとからかってしまったのが最大の過ちだった。信じ難いことに、うさぎは自分の身と引き換えに人間を食べないようにと言い出して、「赤ずきんさんを守る」と息巻いたそいつがそれから毎日訪ねてくるようになってしまったのだから。
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    zeppei27

    DONEなんとなく続いている主福のお話で、単品でも読めます。七夕を楽しむ二人と、夏の風物詩たちを詰め込んだお話です。神頼みができない人にも人事を超えた願いがあるのは良いですね。
    >前作:昔の話
    https://poipiku.com/271957/11735878.html
    まとめ
    https://formicam.ciao.jp/novel/ror.html
    星渡 折からの長雨は梅雨を経て、尚も止まぬようであった。蒸し暑さが冷えて一安心、と思ったが、いよいよ寒いと慌てて質屋に冬布団を取り戻そうと人が押しかけたほどである。さては今年は凶作になりはすまいか、と一部が心配したのも無理からぬことだろう。てるてる坊主をいくつも吊るして、さながら大獄後のようだと背筋が凍るような狂歌が高札に掲げられたのは人心の荒廃を憂えずにはいられない。
     しかし夏至を越え、流石に日が伸びた後はいくらか空も笑顔を見せるようになった。夜が必ず明けるように、悩み苦しみというのはいつしか晴れるものだ。人の心はうつろいやすく、お役御免となったてるてる坊主を片付け、軒先に笹飾りを並べるなどする。揺らめく色とりどりの短冊に目を引かれ、福沢諭吉はついこの前までは同じ場所に菖蒲を飾っていたことを思い出した。つくづく時間が経つ早さは増水時の川の流れとは比べるまでもなく早い。寧ろ、歳を重ねるごとに勢いを増しているかのように感じられる。
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