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DONEとある作品で、"菓子は恋文なのだ"という旨のものを読んで書きたくなった今ならわかる。母さんは、父さんからもらった文をいつも大事そうに胸元に抱いてた。
菓子をもらった日には、「これはあの人からの恋文なの」って目に涙を浮かべながら口にして大事に食べようねって俺にも菓子を分けてくれたんだ。
「平助にもいつか一緒にお菓子を食べたいと思える人が現れるといいね。」
そう言って俺とは対照的に大切に大切に菓子を食べる母さんの言葉の意味がその頃の俺にはあまりよくわからなかった。
菓子は菓子だ。そんなにも思うのならどうして母さんに会いに来てやらないんだという怒りさえ覚えた。
菓子も金も、自分の罪悪感を掻き消すための自己満足でしかないだろうと口からこぼれそうな言葉を俺はいつもぐっとこらえていた。
「お茶をお持ちしました。」
968菓子をもらった日には、「これはあの人からの恋文なの」って目に涙を浮かべながら口にして大事に食べようねって俺にも菓子を分けてくれたんだ。
「平助にもいつか一緒にお菓子を食べたいと思える人が現れるといいね。」
そう言って俺とは対照的に大切に大切に菓子を食べる母さんの言葉の意味がその頃の俺にはあまりよくわからなかった。
菓子は菓子だ。そんなにも思うのならどうして母さんに会いに来てやらないんだという怒りさえ覚えた。
菓子も金も、自分の罪悪感を掻き消すための自己満足でしかないだろうと口からこぼれそうな言葉を俺はいつもぐっとこらえていた。
「お茶をお持ちしました。」
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DONEただぼーっと日が沈むのを見ていた日々あなたが好きだと言ったもの。あなたが少し眠るだけと、目を閉じたあの夜から一体何日が過ぎたのだろう。
気がつけば新選組は、私を残してどこかへ行ってしまったようだった。
江戸へ行ったのか、大坂へ行ったのか、土方さんはいちいち連絡を寄越してくれていたのにも関わらず私の心はあの夜から何も受け付けない。
ただ、ただ、朝から日が沈むまで空を眺めていた。
何も考えられない、感じない。
「…い、おーい。」
だから、その時いま一番聞きたかった声を耳にした時すらすぐには気づかなかった。
「なぁ、って。悪かったよ。お前を一人にしちまってさ、」
「藤堂さ…っ」
「あぁ。」
目の前には、もう二度と言葉をかわすこともないだろうと思っていた人が立っている。
私の声に泣きそうな笑みを浮かべながら返事をしてくれる。
532気がつけば新選組は、私を残してどこかへ行ってしまったようだった。
江戸へ行ったのか、大坂へ行ったのか、土方さんはいちいち連絡を寄越してくれていたのにも関わらず私の心はあの夜から何も受け付けない。
ただ、ただ、朝から日が沈むまで空を眺めていた。
何も考えられない、感じない。
「…い、おーい。」
だから、その時いま一番聞きたかった声を耳にした時すらすぐには気づかなかった。
「なぁ、って。悪かったよ。お前を一人にしちまってさ、」
「藤堂さ…っ」
「あぁ。」
目の前には、もう二度と言葉をかわすこともないだろうと思っていた人が立っている。
私の声に泣きそうな笑みを浮かべながら返事をしてくれる。
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DONEワスレナ隊士と愛してるよゲーム藤堂さんと。「愛してるってお互い言い合って照れたほうが負けっていう遊び知ってる」
日中、見回りの時に寄った茶屋で客の女たちがそんな話をしているのを耳にした。
そういやぁ、お前からはその言葉はあまり聞けないまま今日までやってきた気がする、ぼんやりと考えながら土方さんのところへ報告へ行くと、ぼんやりしている場合じゃないとイライラした様子で叱られた。
「…そんな、怒んなくていいだろ…。」
部屋を出て小さく呟くと、その耳すら土方さんの耳に入ったのだろう、「平助、何か言いたいことがあるなら入ってこい。」と障子越しに声が掛かって、思わず返事の声が裏返った。
「…ったく、土方さんは地獄耳だよなぁ、どこに行ってもこれじゃ気が抜けな…っと、悪い。あぁ、お前か。」
949日中、見回りの時に寄った茶屋で客の女たちがそんな話をしているのを耳にした。
そういやぁ、お前からはその言葉はあまり聞けないまま今日までやってきた気がする、ぼんやりと考えながら土方さんのところへ報告へ行くと、ぼんやりしている場合じゃないとイライラした様子で叱られた。
「…そんな、怒んなくていいだろ…。」
部屋を出て小さく呟くと、その耳すら土方さんの耳に入ったのだろう、「平助、何か言いたいことがあるなら入ってこい。」と障子越しに声が掛かって、思わず返事の声が裏返った。
「…ったく、土方さんは地獄耳だよなぁ、どこに行ってもこれじゃ気が抜けな…っと、悪い。あぁ、お前か。」
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DONE下女ちゃんが転びました。沖田さんと、藤堂さん。
想い人が転んだ。wsrn ver.沖田「本当にどんくさいですね」
なんて言いながら、転んだ下女ちゃんをツンツンしていそう。
「って言うか何に躓いたんですか蹴躓くような石も見当たりませんし、草も生えていないのに。」
なんて言う。
本当に、申し訳ありませんなんて小さな声が聞こえてきて、そこでやっと、どこか捻りましたかって心配しているような口調になる沖田さんに、「いえこんなどんくさい女と並んで歩くなんて新選組の顔に泥を塗るようなもの。どうぞ私のことは置いて先に帰ってください。」って言う下女ちゃん。屯所の中じゃ弱いけど京の町中では立場が強くなる、それも沖田さんと過ごす時間が長くなったから出来ることだといい。
「君っていう人は…。変に賢くなりましたね。」
922なんて言いながら、転んだ下女ちゃんをツンツンしていそう。
「って言うか何に躓いたんですか蹴躓くような石も見当たりませんし、草も生えていないのに。」
なんて言う。
本当に、申し訳ありませんなんて小さな声が聞こえてきて、そこでやっと、どこか捻りましたかって心配しているような口調になる沖田さんに、「いえこんなどんくさい女と並んで歩くなんて新選組の顔に泥を塗るようなもの。どうぞ私のことは置いて先に帰ってください。」って言う下女ちゃん。屯所の中じゃ弱いけど京の町中では立場が強くなる、それも沖田さんと過ごす時間が長くなったから出来ることだといい。
「君っていう人は…。変に賢くなりましたね。」