ことじか
DONEフェリクスが人魚の現パロアシュフェリ話。こないだあげたのと似てますがちょっと設定が違うかも、しれない。雰囲気で読んでください。夜の海(アシュフェリ)真っ暗な闇。寄せては返していく波の音がいつまでも経っても消えない。目を閉じると深い深いところまで沈んでいきそうな意識をゆっくりと浮上させる。
波打ち際から海を見る。月明かりだけがぽかんと浮かんだ海に、白い泡がぼこぼこと散っていく。夜の海は、少し怖い。なにもかも飲み込まれてしまいそうで。
海の泡となって消える人魚のお伽話を思い出す。あのお話の結末はどうなったのだろうか。
「フェリクス」
海に泳ぐ美しい人魚の名を呼ぶ。波打ち際で掌を海にかざす。月明かりの中、ひとつ高く高く影が立ち上ったかと思うときらきらと反射してまたすぐにばしゃりと水面を揺らす。
それきり静かになった。ざぶざぶと、海に入っていく。手を伸ばしてみるが届きそうにはなかった。
689波打ち際から海を見る。月明かりだけがぽかんと浮かんだ海に、白い泡がぼこぼこと散っていく。夜の海は、少し怖い。なにもかも飲み込まれてしまいそうで。
海の泡となって消える人魚のお伽話を思い出す。あのお話の結末はどうなったのだろうか。
「フェリクス」
海に泳ぐ美しい人魚の名を呼ぶ。波打ち際で掌を海にかざす。月明かりの中、ひとつ高く高く影が立ち上ったかと思うときらきらと反射してまたすぐにばしゃりと水面を揺らす。
それきり静かになった。ざぶざぶと、海に入っていく。手を伸ばしてみるが届きそうにはなかった。
ことじか
CAN’T MAKE何の脈絡もない人魚の現パロ。大学生なフェリクスが人魚に突然なってしまうお話。人魚なアシュフェリください。
アシュフェリ人魚現パロうだるような暑さの中、自宅に帰ってまず風呂場の扉を開ける。
「ただいま、フェリクス」
「おかえり」
暑さのせいかぐったりしたフェリクスは水を溜めた浴槽の中でちゃぷちゃぷと尻尾を浴槽の淵を叩いて不満げだ。
僕の家の大して広くもない、狭い浴槽には人魚が住んでいる。
フェリクスが人魚になったのは、大学が夏休みに入って一週間ほど経ってからのことだった。フェリクスの部屋から僕の家へと彼を連れてきて浴槽に住まわせて数日経つ。慣れてきたのか、最初は困っていた彼だったが人魚になったのが夏休み中でよかったと言っていた。
人魚というのは足が、魚の尾っぽのようになって手にも水かきのようなものになってしまっている。僕は生まれて初めて見たが人魚は随分と美しいもので、暑さと熱に弱いらしい。
764「ただいま、フェリクス」
「おかえり」
暑さのせいかぐったりしたフェリクスは水を溜めた浴槽の中でちゃぷちゃぷと尻尾を浴槽の淵を叩いて不満げだ。
僕の家の大して広くもない、狭い浴槽には人魚が住んでいる。
フェリクスが人魚になったのは、大学が夏休みに入って一週間ほど経ってからのことだった。フェリクスの部屋から僕の家へと彼を連れてきて浴槽に住まわせて数日経つ。慣れてきたのか、最初は困っていた彼だったが人魚になったのが夏休み中でよかったと言っていた。
人魚というのは足が、魚の尾っぽのようになって手にも水かきのようなものになってしまっている。僕は生まれて初めて見たが人魚は随分と美しいもので、暑さと熱に弱いらしい。
ことじか
DONEアシュフェリでキスの日。キスの日ネタでアシュフェリ「フェリクス、君に口づけしてもいいですか?」
ふたりきりの部屋でアッシュがそうおずおずと言った。
*
アッシュに好きだと告白されてじゃあ付き合うか、と言ったのは自分だった。
それから、初めての逢瀬。街へ二人で出掛けて、初めて手をつないだ。手をつなぐだけで幸せそうに笑うアッシュに好きだと、思ったのだ。
今日、誘ってきたのはアッシュだった。部屋でふたりきり。特にいつもと変わらない。課題の分からないところをアッシュが尋ねて、フェリクスがそれを教える。フェリクスの苦手なところはアッシュに教わって。そうして、終わった後に「お茶しません? 良い茶葉が手に入ったんです」とアッシュがお茶の準備をした。それはフェリクスの好みの香りだった。
1330ふたりきりの部屋でアッシュがそうおずおずと言った。
*
アッシュに好きだと告白されてじゃあ付き合うか、と言ったのは自分だった。
それから、初めての逢瀬。街へ二人で出掛けて、初めて手をつないだ。手をつなぐだけで幸せそうに笑うアッシュに好きだと、思ったのだ。
今日、誘ってきたのはアッシュだった。部屋でふたりきり。特にいつもと変わらない。課題の分からないところをアッシュが尋ねて、フェリクスがそれを教える。フェリクスの苦手なところはアッシュに教わって。そうして、終わった後に「お茶しません? 良い茶葉が手に入ったんです」とアッシュがお茶の準備をした。それはフェリクスの好みの香りだった。