さみしいひとその横顔を見た時、ひどくさみしい顔だと思った。
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課題の途中、休息をとることとなった。近くに泉があると聞き、水浴びでもしようかと思い、訪れたそこにシルヴァンはいた。
座り、目を伏せて、ブーツも脱いだ素足のままその足を泉に浸していた。
絵になるな、とアッシュは思った。見目がよい、というのだろう。実際、彼がたくさんの女性を関係を持っているというような噂話は何度も耳にしたことはあるし、目にしたこともある。
ふ、と顔を上げたシルヴァンは自分には気づいていないようだった。どこか空虚な顔をして遠くを見つめていた。
さみしい顔だと思った。普段の彼は自分の見目の良さを自覚して、それを最大限発揮できるような笑みを作って振りまいている。
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