百合菜
DONE2021年アリオス誕生日創作です。聖獣の宇宙の女王アンジェリーク・コレット。
女王の仕事はやりがいがある一方、虚しさを感じることもあり……
「ふう……」
いくつもの星が誕生し、守護聖も全員が揃い、聖獣の宇宙の成長は順調に進んでいる。
だけど、時々空虚な気持ちに襲われる。発展に伴い私自身も身を、そして心を削っているような気持ちになるから。それなのに私はこの宇宙が癒されることはない。
夜の帳が降り静寂が包み込む聖地。
自分の部屋から夜空をそっと見上げる。そこにあるのは満天の星。私が誕生をずっと見守り、ときには終焉も見つめる輝きたち。
……だけど、そこには私の故郷はない。私の生まれ育った星があるのは遙か彼方の別の宇宙。
「皮肉なもんだな」
誰もいないと思っていた部屋に響くのは低く深い声。
「アリオス!」
「自分が育てた宇宙にも関わらず癒しにならない、とはね」
1414いくつもの星が誕生し、守護聖も全員が揃い、聖獣の宇宙の成長は順調に進んでいる。
だけど、時々空虚な気持ちに襲われる。発展に伴い私自身も身を、そして心を削っているような気持ちになるから。それなのに私はこの宇宙が癒されることはない。
夜の帳が降り静寂が包み込む聖地。
自分の部屋から夜空をそっと見上げる。そこにあるのは満天の星。私が誕生をずっと見守り、ときには終焉も見つめる輝きたち。
……だけど、そこには私の故郷はない。私の生まれ育った星があるのは遙か彼方の別の宇宙。
「皮肉なもんだな」
誰もいないと思っていた部屋に響くのは低く深い声。
「アリオス!」
「自分が育てた宇宙にも関わらず癒しにならない、とはね」
百合菜
DONEアンジェ・ジュリアス×リモージュ(ジュリリモ)オスカー視点。オスカーの執務室に来たアンジェリーク。でも、彼女の目的は自分ではないようで……。
もうすぐ女王になる彼女のほんのひとときの楽しみとは?
※2021年6月30日Twitterに掲載済
コンコンとうかがうようなノックの音が炎の守護聖オスカーの部屋に響く。
そろそろか。そう思いながらドアを開くとそこにいるのは予想通りともいうべきか金の髪を持つ女王候補の姿であった。
「ジュリアス様ならまだ来ていないが」
聞かれるより先にそう答えると目の前の少女ーアンジェリーク・リモージュは明らかに落ち込む顔を見せた。
特別な感情を持たないとはいえ、女性が悲しむ姿は正直あまり見たくない。
「カプチーノでも飲んでいくか」
そうオスカーが問いかけるとその表情はほんのりと明るくなる。
椅子に腰かけるように促し、カプチーノをカップに注ぐ。
泡の触感を楽しんでいるのだろうか。先ほどまでとは違い、くるくる表情が動いている。
「ジュリアス様の部屋には行かなかったのか」
1401そろそろか。そう思いながらドアを開くとそこにいるのは予想通りともいうべきか金の髪を持つ女王候補の姿であった。
「ジュリアス様ならまだ来ていないが」
聞かれるより先にそう答えると目の前の少女ーアンジェリーク・リモージュは明らかに落ち込む顔を見せた。
特別な感情を持たないとはいえ、女性が悲しむ姿は正直あまり見たくない。
「カプチーノでも飲んでいくか」
そうオスカーが問いかけるとその表情はほんのりと明るくなる。
椅子に腰かけるように促し、カプチーノをカップに注ぐ。
泡の触感を楽しんでいるのだろうか。先ほどまでとは違い、くるくる表情が動いている。
「ジュリアス様の部屋には行かなかったのか」