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    百合菜

    遙かやアンジェで字書きをしています。
    ときどきスタマイ。
    キャラクター紹介ひとりめのキャラにはまりがち。

    こちらでは、完成した話のほか、書きかけの話、連載途中の話、供養の話、進捗なども掲載しております。
    少しでもお楽しみいただけると幸いです。

    ※カップリング・話ごとにタグをつけていますので、よろしければご利用ください

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    百合菜

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    アンジェ・ジュリアス×リモージュ(ジュリリモ)オスカー視点。

    オスカーの執務室に来たアンジェリーク。でも、彼女の目的は自分ではないようで……。
    もうすぐ女王になる彼女のほんのひとときの楽しみとは?

    ※2021年6月30日Twitterに掲載済

    ##ジュリリモ
    ##アンジェ
    ##アンジェリーク
    #ジュリリモ
    jurrimo.
    #アンジェ
    angers
    #アンジェリーク
    angelique

    コンコンとうかがうようなノックの音が炎の守護聖オスカーの部屋に響く。
    そろそろか。そう思いながらドアを開くとそこにいるのは予想通りともいうべきか金の髪を持つ女王候補の姿であった。

    「ジュリアス様ならまだ来ていないが」

    聞かれるより先にそう答えると目の前の少女ーアンジェリーク・リモージュは明らかに落ち込む顔を見せた。
    特別な感情を持たないとはいえ、女性が悲しむ姿は正直あまり見たくない。

    「カプチーノでも飲んでいくか」

    そうオスカーが問いかけるとその表情はほんのりと明るくなる。
    椅子に腰かけるように促し、カプチーノをカップに注ぐ。
    泡の触感を楽しんでいるのだろうか。先ほどまでとは違い、くるくる表情が動いている。

    「ジュリアス様の部屋には行かなかったのか」

    オスカーがそう聞くとアンジェリークはカップから口を離し、少し遠くを見ながら答える。

    「ええ、オスカー様の部屋に来ているような気がしたので」

    そう言われてオスカーは思い出す。仕事の都合もあるが、ほぼ毎日のようにジュリアスはこの部屋に来る。そして、最初はたまたま会っていたアンジェリークが、いつの間にかジュリアスを待ち伏せするためにこの部屋に来ることが多くなってきたことに。そして、それがどんな感情から来るものなのかわからぬオスカーではない。

    「健気だな」

    思わずそんな呟きが出てしまう。
    すると、アンジェリークはオスカーの方ではなく、窓から外を見ながら話す。まるでひとり言を呟くかのように。

    「オスカー様の部屋でジュリアス様を見かけると、そのままジュリアス様の部屋までご一緒できるのが楽しみでした。でも、そんな楽しいひとときももうすぐ終わるのでしょうね」

    アンジェリークがそう言うには理由がある。
    現在、エリューシオンの建物の数は62。ライバル候補のロザリアが育成するフェリシアよりも10程度差がついており、アンジェリークが女王になるのも時間の問題だと囁かれていたからだ。

    女王になると守護聖との距離は候補生のときの比ではない。
    今は敬意を持って接している守護聖が、今度は自分が敬意を持たれる側となり、さらにベール越しの存在となる。
    そして、恋をすることも許されない。
    彼女がジュリアスと過ごす時間を満喫できるのもあとわずか。

    「ジュリアス様のお部屋は緊張してあまり話せないけど、廊下だと楽しく話せるのです」

    それが感慨深く話しているように聞こえるのは、気のせいではないだろう。
    すると、そのとき、硬質なノック音がオスカーの部屋に響く。
    ドアを開くとそこにいたのは予想通りともいうべきか噂をしていた者ージュリアス。

    「アンジェリーク、お前も来ていたのか」
    「ええ」

    部屋にアンジェリークがいることに気がつくと、オスカーへの用事を手短に済ませる。そして、いつものようにといえばいいのだろうか、ふたりは廊下をともに歩き出す。
    そんなふたりの背中を見ながらオスカーは複雑な心境になる。歩幅はかなり違うはずなのに、ずいぶんと息が合っているのかここからでもわかる。

    「本来なら女王候補が首座の守護聖と親しいのは今後のことを考えると喜ばしいことなのだが……」

    しかし、なぜかそのことに歯がゆさを感じてしまう。
    部屋に戻ったオスカーはカップに残っていたカプチーノを口にする。
    いつもは感じない苦味がなぜか口の中に残った。
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    百合菜

    DOODLE地蔵の姿での任務を終えたほたるを待っていたのは、あきれ果てて自分を見つめる光秀の姿であった。
    しかし、それには意外な理由があり!?

    お糸さんや蘭丸も登場しつつ、ほたるちゃんが安土の危険から守るために奮闘するお話です。

    ※イベント直前に体調を崩したため、加筆修正の時間が取れず一部説明が欠ける箇所がございます。
    申し訳ございませんが脳内補完をお願いします🙏
    1.

    「まったく君って言う人は……」

    任務に出ていた私を待っていたのはあきれ果てた瞳で私を見つめる光秀さまの姿。
    私が手にしているのは抱えきれないほどの花に、饅頭や団子などの甘味に酒、さらにはよだれかけや頭巾の数々。

    「地蔵の姿になって山道で立つように、と命じたのは確かに私だけど、だからってここまでお供え物を持って帰るとは思わないじゃない」

    光秀さまのおっしゃることは一理ある。
    私が命じられたのは京から安土へとつながる山道を通るものの中で不審な人物がいないか見張ること。
    最近、安土では奇行に走る男女が増えてきている。
    見たものの話によれば何かを求めているようだが、言語が明瞭ではないため求めているものが何であるかわからず、また原因も特定できないとのことだった。
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    百合菜

    MAIKING遙か4・風千
    「雲居の空」第3章

    風早ED後の話。
    豊葦原で平和に暮らす千尋と風早。
    姉の一ノ姫の婚姻が近づいており、自分も似たような幸せを求めるが、二ノ姫である以上、それは難しくて……

    アシュヴィンとの顔合わせも終わり、ふたりは中つ国へ帰ることに。
    道中、ふたりは寄り道をして蛍の光を鑑賞する。
    すると、風早が衝撃的な言葉を口にする……。
    「雲居の空」第3章~蛍3.

    「蛍…… 綺麗だね」

    常世の国から帰るころには夏の夜とはいえ、すっかり暗くなっていた。帰り道はずっと言葉を交わさないでいたが、宮殿が近づいたころ、あえて千尋は風早とふたりっきりになることにした。さすがにここまで来れば安全だろう、そう思って。

    短い命を輝かせるかのように光を放つ蛍が自分たちの周りを飛び交っている。明かりが灯ったり消えたりするのを見ながら、千尋はアシュヴィンとの会話を風早に話した。

    「そんなことを言ったのですか、アシュヴィンは」

    半分は穏やかな瞳で受け止めているが、半分は苦笑しているようだ。
    苦笑いの理由がわからず、千尋は風早の顔を見つめる。

    「『昔』、あなたが嫁いだとき、全然相手にしてもらえず、あなたはアシュヴィンに文句を言ったのですけどね」
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