岩藤美流
DONEニッチな内容なので前回をお確かめの上 読んで頂けたら幸いでございます。なんとなく続いちゃったので。書いちゃった。
キャンプウィルルオ2 ル・オーの到着が随分と遅れたのは、最後までここに来るべきか悩んで眠ったせいである。たっぷり9時間も寝た末に、仕事では絶対にしないような大遅刻をし、慌てて自転車ではなく車で家を飛び出した。
先日のキャンプ場はすっかり桜の花が満開になっており、同じ場所とは思えないほどの混雑ぶりを見せ、駐車するのにも一苦労した。まず近くの公園から屋台が並んでいるし、道は写真撮影する客たちで溢れており、ル・オーはそれだけで体力を削られながら、キャンプ場へと辿り着く。
既に太陽は真上を通り越して、夕方に差し掛かろうかという頃合いだ。一般の花見客は帰る者も多いけれど、キャンプ場は大賑わいである。
花見ついでにキャンプをするのか、それともキャンプついでに花見をするのか。色とりどりのテントで埋まったそこを見てげっそりした気持ちになる。嫌な季節だ。落ち着いてひとりでいられないなら、キャンプをする意味が無い。
4256先日のキャンプ場はすっかり桜の花が満開になっており、同じ場所とは思えないほどの混雑ぶりを見せ、駐車するのにも一苦労した。まず近くの公園から屋台が並んでいるし、道は写真撮影する客たちで溢れており、ル・オーはそれだけで体力を削られながら、キャンプ場へと辿り着く。
既に太陽は真上を通り越して、夕方に差し掛かろうかという頃合いだ。一般の花見客は帰る者も多いけれど、キャンプ場は大賑わいである。
花見ついでにキャンプをするのか、それともキャンプついでに花見をするのか。色とりどりのテントで埋まったそこを見てげっそりした気持ちになる。嫌な季節だ。落ち着いてひとりでいられないなら、キャンプをする意味が無い。
岩藤美流
DONE現代日本設定っぽい謎時空。ウィルルオがキャンプで知り合うだけの話。
続くかはわかんないです。
キャンプウィルルオ スマートフォンの通知を切り。リュックを背に自転車へまたがる。そして空を見上げ、ひとつ息を吐き出すとペダルを踏み込んだ。
春、と呼ばれる季節が訪れてはいるけれど、朝晩などは冬に縋り付かれているようだ。坂を登る為に荒くなった吐息が白くならないだけで、肺に染み込む空気も、頬に当たる風も痛むほどに冷たい。しかしそれも陽が昇り、息が上がるごとに和らぎ、熱くなっていく。
車の往来も少ない山間の車道を、自転車で駆け抜ける。峠にさしかかった頃、山頂では眩い太陽が煌めき、目を細めた。
なんという、素晴らしい天気だろう。
ル・オーという名の青年は静かにひとり、表情を綻ばせた。
土曜日の昼である。
まだ寒さの残るこの季節、桜も固い蕾の今はキャンプ客もそう多くはない。
5358春、と呼ばれる季節が訪れてはいるけれど、朝晩などは冬に縋り付かれているようだ。坂を登る為に荒くなった吐息が白くならないだけで、肺に染み込む空気も、頬に当たる風も痛むほどに冷たい。しかしそれも陽が昇り、息が上がるごとに和らぎ、熱くなっていく。
車の往来も少ない山間の車道を、自転車で駆け抜ける。峠にさしかかった頃、山頂では眩い太陽が煌めき、目を細めた。
なんという、素晴らしい天気だろう。
ル・オーという名の青年は静かにひとり、表情を綻ばせた。
土曜日の昼である。
まだ寒さの残るこの季節、桜も固い蕾の今はキャンプ客もそう多くはない。
岩藤美流
DONEご注意・序盤~中盤にマイルドですが、愛の無い行為の強要未遂の表現がございます。苦手なかたはご注意下さいませ。
・話全体としてはハッピーいちゃラブエロに帰結するので、この部分を飛ばしても大丈夫だと思います。 7597
岩藤美流
DONE後で大幅改訂するかもですが。大事故シリーズの続き。まだ何も始まっていません。おじさんはいます。そしてメスになる 前編① 今日も平和なグランサイファー。
ルナールが自室で原稿に勤しんでいると、背後に気配を感じた。はっとして、机の上の原稿を全て隠す。そうする間にも、部屋の中に朱の扉が豪快に開き、中からウィルナスが元気良く飛び出す。
「到来、到来!」
「あっ、い、いらっしゃい! 今日も絵物語を借りに来たのかしら?」
ジャージ姿のルナールが尋ねると、ウィルナスは「応、応!」と頷き、数冊の本を差し出す。それはウィルナスが借りていた絵物語だ。
「いつも実に面白い絵物語ばかりだ! ヒトの子の創作は多彩で、興味深い! 他にも良いものがあるなら、是非読ませやがってくれ!」
「え、ええ! まだまだいっぱい、オススメがあるのよ。ちょっと待ってね……」
3793ルナールが自室で原稿に勤しんでいると、背後に気配を感じた。はっとして、机の上の原稿を全て隠す。そうする間にも、部屋の中に朱の扉が豪快に開き、中からウィルナスが元気良く飛び出す。
「到来、到来!」
「あっ、い、いらっしゃい! 今日も絵物語を借りに来たのかしら?」
ジャージ姿のルナールが尋ねると、ウィルナスは「応、応!」と頷き、数冊の本を差し出す。それはウィルナスが借りていた絵物語だ。
「いつも実に面白い絵物語ばかりだ! ヒトの子の創作は多彩で、興味深い! 他にも良いものがあるなら、是非読ませやがってくれ!」
「え、ええ! まだまだいっぱい、オススメがあるのよ。ちょっと待ってね……」