ちょこ
DONEエガキナ親友は背中を押した「俺は心からは言えないよ、お前の気持ち知ってるから」
創は琥珀を起こさないように、だが目の前にいる鈴鹿に聞こえるように、はっきりとそう言った。鈴鹿は黙って創の顔を見る、返答の一つでもするのかと思っていたが、見てる限り自分の言葉に動揺しているのか、鋭いナイフの様に刺さったのか、それは鈴鹿自身にしか分からない。
鈴鹿の事だ、もし言葉を発せれたら、いつか聞いた時のように琥珀が幸せであればいい、とか言うのだろう。あの時、まだ自分が行方不明になる前、自覚してない時に琥珀には幸せになって欲しい、と自分は言った。その時の鈴鹿は、自分も同じ気持ちだ、と言ったものだ。自覚してなかったから仕方なかったとはいえ、思わず頭を抱えそうになった。ここまで自覚してなかったのか、と。
1077創は琥珀を起こさないように、だが目の前にいる鈴鹿に聞こえるように、はっきりとそう言った。鈴鹿は黙って創の顔を見る、返答の一つでもするのかと思っていたが、見てる限り自分の言葉に動揺しているのか、鋭いナイフの様に刺さったのか、それは鈴鹿自身にしか分からない。
鈴鹿の事だ、もし言葉を発せれたら、いつか聞いた時のように琥珀が幸せであればいい、とか言うのだろう。あの時、まだ自分が行方不明になる前、自覚してない時に琥珀には幸せになって欲しい、と自分は言った。その時の鈴鹿は、自分も同じ気持ちだ、と言ったものだ。自覚してなかったから仕方なかったとはいえ、思わず頭を抱えそうになった。ここまで自覚してなかったのか、と。
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DONEエガキナよその子さんお借りしてます
優しさに触れた日 放課後、琥珀は校舎裏でしゃがみこんでいた。早く教室に戻らないと、創と鈴鹿が心配してしまう。けれど、足が震えて立つことが出来ない。その原因は、先程近隣の学校の女子生徒から、校門近くで告白を受けたからだ。
琥珀の通っている男子校では、学園祭などの行事を除いて、普段ほかの学校の女子生徒が無断で学校内に入るのを許可していない。だから琥珀のような、告白したい男子生徒がいる時は、校門先で待って、告白をするという流れだ。琥珀の親友である創も、この学校で知り合って一緒にいるようになった鈴鹿も、よくこうして告白を受けているのを知っている。
琥珀も例外ではなかった。何故か男からの告白が多かったが、こうして近隣の女子生徒から告白を受けることもある。けれど、琥珀は女性が苦手だ。苦手、というよりか女性恐怖症と言ってもおかしくない。話すだけでも動悸が酷くなる時があるくらいだ。
2089琥珀の通っている男子校では、学園祭などの行事を除いて、普段ほかの学校の女子生徒が無断で学校内に入るのを許可していない。だから琥珀のような、告白したい男子生徒がいる時は、校門先で待って、告白をするという流れだ。琥珀の親友である創も、この学校で知り合って一緒にいるようになった鈴鹿も、よくこうして告白を受けているのを知っている。
琥珀も例外ではなかった。何故か男からの告白が多かったが、こうして近隣の女子生徒から告白を受けることもある。けれど、琥珀は女性が苦手だ。苦手、というよりか女性恐怖症と言ってもおかしくない。話すだけでも動悸が酷くなる時があるくらいだ。
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看病 創が見つかって、二人の共通の知り合い──いや、親友と言っていいだろう。親友の鈴鹿と再会出来た日から数日後、鈴海が熱を出したと連絡が入った。鈴鹿が体調を崩すなんて珍しい、琥珀は思ったが、創はなんとなく感じていた。
恐らく自分が見つからない間、気を張っていたのだろう。琥珀に心配かけないように、色んな要素があって気を張って、創と再会出来て力が抜けて、無理をしていたのが体調不良として現れたのだろう。
親友が体調不良というなら、やる事は一つしかないだろう。鈴鹿のお見舞いに行くため、琥珀と創は鈴鹿が住んでいるマンションまで行くことにした。事前に、鈴鹿にはスマートフォンのトークアプリで連絡を入れる。マンションに行く前に、琥珀はスーパーに寄った。
2089恐らく自分が見つからない間、気を張っていたのだろう。琥珀に心配かけないように、色んな要素があって気を張って、創と再会出来て力が抜けて、無理をしていたのが体調不良として現れたのだろう。
親友が体調不良というなら、やる事は一つしかないだろう。鈴鹿のお見舞いに行くため、琥珀と創は鈴鹿が住んでいるマンションまで行くことにした。事前に、鈴鹿にはスマートフォンのトークアプリで連絡を入れる。マンションに行く前に、琥珀はスーパーに寄った。
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眠りの魔法 光のない目でパソコンの画面を見ながらキーボードを叩く琥珀。ここ連日の没討伐やらで、原稿がほとんど進めれてなかったのだ。編集者は理解があって、最初提示した締め切りより伸ばせると提案してくれたが、その日にちだと向こうが大変なのを分かっていた琥珀は、何とかして原稿を終わらせようと原稿を進めたのが数時間前、終わりが見えない。
こうして原稿が大変な時は遼貴が琥珀の家に来てお菓子を作ってくれる、現に先ほど来てくれて片手でもつまめるように、と小さめのカップケーキを作ってくれた。どんな対応をしたか覚えてなかったが、琥珀の顔色を見た遼貴の顔が引きつっていたような気がする。
「あ、あまり無理しないでくださいね」
そう言って帰った遼貴を見送ったのは何となく覚えている。なぜ記憶があやふやなのか、徹夜してるからだ。寝不足で頭痛を引き起こしてる頭をなんとか我慢し、力の無い手でカップケーキをつかんで食べる。優しい甘さが体に染みる、そう言えば昨日から何か食べた記憶もない。水分も取ったか、と考える。
1294こうして原稿が大変な時は遼貴が琥珀の家に来てお菓子を作ってくれる、現に先ほど来てくれて片手でもつまめるように、と小さめのカップケーキを作ってくれた。どんな対応をしたか覚えてなかったが、琥珀の顔色を見た遼貴の顔が引きつっていたような気がする。
「あ、あまり無理しないでくださいね」
そう言って帰った遼貴を見送ったのは何となく覚えている。なぜ記憶があやふやなのか、徹夜してるからだ。寝不足で頭痛を引き起こしてる頭をなんとか我慢し、力の無い手でカップケーキをつかんで食べる。優しい甘さが体に染みる、そう言えば昨日から何か食べた記憶もない。水分も取ったか、と考える。