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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
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    エガキナ

    よその子さんおかりしてます

    ##認可信号組
    #エガキナ
    postcardinus

    看病 創が見つかって、二人の共通の知り合い──いや、親友と言っていいだろう。親友の鈴鹿と再会出来た日から数日後、鈴海が熱を出したと連絡が入った。鈴鹿が体調を崩すなんて珍しい、琥珀は思ったが、創はなんとなく感じていた。
     恐らく自分が見つからない間、気を張っていたのだろう。琥珀に心配かけないように、色んな要素があって気を張って、創と再会出来て力が抜けて、無理をしていたのが体調不良として現れたのだろう。
     親友が体調不良というなら、やる事は一つしかないだろう。鈴鹿のお見舞いに行くため、琥珀と創は鈴鹿が住んでいるマンションまで行くことにした。事前に、鈴鹿にはスマートフォンのトークアプリで連絡を入れる。マンションに行く前に、琥珀はスーパーに寄った。

     こういう事は琥珀に任せた方がいい、買い物かごに迷いなく商品を入れる琥珀を横目で見る創。琥珀は考えていた、鈴鹿が一体どのくらいの症状なのか分からなかったが、お粥の材料である米、この場合はパックご飯を買うことにした。お粥にいれる梅干しも買う。それと、食欲がなくても食べられるゼリー、飲み物を手に取る。
    「冷えピタも買うか?」
    「あー……そうだな、買うか」
     創の一言に冷えピタもカゴに入れた。このくらいだろうか、と思いつつ会計を済ませスーパーを後にした。
     スーパーからでて少しして、鈴鹿の住んでいるマンションへと着いた。創がトークアプリを開くと、鈴鹿から返信が着いていた。鍵は空いている、との事。それを見て二人は鈴鹿の部屋番号を確認して扉の前に行き、扉を開けた。鍵はかかっておらず、中に入る。
    「鈴鹿ー! 来たぞー!」
    「お邪魔します」
     二人とも靴を脱いで揃えると、部屋の中へと入る。部屋の扉を開けると、画材が沢山置かれている部屋と、ベッドの上で寝ていた鈴鹿を見る。鈴鹿はゆっくりと体を起こすと、熱で虚ろな目をして二人を見る。
    「……ごめん……」
    「起きなくていいから、薬は? 冷えピタ買ってきたから貼ろう」
    「……食欲なくて、まだ飲んでない……」
    「ゼリー買ってきたから食えるか?」
    「……うん……」
     創が鈴鹿の体を支えつつ、額にのせていた熱でぬるくなっていたタオルをとり、買ってきた冷えピタを貼る。額だけではなく、首にも貼る。そして、琥珀はゼリーを鈴鹿に渡した。
     自分で食べ切れるだろうか、と心配したが、すずこははスプーンを手にしてゆっくりとゼリーを食べる。少しでも食べれれば薬が飲める、少し食べたのを確認して薬を飲ませた。

    「よし、飲んだな……。水分とっとけ」
    「今からお粥作ろうか」
    「お! 俺も手伝う!」
    「えっ」
     創の申し出に思わず眉を顰める琥珀。創の料理の腕前は言わずとも、汚い言葉になるがクソまずい。いや、もうまずいの領域を超えているのかもしれない。なにをどうしたらそんな料理になるのか、ある意味謎だ。
     そもそも、鈴鹿のこの部屋のキッチンはそんなに広くない、琥珀ならまだしも、身長がある創がいるだけではっきり言うと邪魔である。
     そんな時、鈴鹿が震える手で創の腕を掴んだ。熱があるというのに、力は強かった。
    「台所役は琥珀がいいし、創は俺の視界からいなくなるな」
    「えっ……」
    「……鈴鹿からのご指名だ。じゃあお粥作ってくる」
     そう言って琥珀はキッチンへと行った。そんな琥珀の背中を見送りつつ、創はチラリと鈴鹿を見る。言葉の意味の重さを、感じていた。鈴鹿は相変わらず熱で呼吸が乱れていたが、創を見ている。
    「……さっきの言葉、やっぱ三年前の引きずってる?」
    「……当たり前だろ……。……あの時ほど無力さを感じたことはなかった」
    「……うん、ごめん」
     熱で汗をかいている鈴鹿の顔を、ベッド横に置かれていた水の入った小さめの洗い桶に、先程のタオルで濡らして絞り、拭いた。

    「早く元気になれよ〜。お前が元気じゃないと調子狂うわ」
    「……おう……」
    「……ごめんな、三年間も気を張らせて。……もう俺、いなくならないから」
    「……約束しろよほんと……」
    「もちろん! なんなら指切りげんまんするか」
     そう創は笑うと、鈴鹿の手を取り小指を絡めた。もう二度と、二人の前から消えたりしない。創はそう思いながら小指を絡め、離す。
     その時、丁度お粥を作り終えたのか、お盆に出来たてのお粥をのせて琥珀がやってきた。お粥の上には、種を抜いた梅干しが置かれていた。
    「鈴鹿、お粥できたけど……食べれるか?」
    「……食べる……」
    「食べたら水分取って寝ないとな〜!」
    「熱いから気をつけて」
     湯気のたつお粥に息をふきかけて少し冷まし、鈴鹿はお粥を食べる。風邪の時に食べるお粥は不思議と美味しい気がしてるのか、それとも先程飲んだ薬が効いているのか、二人が思っていたよりも食べている鈴鹿。
    「薬のおかげかな」
    「食欲ある時に食べないとな」
    「……やっぱ琥珀の料理美味い……」
    「元気になったら鈴鹿の好きな料理沢山作るから」
     琥珀の言葉に嬉しかったからか笑う鈴鹿、その笑顔を見て鈴鹿はすぐに元気になる、と思った二人だった。
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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