cuffblessu1213
DONEリケ視点を交えた健全なネロ晶♀SSです。特別なきみ 昼飯も終わって夕飯までのちょうどおやつ時。何か焼いてやろうか、なんて思案しながら呑気にパントリーを物色していたところに、幼いけど凛とした声が響き渡った。
「ネロ」
「なんだ、リケ。おやつねだりに来たのか」
「大事なお話があります」
「今?」
「ええ」
キッチンの中にある作業台に備え付けのスツールにちょこんと行儀よく腰掛けて、リケはこっちを真っ直ぐ見る。その真剣すぎる眼差しを適当にあしらうことも叶わず、なんかねえかなと急いでその辺に視線を彷徨わす。
「あ、リンゴあるぞ。ちょっと待ってな、角ウサギにしてやる」
「おやつをねだりに来たのではありませんが、剥いてくれるならいただきます」
向かいに腰掛けて果物ナイフでするするっと剥いたリンゴを皿に盛って出してやると、それを両手で持ったリケが小さい口でしゃり、と齧る。
2956「ネロ」
「なんだ、リケ。おやつねだりに来たのか」
「大事なお話があります」
「今?」
「ええ」
キッチンの中にある作業台に備え付けのスツールにちょこんと行儀よく腰掛けて、リケはこっちを真っ直ぐ見る。その真剣すぎる眼差しを適当にあしらうことも叶わず、なんかねえかなと急いでその辺に視線を彷徨わす。
「あ、リンゴあるぞ。ちょっと待ってな、角ウサギにしてやる」
「おやつをねだりに来たのではありませんが、剥いてくれるならいただきます」
向かいに腰掛けて果物ナイフでするするっと剥いたリンゴを皿に盛って出してやると、それを両手で持ったリケが小さい口でしゃり、と齧る。
猫目ゆこ
DONEまほやく絵まとめ単体絵はミスラ/シノ/ネロ/オーエン
⚠︎後半にまほ晶♀があります
ネロ晶♀/フィ晶♀/ミス晶♀/ファウ晶♀
(23/06/20〜08/30)
最後の2枚は2020年に描いたものです 14
近衛 無花果
DONEMerry Christmasなミス晶♀(非恋愛)窓からやってくるミスラサンタさんに触発されました
いつも通りの聖なる夜に がたり。窓が無遠慮に開き、肌を刺す冷たい風が部屋の中に雪崩れ込んだ。窓からの侵入者が顔を覗かせると部屋の中に積まれていたプレゼントの山も雪崩を起こして崩れていく。
「メリー……メリー、なんでしたっけ」
「メリークリスマスですよ。こんばんは、ミスラ」
「メリー、くりすます。賢者様」
真っ赤な衣服に身を包み、サンタになり切った--と本人が思っているだけの--ミスラは投げやりで舌足らずな挨拶を交わし、土足で晶の部屋に踏み入った。
嗚呼、と晶が嘆く。じとりと睨んで不満を露わにした。
ミスラは晶を見て、それから自分の足元を見て、それを何回か繰り返したのち、足に手を伸ばして靴を脱ぎ捨てた。それならばよしと晶は表情を緩めて、聖なる施しの魔法使いを歓迎した。
2098「メリー……メリー、なんでしたっけ」
「メリークリスマスですよ。こんばんは、ミスラ」
「メリー、くりすます。賢者様」
真っ赤な衣服に身を包み、サンタになり切った--と本人が思っているだけの--ミスラは投げやりで舌足らずな挨拶を交わし、土足で晶の部屋に踏み入った。
嗚呼、と晶が嘆く。じとりと睨んで不満を露わにした。
ミスラは晶を見て、それから自分の足元を見て、それを何回か繰り返したのち、足に手を伸ばして靴を脱ぎ捨てた。それならばよしと晶は表情を緩めて、聖なる施しの魔法使いを歓迎した。
近衛 無花果
DONEお題:残り香 ミス晶♀世界にあなたの残り香を
#まほ晶男女CPウィークリー
この世界にあなたの残り香を ──賢者は役目を終えると世界から忘れ去られる。それでも、何も残らないわけではないのだ。
──私には一体何がのこせるだろうか。
◆
晶がミスラを寝かしつけるという行為は毎夜行われるものではない。晶がひどく疲れていたり、ミスラが帰ってこなかったり、いつやると決まっているわけでもない。週に何度かミスラと晶のタイミングが良い時─もしくはミスラが我慢の限界に達した時─に突発的に行われる儀式のようなものだ。
初めのうちは恥ずかしさもあって手を握って寝かしつけていたが、そう何日も夜遅くまで付き合っていては晶の身がもたず、ひと月もする頃には同じベッドで共に寝るようになった。
そうなったあたりから、不思議なことに、他の魔法使いたちがミスラと晶が共に寝ていたことを敏感に感じ取るようになった。朝起こしにくるヒースクリフは別として、カインとハイタッチをする際には「今日もお疲れ様」と言われるし、フィガロなんかは「妬けちゃうな」なんて茶化してくる始末だ。
3752──私には一体何がのこせるだろうか。
◆
晶がミスラを寝かしつけるという行為は毎夜行われるものではない。晶がひどく疲れていたり、ミスラが帰ってこなかったり、いつやると決まっているわけでもない。週に何度かミスラと晶のタイミングが良い時─もしくはミスラが我慢の限界に達した時─に突発的に行われる儀式のようなものだ。
初めのうちは恥ずかしさもあって手を握って寝かしつけていたが、そう何日も夜遅くまで付き合っていては晶の身がもたず、ひと月もする頃には同じベッドで共に寝るようになった。
そうなったあたりから、不思議なことに、他の魔法使いたちがミスラと晶が共に寝ていたことを敏感に感じ取るようになった。朝起こしにくるヒースクリフは別として、カインとハイタッチをする際には「今日もお疲れ様」と言われるし、フィガロなんかは「妬けちゃうな」なんて茶化してくる始末だ。