ariari2523_dai
DONEダイ君とお兄ちゃん(微ポプダイ)記憶喪失のダイ君とポップのお話。
あんなに怖がっていたのに、翌日には肩を抱かれて並んで入城してたのなんで……???
WEBオンリーイベント「最高の友達!!」
展示SS その1
ダイ君とお兄ちゃん(微ポプダイ) 湯浴み用の桶に沸かしたお湯が次々に注がれていくのを、ポップは内心で溜息を吐きながら見つめていた。 小さな小屋には当然だが風呂場などない。部屋の片隅に湯桶を置き、張った紐にシーツをかけて仕切りを作り部屋を区切っただけの簡易な浴場がそこにはある。
お湯に指先を浸けて温度を確かめていたらしいメルルが、大丈夫ですと小さく頷く。いいお湯加減ですよ、と笑う先にはレオナとダイが並んで佇んでいる。
それを合図にして、レオナが自身に引っ付いて離れようとしないダイに湯浴みするように促し始めた。 そっとダイの背を押した先にいるのは、仏頂面で手招きしているポップだ。
琥珀色の大きな瞳からぽろぽろと涙を零しながら、振り返ったダイは戸惑ってレオナを見上げている。
14672お湯に指先を浸けて温度を確かめていたらしいメルルが、大丈夫ですと小さく頷く。いいお湯加減ですよ、と笑う先にはレオナとダイが並んで佇んでいる。
それを合図にして、レオナが自身に引っ付いて離れようとしないダイに湯浴みするように促し始めた。 そっとダイの背を押した先にいるのは、仏頂面で手招きしているポップだ。
琥珀色の大きな瞳からぽろぽろと涙を零しながら、振り返ったダイは戸惑ってレオナを見上げている。
ariari2523_dai
DONEダイ君と叶えたい願い(ポプダイ)原作軸。謎時空。えちちなシーンは匂わせ程度。
ポップ視点→モブメイドさん視点。
WEBオンリーイベント「最高の友達!!」
展示SS その2
ダイ君と叶えたい願い(ポプダイ)「そう……上手いぞ、ちゃんとこの間おれが言ったこと守れてる」
「ほんと? おれ、ちゃんとできてる?」
「ああ。まだちょいと危ういとこはあるけどな」
「ううう……頑張るよ」
椅子に座って書き物をするダイの背後から、おれは小さな手が辿々しく綴っていく文字を見守った。細い長方形の紙切れへと少しばかり震えた手が綴る文字は、形は歪んでいて悪いし、真っ直ぐに並ばず次第に斜めになっていて読みにくいことは否定しない。けれど、手習いを始めたばかりの辛うじて文字だと判別できるかなという程度だった頃に比べれば、飛躍的にレベルアップしていると言える。
この紙は短冊、っていうらしい。年に一度願い事を書き込んで所定の植物に飾り付け、星に願う遠い異国の行事だと、今朝会った姫さんに説明された。明日の夜に城の中庭に掲げるのでよろしくねという一言とともにダイの分の短冊も渡されたので、つまるところこいつが願い事を書き込むまで面倒を見ろってことだとおれは解釈した。そんでもって今現在の状況になっている。
12447「ほんと? おれ、ちゃんとできてる?」
「ああ。まだちょいと危ういとこはあるけどな」
「ううう……頑張るよ」
椅子に座って書き物をするダイの背後から、おれは小さな手が辿々しく綴っていく文字を見守った。細い長方形の紙切れへと少しばかり震えた手が綴る文字は、形は歪んでいて悪いし、真っ直ぐに並ばず次第に斜めになっていて読みにくいことは否定しない。けれど、手習いを始めたばかりの辛うじて文字だと判別できるかなという程度だった頃に比べれば、飛躍的にレベルアップしていると言える。
この紙は短冊、っていうらしい。年に一度願い事を書き込んで所定の植物に飾り付け、星に願う遠い異国の行事だと、今朝会った姫さんに説明された。明日の夜に城の中庭に掲げるのでよろしくねという一言とともにダイの分の短冊も渡されたので、つまるところこいつが願い事を書き込むまで面倒を見ろってことだとおれは解釈した。そんでもって今現在の状況になっている。
ariari2523_dai
DONEダイ君とアルキードのワイン(左右不定コンビ)原作軸。謎時空。
WEBアンソロジー「勇者と相棒」に寄稿させていただいた「王女の一雫」というお話のこぼれ話です。
ポップに渡されたワインの意味をダイ君が知るお話。
ダイ君とアルキードのワイン(左右不定コンビ) おれにとって、アルキードという国は、特別に何かを思い起こさせるものじゃなかった。
そんな名前の国があるなんて、旅に出てあの人と出会うまで知らなかったし、それがおれを生んでくれた母さんの生まれ育った国で、そしてあの人がこの世界から消してしまった国なんだってことも、つい最近知ったんだ。
母親、という存在を恋しいと思ったことも、実はあんまりない。そりゃ、うんとうんと小さい頃のことはもう覚えてないけど。おれがおれの記憶を掘り返して思い出せるくらいの歳まで遡る限りでは、母さんがいないことに疑問を覚えることはあっても、寂しいと思ったことはあんまりなかった。
だっておれにはじいちゃんがいてくれたし、島のみんなやゴメちゃんだっていてくれたから。おれはそれで十分に満たされていて、何かを不足していると感じたこともなかった。
4050そんな名前の国があるなんて、旅に出てあの人と出会うまで知らなかったし、それがおれを生んでくれた母さんの生まれ育った国で、そしてあの人がこの世界から消してしまった国なんだってことも、つい最近知ったんだ。
母親、という存在を恋しいと思ったことも、実はあんまりない。そりゃ、うんとうんと小さい頃のことはもう覚えてないけど。おれがおれの記憶を掘り返して思い出せるくらいの歳まで遡る限りでは、母さんがいないことに疑問を覚えることはあっても、寂しいと思ったことはあんまりなかった。
だっておれにはじいちゃんがいてくれたし、島のみんなやゴメちゃんだっていてくれたから。おれはそれで十分に満たされていて、何かを不足していると感じたこともなかった。