なた(@zaffiro_f)
DONE薫輝の短編を書きたかった乾燥注意今日は桜庭の家にお邪魔して夕飯を食べた後、二人でコーヒーを飲みながらソファで寛いでいた。
「天道」
呼ばれて隣の桜庭を見ると、少し眉間に皺が寄っていた。どうやら甘い雰囲気では無さそうでつい身構える。
「な、なんだよ……」
「君の唇が乾燥している。」
「なんだそんなことか……」
大したことじゃなくてホッとした。そう言われてみれば唇がカサついてる気がする。あからさまに安堵した俺を見て桜庭の眉間の皺がぎゅっと寄る。
「乾燥していたら唇が荒れて皮膚がめくれたり裂けたりしやすい。保湿をきちんとしろ」
「わかったわかった」
たしかリップクリームは鞄に入ってた気がするけど、座りこごちのいいソファから立ち上がる気力が起きない。
「なあ今持ってたりする?」
773「天道」
呼ばれて隣の桜庭を見ると、少し眉間に皺が寄っていた。どうやら甘い雰囲気では無さそうでつい身構える。
「な、なんだよ……」
「君の唇が乾燥している。」
「なんだそんなことか……」
大したことじゃなくてホッとした。そう言われてみれば唇がカサついてる気がする。あからさまに安堵した俺を見て桜庭の眉間の皺がぎゅっと寄る。
「乾燥していたら唇が荒れて皮膚がめくれたり裂けたりしやすい。保湿をきちんとしろ」
「わかったわかった」
たしかリップクリームは鞄に入ってた気がするけど、座りこごちのいいソファから立ち上がる気力が起きない。
「なあ今持ってたりする?」
mu_tsu_581
DONE薫輝。輝が消えてしまった世界の話。少し暗いかも存在の証明 気づけば、男はただそこに在った。
何かを成しているわけではない。何かを思考しているわけでもない。
ただ、そこに存在しているだけだった。
意識も、自我もない。だからどうして【在る】ことが分かるのかが分からない。
だが確かに、それはそこに在った。
この世界に果てはなく、いずれはどこまでも続く闇に全てが飲み込まれるのだという漠然とした感覚がどこかに満ちていく。男が声を出すことも、指先を動かすこともない。ただ与えられたものを享受するだけだ。それはひどく無力で滑稽だ、とどこかで何かが笑う。
ここは不思議ととても居心地が良かった。このままずっとここに在り続けることができたらお前は何も感じることはなく、ただ幸福に満ち溢れるのだ。そう何かがどこかで囁くが、世界は変わらず静寂に支配されていた。
16558何かを成しているわけではない。何かを思考しているわけでもない。
ただ、そこに存在しているだけだった。
意識も、自我もない。だからどうして【在る】ことが分かるのかが分からない。
だが確かに、それはそこに在った。
この世界に果てはなく、いずれはどこまでも続く闇に全てが飲み込まれるのだという漠然とした感覚がどこかに満ちていく。男が声を出すことも、指先を動かすこともない。ただ与えられたものを享受するだけだ。それはひどく無力で滑稽だ、とどこかで何かが笑う。
ここは不思議ととても居心地が良かった。このままずっとここに在り続けることができたらお前は何も感じることはなく、ただ幸福に満ち溢れるのだ。そう何かがどこかで囁くが、世界は変わらず静寂に支配されていた。
なた(@zaffiro_f)
DONE事件の後に滅茶苦茶働いてた残を癒宇が労る話。癒宇は(自分が残を見ておかないと…)って思ってたらいいなって癒残「ようやく終わった〜!」
作戦室の扉を勢いよく開け放った残が開口一番に叫ぶと、中で一人作業をしていた透が傍に寄ってきた。
「お疲れ様です。これでひと段落ですね」
学園を中心に起きた事件から約一ヶ月後。残たち公安学園対策チームは事件の後始末に追われていた。学園内外に公安の協力者は多く集まり事件自体は収束したが、その後の上層部への報告や事件に関わった生徒達の処遇の交渉などいわゆる“多方面への調整”に対応できる人員は公安メンバーの中でもかなり限られており、リーダーである残は誰よりもこの調整に奔走していた。
「ああ。何とか終わってよかったぜ」
事件の直後から残はあちこちを駆け回って証拠や意見を集め、複雑な事件の経緯と今後の対策をまとめ上げ、誰も理不尽を被ることがないよう上層部にも掛け合い、なんとか説得をしてようやく一区切りをつけることができた。たった今そのための報告会を終えてきたばかりの残はしばしの解放感に浸っているのかいつもより表情がゆるんでいる。
2317作戦室の扉を勢いよく開け放った残が開口一番に叫ぶと、中で一人作業をしていた透が傍に寄ってきた。
「お疲れ様です。これでひと段落ですね」
学園を中心に起きた事件から約一ヶ月後。残たち公安学園対策チームは事件の後始末に追われていた。学園内外に公安の協力者は多く集まり事件自体は収束したが、その後の上層部への報告や事件に関わった生徒達の処遇の交渉などいわゆる“多方面への調整”に対応できる人員は公安メンバーの中でもかなり限られており、リーダーである残は誰よりもこの調整に奔走していた。
「ああ。何とか終わってよかったぜ」
事件の直後から残はあちこちを駆け回って証拠や意見を集め、複雑な事件の経緯と今後の対策をまとめ上げ、誰も理不尽を被ることがないよう上層部にも掛け合い、なんとか説得をしてようやく一区切りをつけることができた。たった今そのための報告会を終えてきたばかりの残はしばしの解放感に浸っているのかいつもより表情がゆるんでいる。