もくもく
INFO2021/2/28 に発行した同人誌の再録です。「つむぐとおでかけ」
紡くんとおでかけする短編集。
6/30 蒼星と紅陽の話を再録
7/2 琴子ちゃん、斗真とサリー、優ちゃんお話を再録
※再録にあたり多少修正しています。
多少残部あります。
→https://minto88225.booth.pm/items/2784850
つむぐとおでかけ旅にお供はつきものなので(紡と蒼星)「へい、そこのお兄さん! 一緒に出かけようぜ」
軽くクラクションを鳴らそうとしたのだが、強く押しすぎて町内に響き渡ってしまった。同居人は訝しげに俺を見下ろして、迷惑そうに眉間のシワを深く刻んでいる。悪かったって、そんな顔すんなよ。
「行かない。俺は部屋で作業の続きを……」
コンビニで糖分を買ってきたのか、蒼星が歩くと、ぱんぱんにお菓子の詰まったビニール袋がふりこのように揺れた。それぜんぶ胃に入れるつもりかよ。
「パーキングエリアのお高いソフトクリーム食べ行こ! 蒼星はパフェの方でいいから。な、行こうよ〜。かもん、かもんそーせー!」
玄関へ向かっていたひょろりと伸びた背がぴたと止まる。くるりとこちらを向いた彼は、ぱたんと助手席のドアを閉じた。あまりに簡単な手のひら返し。俺は頬杖をついて、へらっと笑ったのだった。
15552軽くクラクションを鳴らそうとしたのだが、強く押しすぎて町内に響き渡ってしまった。同居人は訝しげに俺を見下ろして、迷惑そうに眉間のシワを深く刻んでいる。悪かったって、そんな顔すんなよ。
「行かない。俺は部屋で作業の続きを……」
コンビニで糖分を買ってきたのか、蒼星が歩くと、ぱんぱんにお菓子の詰まったビニール袋がふりこのように揺れた。それぜんぶ胃に入れるつもりかよ。
「パーキングエリアのお高いソフトクリーム食べ行こ! 蒼星はパフェの方でいいから。な、行こうよ〜。かもん、かもんそーせー!」
玄関へ向かっていたひょろりと伸びた背がぴたと止まる。くるりとこちらを向いた彼は、ぱたんと助手席のドアを閉じた。あまりに簡単な手のひら返し。俺は頬杖をついて、へらっと笑ったのだった。