ちえさん
DONE盛大に大遅刻のお誕生日おめでとうのお話です。甘くないし絡みも少ない、だってこれから親密になっていくので!―自分の世界に居る時から、こういう機会は多々あった。自分は顔見知りではないけれど、自分の友人の、その友人が誕生日だから、パーティにおいでよ、という誘い。
『来るだろ?』
放課後に監督生がエースに声をかけられた内容も、ハーツラビュル寮の1年生の誕生日パーティーをやるから来いよ、というものだった。
少し考えてから、監督生はゆっくりと首を横に振る。
お互い良く知らないわけだし、知らない人を祝って微妙な雰囲気の震源地になるのは避けたい。友人に誘われてパーティーに参加したは良いものの、誰?という顔をされて、お祝いの言葉より自己紹介が先になる場面はもう、こりごりだった。
『…私はいいや。』
『はぁ?なんで?』
断られると思っていなかったのか、エースはあからさまに不機嫌な反応をして、腕を組んだ。
『やい子分!せっかくタダ飯食えるのに、なんで断るんだゾ!』
監督生の足下でグリムも不満を訴えてきた。
『だって、そのハーツラビュル生…』
断ろうと理由を話そうとしたが、エースはこちらの話は聞かずやけに食い下がってくる。トレイ先輩のケーキもあるしとか、ゲームもやる予定でその景品も豪華だとか、 5093