星夜の叢雲、催涙雨『咲希、体調はどう?』
軽快な通知音に気がつき咲希はトークアプリを開く。メッセージの送り主は幼馴染の一歌だ。すぐに入力欄をタップし、返信を入力する。
『大丈夫だよ!心配かけてごめんね?』
『それならいいけど……。でも無理したらダメだからね?今週ずっと休んでいたんだし』
『はーい!』
『あと、月曜の2限目が現代文から英語に変更だって。教科書間違えないようにね』
『そうなの!?危なかった〜。いっちゃんが教えてくれなかったら英語の教科書置いてくところだったよ〜!教えてくれてありがとう!』
『どういたしまして。それじゃあおやすみ』
『うん!おやすみなさ〜い!』
メッセージと共に寝息をたてるフェニーくんのスタンプを押し、トーク画面を閉じる。スマートフォンの画面も消して枕元のローテーブルに置く。ベッドに寝そべって少女はため息をついた。
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