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    秋津ちな

    すーぐ限界情緒するよこの女

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    秋津ちな

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    ※イベストネタ
    イベストのショーのパラレルのタコの人魚類くんと人魚王子司くん。悪意ある人間に捕まった人魚王子を助けに来たよ!みたいな感じ。
    ラブのつもりは無いんですけどそれっぽく見えるかもしれない。
    司くんが可哀想。

    #プロジェクトセカイ
    projectSekai

    ──それを目にした瞬間、男は息を飲んだ。

    ボロボロの布切れ1枚を被せただけの身体は、傷が無い箇所を探す方が難しい。日に焼けることを知らない白い肌に、鱗で覆われた尾ひれに、いたるところに鞭で打たれたような夥しい痕が残っている。海中できらきらと揺れていた美しい金色の髪も紅で汚され、かつて陸への期待に満ちていた琥珀色の瞳はぼんやりと中空を見つめている。頬には涙の跡があった。
    喉元には鎖に繋がれた無骨な首輪が。その下に乱雑に巻かれた包帯は血が滲んでいる。どうにかして外そうと掻きむしったのだろう。よく見れば指先も血で彩られている。

    それでもまだ、辛うじて、彼は生きていた。

    王子、と震える声で呼びかける。暫くぼんやりとしていたものの、自分を認識した途端カタカタと震えだす。琥珀色の双眸に浮かぶ怯えが彼の扱いを物語っていた。
    少し考え、息を吸い、静かに歌い出す。紡ぎ出される旋律は低い男のそれではなく、澄んだ少女の声色だった。この歌声は紫水晶の瞳を持つ彼の妹姫から借り受けた物だ。
    強ばっていた彼の身体から少しずつ力が抜け、聞き慣れた妹の歌声に落ち着きを取り戻していく。優しく背を擦るも、その手を拒む様子はない。

    「……帰ろう。君の妹君達が待っている」
    目線を合わせ、安心させるように語りかける。人魚王子は目に涙を溜めてコクリと頷いた。
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    秋津ちな

    MAIKINGAIの○りすとの書き出し?の文からうっかり膨らんだ猫が異世界に召喚される話。猫飼いじゃないので猫飼いさんや猫に関して勘違いあるかもしれませんが目を瞑ってください…
    あいあむきゃっと!吾輩は猫である。名前は既にある。……とまあ、テンプレートな挨拶は横に置いておいて。俺は今、異世界とやらにいる。目の前にいる恰幅の良い男(神官、と名乗っていた)が言うには、俺はこの世界の救世主らしい。




    ………いやなんでだ。なんで世界の命運を1匹の猫に託そうとするんだ。バカかこの世界バカしかいないのか
    こう見えても俺には下僕(飼い主)がいる。定期的に俺のふわふわの毛に顔を埋めて『ッハァ〜〜〜〜〜〜〜〜キマる〜〜〜〜〜〜』と言いながら吸ったりぷにぷにと肉球を触りながら『ほあ……とってもキュート……これは国宝……』とか言ったりするが毎日欠かさず極上の餌を与え丁寧にブラッシングをし、俺の調子が悪い時にはすぐに気が付き医者へと走る優秀で真っ当な下僕である。定期的に訳のわからないことを言うが。この間は宗教とやらの勧誘に来た人間に『うるせえ私が猫飼ってるんじゃねえ私がお猫様のお世話をさせて頂いてるんだよ口を慎め』とか熱弁してたが。相手引いてたぞ。
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