私と君の違いは 乱凪砂「……君のここ、細いね」
突然そんなことを言ったかと思えば私の鎖骨を撫でられた。あまりに唐突な出来事に驚いてしまった私は思わずビクッと肩を動かす。
「な、なに……?」
「いや、私は逞しいから」
逞しいという凪砂くんに「え?」と変な声が出た。「ほら」と首元を露わにしたと思えば確かに彼が言った通りとても逞しかった。じっとして動かない彼を見て、これは私のお触り待ちなのだということがわかる。チラリと彼の目を見ると微笑みながらこちらを見ていた。ゆっくりと手を伸ばして彼の鎖骨をチョンと触ると少しの間でも逞しさがわかった。
「本当だ」
「ふふ、君とは違うね」
彼との体格差を感じたことで心臓が煩くて楽しそうに笑う彼とは裏腹に、私はただ黙ることしかできなかった。視線を逸らして恥じらう私に気づいた彼が私の鎖骨に短いキスを落としてくる。気づいた頃にはもう遅くて彼の逞しい胸板を押しても離れてはくれなかった。
「な、凪砂くんどうして」
「……君の綺麗な鎖骨。魅力的だと感じたから、かな」
上目遣いでふふっと笑うのは反則だ。私は彼の肩に顔を埋めて何も言えなかった。