彼女の試着を見た反応 漣ジュン「これ、似合う?」
「! い、いいっすね。いつもと違って可愛らしいというかなんというか……」
徐々に声が小さくなっていく彼が可愛くて、少し揶揄ってみたくなる。
「ん? 聞こえないよ?」
「ま、守りたくなるというか……」
揶揄われていると気づいたのか、次の服を試着するよう促され、カーテンを丁寧に閉められた。
「……あんまり可愛くなりすぎないでくださいよぉ〜。不安になるんで」
カーテン越しに聞こえたその声は少し寂しそうな雰囲気を持っていた。私は再びカーテンを開けて彼の瞳をしっかりと捉えた。
「私はジュンくんにしか可愛いって思われたくないしジュンくんにしか見せたくないよ」
直接的な言葉に驚いたのか、目を逸らしながら耳を真っ赤にして「へ、へぇ〜。あ、これなんかどうっすか?」なんて話題を逸らそうとする。そんな様子を見ていると可愛くて思わず吹き出す。
「何で笑ってるんすか」
「ジュンくん可愛いなと思って」
「なっ! もう早く着てくださいよぉ!」
「わかったぁ」
「――」
カーテンを閉じたと同時に彼が何かを言っている声が聞こえた。
「何か言った?」
「内緒ですよぉ〜」
「え〜」
*
『……あんたの方が可愛いっすよ。オレだけのものにしたいぐらいに』