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    75_chitose

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    75_chitose

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    #七五
    seventy-five

    気づいたら、呪力などない世界で目覚めた。

    前世の世界では、いつ自分が死ぬわからなかったが、ここではそんなことはなく、僕がいなくても世界は回り続けるそんな幸せな世界。

    前世では、みんなを守るために嫌われていようが御構い無しに絡みに行ったが、今回は必要がない。

    だから、今回は知り合いに会おうが関わらないことを決めた。

    まあ、僕みたいに記憶を持っている可能性は低いが、持っていないとも限らない。

    心残りとしては、恋人だった七海ともう一度一緒にいたかったが、彼も仕方なく僕に付き合ってくれていたから、今回は迷惑はかけたくない。

    見つけたとしても、遠くで見るだけでも十分幸せだから。

    ーーー

    「五条さん見つかりませんね。」
    「これだけ、みんな集まっててみつからないことあるんだね。みんな会いたがってるのにさ。俺まだ、先生に、助けてもらったお礼してないのに。」
    「それは、俺もだ虎杖。俺もまだ、津美紀を助けてもらったお礼しない。」
    「それはみんなだろ。パンダだって、憂太だってみんな、あのバカ目隠しにお礼言えてないんだからよ。」

    かつての仲間は、ほぼ集まっていた。

    そう“ほぼ”である。

    あの時に、世界を背負っていた五条悟以外が今生でも再開していた。

    前は彼がいなくなってしまってから、彼の背負っていた重さに、その重圧に、その優しさに気づいた。

    気づいた時にはもう…彼はいなかった。

    皆、五条を嫌ってなどいなかった。

    感謝はしているが、嫌ってなどいなかった。むしろ、彼のことが好きだった。

    「特にさ、ななみんは会いたいよね。昔から溺愛してたもんね。」
    「ええ。会いたいですよ。それにあの人に関しては、好意に関しては分かりやすく伝えなければ、気づきませんからね。」
    「なんで、あの人あんなに人の好意に鈍感なんですかね…悪意とかには、敏感なのに。」
    「それは、五条の育ちだよ。あいつ、御三家だからな。周りから悪意は抱かれても、好意は抱かれないからな。全員的だと思ってないと、殺されるからな。あれでも、私と夏油でどうにかしたんだよ。あれでもな。」
    「あれでもですか…」
    「ああ、あれでもだ。」

    五条悟は、悪意に晒されて育ってきた。そのため、好意には鈍感すぎたのだ。そう、鈍感過ぎた。
    彼には、伝わっていなかったのだ。七海が周りから見たら明らかに、五条を溺愛していたし、生徒たちも口や行動にも現さなかったが、彼を尊敬していた。だが、彼には1ミリも伝わっていなかった。

    だからこそ、彼は前世の人達と関わらないことを決めた。

    ーーー

    五条は、現在焦っていた。

    前世の記憶から数年経ち誰とも会っていなかったから、気が抜けていたのかもしれない。

    七海にあった。会ってしまった。

    「五条さん。」と言われ、思わず「七海…」と反応してしまったのだ。

    なぜあの時に、うまく誤魔化さなかったのだろう。
    そのせいで現在七海と、鬼ごっこすることになっているのだから。

    「五条さん。いいから、話を聞いてください。」
    「いや、僕的には話すことないかな〜って。」
    「私達には、あるですよ。話すことが。」
    「え、あるの?ん?達?待って他にもいるの?」
    「いますよ。虎杖くんや夏油さん達が。」
    「え、みんないるの?そっか、じゃ諦めるか。」
    「ええ、そうしてください。」

    ーーー
    「で、みんな僕に恨みがあるならさっさと、はらしちゃってよ。あー…殴られてもしょうがないかもね。うん。なるべく酷くしないでね。」

    今この人なんて言った????殴る????恨み????

    「どうしたのみんな。ああ、恨みがあり過ぎてすぐに出てこない感じ?くじでも引いて決めたら?」
    「悟、待ってくれ、恨み?君に?わたしたちが?」
    「え、違うの?傑とか特にそうじゃん。僕が殺したんだし。」
    「あれは、自業自得ただ思ってるよ。君のせいじゃない。」
    「そうなの?うーん、難しいな。だってみんな僕のこと嫌いだっただろ?」

    今この人なんて言った????

    「先生俺たち、みんな先生のこと嫌ってなんかなかったよ。あと、ななみんがかわいそう。」
    「なんで、七海?たしかに、前は付き合ってだけど、あれは僕に付き合ってくれてたんでしょ?」
    「まって、先生伝わってなかったの?嘘でしょ…」
    「どうやら、付き合ってた思ってたのは、私だけだったんですね…」




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