[大キライ]「おい、起きろって。狛枝」
「ちゃんと聞こえてるか?」
今日も今日とてキミは、ボクを起こすので精一杯。ボクの寝起きは最悪だ。それ故に態度も最悪だ。
だから、つい、悪態が出てしまう。
[うるさいなあ…それより、今日もヘルシーメニューは勘弁してよ?木曜日はトーストって約束してるんだから]
一音づつ紡いで、違和感。同時に、日向クンの表情も心配を孕みつつ安堵したような、あどけない笑みに変わった。
「良かった。聞こえてるんだな」
「はぁ?」
「座って待っててくれ、苗木に報告してくる」
そう言うとすぐさま日向クンは機関支給のケータイを取り出して、いそいそと苗木クンにボクのことを話していた。
同じ空間で進行していく会話に割って入ったりことなんてしなかった。…それは、当たり前のことだけどそうじゃない。
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