休日の朝に【休日の朝に】
聖ルドルフ学院の寮にやってきて一か月が経過した。
兄貴と比べられるのが嫌で青春学園からルドルフに通うことにして寮生活。両親はそれを許してくれた。
ええ両親やねとは管理人さんが言っていた。ずっと青春学園に通って、兄貴と比べられ続けるよりはマシではあるのだが。
「背の小さい子いじめたらあかんよ」
「管理人さん。酷……」
「野村は裕太から見れば小さいだーね」
寮のリビングにてノムタク先輩が弟君とかいきなりからかってきたので、背後から拳でぐりっとしていたら管理人さんが止めてきた。
小さい子と言っている。ノムタク先輩は背が小さい方だ。百六十センチもない。
リビングには先輩たちがいて、各々で休んでいる。今日は休日だ。管理人さんはガラスのティーポットで紅茶を入れている。
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