『ある男の愛の話をしよう』 妖精国での出来事から間もなく、その男は呼び出された。
カルデアのマスター、藤丸立香という少女のサーヴァントとして。
妖精王オベロンという名と、ブリテンを破滅に導く終末装置としての名、ヴォーディガーン。
その2つの名と、世界すらも欺ける特殊なクラス、プリテンダーという霊基を持って、彼は呼び出された。
人理が安定するまで、嘘も嘘のまま通ってしまうようで。
立香に出会った時、口にした「汎人類史のサーヴァント」というオベロンの嘘が、そのまま通ってしまった。らしい。
とはいえ、カルデアの召喚式は、呼び出すものだけでなく、呼び出されるものの同意がなければ、成立しない。
つまり、立香だけでなく、オベロンもこの召喚に同意したという事にほかならないのだが……。
「覚えがなかろうと、同意したからここに居る。それが事実、それが全てだ」
そうオベロンに言葉をかけたのは、幼い少年のような姿にはあまり似つかわしくない、低い声を持つ童話作家、ハンス・クリスチャン・アンデルセンだった。
アンデルセンがオベロンにそう声をかけるきっかけは、オベロンが立香に対して怒りあらわに叫んだ声だった。
カルデアのマスター、藤丸立香は少し前に魔力リソースの回収のため、微小特異点へと向かって帰ってきたばかり。
それに伴って行ったサーヴァントの中の1人が、オベロンであったのだが、その時の事で何やら彼は腹を立てているようだった。
まあ、恐らく、あの娘の事だから、他人の為に無茶をしたのだろう。そして怪我を負った。
その事に対して、かの男は腹を立てているのだろうと、アンデルセンにはすぐ理解出来た。
「お前の召喚に、俺は同意した覚えなんかない!」
マスターと何やら言い合いでもしたのだろう。
オベロンはそんな怒鳴り声と同時に、ノウム・カルデアの医務室から乱暴に出てくると、ドスドスという音が聞こえそうなほど、荒々しい足取りで廊下を歩いて来た。
偶然通りかかった、アンデルセンの元へと向けて。
オベロンは、アンデルセンのことなど見向きもせず、そのまますれ違って何処ぞへと向かっていく。
アンデルセンは、余計なお節介だろうなと思いつつも、彼の後を追う。
そして、医務室から幾らか離れた場所まで来ると、オベロンに声をかけたのだった。
オベロンは不機嫌さを隠すこともせず、振り返ってアンデルセンを睨んだ。
ブリテンの終末装置たる黒い王子の姿であるのは、彼の苛立ちの現れだろうか。
アンデルセンはオベロンを見上げながらそんな事を考えた。
「別に苛立っていようがいまいが、この姿には関係ない」
妖精眼によって、アンデルセンの心の内が読まれたようだ。
「ふざけた事を言うな。何が、事実だ?!」
オベロンは語気を荒げる。
「事実を事実だと伝えたまでだが……。認めたくないのであれば、それはそれで構わんさ」
アンデルセンは、怖気付くことも無く言葉を紡いだ。
「だが、マスターに対して、あのような物言いはどうかと思ってな。いくら、愛しい娘が傷つく姿が、見るにたえないのだとしても、もう少し言いようと言うものがあるだろう?」
それを聞いたオベロンの顔が歪む。
心底気持ちの悪いものを見たように。
「愛しい? 誰が? 誰を?」
「言葉の通りだ」
嘔吐するかのごとく、吐き出されるオベロンの言葉に、アンデルセンは静かに返した。
と、突然、オベロンは火がついたかのように笑い出す。
腹を抱えて、先程までの怒りなぞ、忘れてしまったかのように。
「これはこれは……、さすが童話作家先生だ。頭の中がメルヘンでできてるんだねぇ」
ひとしきり笑い終えたオベロンが、たっぷりと皮肉の含まれた言葉を放ちながら、肩を竦めた。
「ブリテンの終末装置たる俺に、愛など存在しない。全てを憎み、嫌悪するのがこの俺だ」
そう一息に言い終えると、オベロンは、ああと何かに気づいたような顔になる。
「もしや、作家先生は俺を笑わせるために、わざわざそんな冗談を言ってくれたのかい? それなら、ありがとう、お陰で怒りも吹き飛んだよ」
にこりと笑うが、それが嘘であることに、気づけないアンデルセンではない。
それどころか、火に油。先程よりも怒りが強くなっている様子だ。
が、アンデルセンは気にしない。
気にしないまま言葉を紡ぐ。
「いいや、お前に愛は存在する」
そう断言する。
「いい加減にしろよ」
オベロンの怒りは最高潮に達しそうだ。
低い声色に殺気が滲む。
だというのに、アンデルセンは変わらず涼しい顔だ。
「お前は、稀代の劇作家の産み出した空想の妖精王、オベロンのガワを被って生まれてきた。一夜の狂騒、夏の夜の夢。本来、妖精王オベロンに伴侶はいない。だが、その物語には存在した」
――妖精王オベロンの伴侶たる存在、ティターニア――
「それにより、お前の中に愛が定義された」
アンデルセンの言葉を、オベロンは黙って聞いていたが、ギリリと奥歯を噛み締めていた。
そんなオベロンの事など気にもせず、アンデルセンは語りを続ける。
「例え、この世の全てにお前の愛が否定されたとしても、お前の中に愛が定義された事実はかわら……」
と、アンデルセンの言葉の途中で何かが空を斬る音と、何か固いものがぶつかる音が響く。
目の前では、いつの間にやら取り出したのか、甲虫らしきものの足によく似た大鎌を、オベロンはアンデルセンの首に目掛けて振るおうとしていた。
アンデルセンの首が、胴と繋がっていたのは、その鎌を手刀で防ぐ女のおかげだった。
漆黒ドレスに純白の頭巾の尼僧、殺生院キアラ。
どうやら、偶然通りかかった彼女に、アンデルセンは助けられらしい。
「この男のお喋りが、たいそう気に入らないお気持ちは察しますが、ここでのサーヴァント同士の私闘はご法度。刃を引いてくださいませ、妖精王」
「そこを退け。そいつの首を落としたら引いてやる」
「どうしても気が済まないと仰るのでしたら、シミュレーションルームへ。模擬戦であれば、合法的にあの男を殴れますよ。なんなら、わたくしもご一緒に」
「おい! か弱い作家に対して、化け物2人でかかる気か?!」
オベロンとキアラの会話を聞いて、アンデルセンが抗議の声を上げる。
「余計な事をベラベラと喋るから、こんな事になったのでしょう? わたくしが居合わせなかったらどうなっていたか……。数発殴らせて頂きたいですわ」
「シミュレーションも模擬戦もいらねえ、今ここでそいつは殺す」
変わらず一触即発な状況。
そんな時だ。
「あーーー!!! ケンカだーーー!!!」
幼い子供の声が響いた。
「おかーさーん! おかーさーん!」
そんなふうに、マスターである立香を呼ぼうと廊下を走り去っていくのは、幼くして死んで行った子供たちの魂より生まれた殺人鬼、ジャック・ザ・リッパー。
間もなくここに、立香が来るだろう。
それを察して、オベロンは大きな舌打ちをすると、鎌に込めた力を抜いた。
そして、オベロンは鎌を収めながら踵を返すと、キアラとアンデルセンに背を向けて歩き去ってゆく。
ジャックに呼ばれた立香がやってきたのは、オベロンの姿も、気配も完全に消え去った後だった。
「オベロンとは、一体何があったの?」
そんな事を問うマスター、立香の左頬には大きな絆創膏、そして、左手を三角巾で吊っている。
マスターの姿を見て、己の考えが間違いなかったのだと、アンデルセンは改めて確認する。
「この男の口が滑り過ぎて、自分で自分の首を締めただけですわ、マスター」
呆れた様子を隠すこともせず、キアラが答えた。
一体、どこから話を聞いていたのやらと、思わないでもないアンデルセンであったが、キアラの言う言葉は、間違いではない。
「次からは、せいぜい言葉に気をつけるさ」
アンデルセンはそう言うと、その場から離れようとした。
が、一旦足を止める。
「ああ、そう言えば昨日、作品を1つ書き終えたんだが……、如何せん、俺は忙しくてなぁ。代わりに図書館の紫式部にそれを届けてくれる親切な誰かは居ないものか……」
そんな事を、独り言の振りをして言うと、アンデルセンは再び足を動かした。
「まあ、偶然ですわね。わたくし、今から図書館に行く予定でしたのよ。ついでのついでのついでに、その本を届けて差し上げましょう」
アンデルセンの言葉に反応を示したのは、キアラだった。
何せ彼女は童話好き。
そう言えば、喜んでついてくるだろうと、アンデルセンには予測がついた。
命を助けられた礼の代わり。
書き上げたばかりの本の最初の読者にしてやろう。
アンデルセンはそう思った。
マスターと別れ、アンデルセンの部屋へと共々向かう道すがら、キアラは口を開く。
「あの方には、あまり近づかないほうがよろしいかと」
それはアンデルセンに対する忠告だった。
「あれは何処までも本当のない、落とし穴のようなもの。関わり合いになるべきではないもの。マスターも難儀なこと……」
そんな事を言うキアラに対し、アンデルセンは鼻先で笑った。
「関わり合いに、なるべきではない筆頭のお前が言うのか? 皮肉にしては効きすぎだろう」
「あなたは人の親切というものが、お解りになりませんの?」
アンデルセンの物言いに対し、キアラはむっとしたようで。
けれど、すぐに気を取り直す。
「まあ、確かにそうではあるのですけれど」
そんなキアラの言葉の後しばらく、2人の会話は途切れた。
「あの男ほど人間らしい存在も、なかなかいない」
沈黙に耐えられなかったのか、はたまた、語りたいのか。
恐らく、後者だろうなと、キアラは察して、アンデルセンの言葉を聞いてやることにする。
「本来は飾り立てられた空想の存在。運悪くそれに、ブリテンの終末装置が合わさったもの。何にしても、人間とは言い難い存在でありながら、あの男のなんと人間らしいことか。愛を持たぬなら、愛着など有りようはずも無い。愛着がなければ、召喚になぞ応じもしないだろう。あの男は、それに気づいていながら、それを否定しているに過ぎない」
「それが、あの方にあなたが突っかかっていった、理由ですか?」
キアラの問いに、アンデルセンは肯定も否定もしなかった。
「何にしても、題材としては申し分ない」
そんな事を言うアンデルセンに、キアラは思わず呆れた視線を向けるが、彼はどこ吹く風だ。
「愛を持たずに生まれた黒い化け物の王子が、偶然手に入れた宝箱の中から愛を得て、1人の少女に恋をする。そんな話はどうだろう」
「ハッピーエンドには、ならなそうなお話ですわね」
アンデルセンの立てたプロットに、素直な感想を述べるキアラ。
「案外、そうでもないかもしれんぞ。偶然ではあるものの、愛の無いはずの男が愛を得た。それこそが奇跡の始まり……とな」
「けれど、あの方が愛してるのは、存在していない架空の后であるティターニアでは?」
「俺の考えは違うな」
アンデルセンはキアラの言葉に頭を振った。
「ティターニアとはあの男の愛そのものだ。つまり、あの男が愛する相手こそがティターニアなのだ。例え全てが嘘で偽りで、真実がないのだと定義されたとしても、その愛だけは嘘とは定義されない。なぜなら、愛とはその本人だけのものなのだから。嘘になどなりようはずがないのだ」
アンデルセンの言葉に、キアラはふむと相槌をうつ。
「あなたの仰る通りなのでしたら、その物語の結末を見てみるのも一興……かもしれませんわね」
そんな事を言って、キアラはふふふと笑った。
2人から離れた場所で、一人の男と一人の少女が大きなくしゃみをしたのだが……。
アンデルセンとキアラは、それを知らないままだった。
一方、大きなくしゃみをした男はというと。
苛立ちは収まらないまま、現界した時に宛てがわれた自身の部屋へと戻ってきていた。
そして、そこに据え付けられていたベッドへと、前のめりに、乱暴に、体を投げ出す。
かの童話作家の言った言葉が、オベロンの脳裏に浮かぶ。
「お前に愛は存在する」
そんなはずは無いと、オベロンはその言葉を否定した。
そうあってはならないと、オベロンは否定した。
「俺みたいな虫に愛されるなんて、あの子が可哀想じゃないか」
そんな独り言を零しながら、オベロンは体勢を変えた。
ベッドに体を丸めて蹲る。
そうだ、可哀想だと、オベロンは思う。
ただでさえ、失われた汎人類史を取り戻すという、身の丈に合わない役目を、強制的に背負わされ、戦わねばならないというのに。
ただでさえ、立ち止まること無く走り続けるしかないというのに。
こんな虫にまで愛されたら、あの子が可哀想だ。
そんな事を思うことこそが愛だという事に、オベロンは気づかない振りをして目を閉じた。
と、ふと気がつくと、オベロンは秋色の森の中に座っていた。
それは、オベロンの夢の世界に広がる森。
秋の森、ウェールズ。
オベロンは、落ち葉の降り積もる地面に座り、暖かな何かに背を預けていた。
それが、マスターである立香の背であることに、気づかないはずも無い。
「人の夢の世界に、よくもズケズケと入ってこれるよね、きみって」
立香がオベロンの夢の世界に入ってくる事は、初めてのことでは無い。
彼女のサーヴァントとして召喚される前。
妖精国ブリテンでの戦いの中での出来事だ。
「いやぁ、怪我人は部屋で休んでろって寝かされちゃってねー。ウトウトしてたら来ちゃったみたい」
えへへと笑いながら、立香は答えた。
きっと、困ったような顔で笑ってるんだろう。
顔を見なくとも、オベロンには彼女の表情が見えるような気がした。
「とっとと出てけよ」
「自分の意思で出来るんならそうしてるんだけど……、今は無理みたい」
ご希望に添えず、すみませんと、謝ってはいるものの、さして申し訳ないとは思ってはなさそうだ。
「せっかくだから、ちょっと話をしよう、オベロン」
「俺はきみと話すことなんてないよ」
立香の提案をオベロンは即座に否定した。
けれど。
「アンデルセンに何を言われたの?」
オベロンの言葉など完全に無視して、立香はそんな事を問うてくる。
「別に何も」
そう、言葉短く答えると、立香はそう……とだけ言葉を返すだけで、それ以上追求することはしてこない。
オベロンが答えたくないのだと、理解したからだ。
そう。
彼女はオベロンを理解する。
妖精眼なぞ持ってもいないのに。
立香ほど、オベロンを理解する人間はいないだろう。
同じく妖精眼を持つアルトリア・キャスターと同等か、それ以上なのかもしれないと、オベロンは考える。
彼女と過ごした時間は、さして長くはない。
けれど、激闘の後、奈落へ落ちるオベロンの心情を察して、救おうとして伸ばした手を引くほどに、立香は彼を理解している。
彼女は本来、例えその後まもなく息絶えるとしても、己の力が及ぶのならば、救える命を救おうとする人間だ。
そんな彼女が、オベロンに対してはその手を伸ばさなかった。
それがどんなにイレギュラーであることか。
オベロンの怒りの原因であった怪我も、偶然巻き込まれた通りすがりの赤の他人を助けようとしたからだ。
立香の側にいればいるほど、彼女が自分をどれだけ理解しているかが解ってしまう。
「オベロン……重たい………」
立香のそんな声に、オベロンは思考をやめた。
知らず知らず、彼女の背に体重を預けていたようだ。
そしてそれが何故であるかも、きっと立香にはわかっているのだろう。
抗議の声はあげるものの、そこから離れようとしないのだから。
「なあ、マスター」
オベロンは、立香の返事も待たずに更に言葉を重ねる。
「もしもこの世の全てが嫌になったら教えてくれ。俺が全部無くしてやるから」
それが本心からの言葉だと、立香はわかってくれるだろう。
ここはオベロン夢の世界。
だから、彼の本心はねじ曲がらない。
「うん、その時は……オベロンにお願いするね」
立香はそう答えた。
その後に、そうなることはありえないだろうけども……とついたはず。
けれど、彼女はそれを飲み込んだんだろうなと、オベロンはわかっていた。
不意に、背中に感じていた温もりが薄くなる。
どうやら、立香はこの夢の世界から離れてしまうようだ。
けれど、オベロンは立香の背に、自分の背を預けることをやめなかった。
やめたくなかった。
彼女完全に離れるまで、この温もりから離れたくなかったのだ。
立香が居なくなると、オベロンはそのまま仰向けに倒れることになる。
軽く後頭部を地面に打ちつけたが、振り積もった落ち葉がクッションの代わりになって、さほど痛みは感じなかった。
オベロンは両の手で顔を覆う。
右の手は人のそれで、左手は虫のような竜のようなもののそれで。
そしてそのまま呟くように言葉を吐き出す。
「ごめんな立香、愛してる」
この世界でしか紡ぐことの出来ない言葉。
彼女に伝えられないであろう言葉。
いずれ彼女が察するであろうこの感情。
――俺みたいな虫がきみを愛してしまってごめんな――
かの童話作家が言った通り。
奈落の虫には愛があった。
そしてそれは、彼にとっては遠い過去のようで、近い未来のような、そんな時の話。
奈落を落ち続けるオベロンには、時間の概念が希薄だった。
故にその声が聞こえたのが、何時だったかなど、分からなかったのだ。
幻聴のような、夢のような。
けれど、その声は確かに聞こえて。
「オベロン、また、あなたと旅がしてみたいよ」
そんな言葉にオベロンは言葉ではなく心中で答える。
「ああ……それが本当に出来ることなら……」
その瞬間オベロンの目に、この奈落には二度と見えるはずのない光が映った。
時は過ぎ、アンデルセンとオベロンとのいざこざから数日後。
治療魔術をもつサーヴァントが多いお陰で、マスター藤丸立香の傷は完全に癒えたようだ。
ノウム・カルデアの食堂で、赤い衣の弓兵エミヤが腕を奮ったパフェをつつきながら、立香は行儀悪くもタブレット端末を触っていた。
どうやら、この後に向かう素材回収の為の編成を考えているようで。
そこに現れたのは、黒い王子のオベロン。
立香の元へとやってくると、彼女の手元にあったタブレット端末を取り上げると、勝手にそれを操作してしまう。
「あんなクソヤロウなんか連れていかなくても、俺で事足りるだろ」
そう言って、タブレット端末を立香に返すと、彼女の食べていたパフェに乗っていた、大きなくメロンの1切れに手を伸ばして己の口に入れる。
「あーーーー!!! 最後に食べようととっておいたメロンーーーーー!!!!」
立香の嘆きの声が食堂に響く。
「ご馳走様」
と、立香の様子を気にもとめず、オベロンはご機嫌な様子でその場から立ち去ってゆく。
そんな様子を見ていたのは…………。
「俺を題材に物語を書くなよ。もし書いたら殺す」
そんな脅しを掛けられたので、かの童話作家は書きかけの原稿を燃やす羽目になってしまった。