アンブロシアと贄の夢「あぁ、実は言うと俺以外にももう1人君を助けに来た人がいるんだ……その人が双翼帝の元へ向かっている、名前は…すまない、明かせないんだ」
「あぁいえ、大丈夫です…そういう人がいるって言うだけで、嬉しいので」
「……そうか、わかった。本当に、君は純真だな…あの中でよくここまで咲いたものだ、双翼帝がいなければオレが連れ帰っていたのに」
「えっ!?アンブロシアさん……!?そ、そんな…俺は……!!!」
「フッ、冗談だ」
「っ……もう!!」
フッと笑うアンブロシアさん、その笑顔が先程までの彼の雰囲気とはガラッと変わり暖かく、朗らかな笑みを浮かべてるものだからドキッとしてしまった……すごく、素敵でかっこいいなぁ…
キラリと煌めいた深緑の瞳、月の明かりに照らされて優しく浮かび上がった茶色の髪、そして甘く鼓膜に響くテノールの声……それら全てが異世界の人のようで、またこの世界の人物でもあるような、そんな不思議な雰囲気を醸し出していた