人の姿の、龍の王「………………不変だからこそ、美しい…」
「リツカ…………いや、ここならいいか。イツキ、君は違う。人間だろう?」
「そうだぞ、イツキ。君は人間で、俺たちよりずっと早くにおわりが来てしまう……だからそこ、その生を全力で謳歌する……そこに、俺たちは美しさを観たんだよ、イツキ」
「だから君は、そのままでいてくれ。俺たちのわがままで永く生きさせたくないんだ…君が、悲しむのがわかっているから」
「………………ほんとうは、おわってほしくない、俺たちとずっと一緒にいて欲しい。けれども、君が望まぬことをもうしたくはない…あの夜のようには……っ」
「御二方…………」
シャルル様は右手を、シャル様は左手を握り、泣きそうな顔で、震える声で懇願をしている。俺に、おわってほしくないと、ほんとうはずっといっしょにいてほしいと
でも、俺はそれを望まない……姉さんがいるから。そして人として、彼らのお傍に最期まで在りたいから……
だから断ったのだ、龍の嫁となり永遠を生きることを。でも時折、彼らの願いを聞くのも、俺の使命ではないのか?と思ってしまうところもある……まだ、ぐらりと心が揺れ動きそうで怖いのだ。決意は、固くしたはずなのに