洗いざらしの空気がよそよそしく感じる朝。身体に纏う服が未だ昨夜の名残を孕んで、何処となく後ろめたい。
友人宅でハメを外して一泊しただけ。お互い一人暮らしで、連休中という事を考えれば別に後ろめたい事なんて何も無い筈なんだけど。
風真の手料理をあのコを差し置いて頂いてしまったことだとか、風呂上がりの無防備に濡れた髪だとか、貸して貰った寝具の香りだとか。予期せずに踏み込んでしまった友人のプライベートに、何処に向ければ良いのかわからない申し訳なさというか、いたたまれなさと言うか、後ろめたさというか、そんなものを抱えてしまう。
足下がふわふわと浮立つような、頭を抱えて蹲りたいような、なんとも言い難い感情を引き摺って歩く七ツ森を真新しい朝日が照らしていた。