お眼鏡にかなう 8,000円で眼鏡が買えてしまう今、うちのお店はいわゆる高級眼鏡店と呼ばれる部類に入るだろう。職人さんが丹精込めて作ったフレームはその時を今か今かと待ち侘びながら、ライトの下で光り輝いている。
私は新卒からこのお店で働いていて、今日までに沢山の人にいろんな眼鏡を提案してきた。眼鏡ひとつで人の印象は全然変わるので、その人に合った眼鏡を見つけてお客様が喜んでくれる瞬間が、この仕事の醍醐味だと思う。
今日は一日雨予報だったので、お客様の入りは悪いだろうな。こんな日は、商品棚に飾られている眼鏡たちを一つ一つ丁寧に拭くことに専念する。君たちも早く似合いの人の元にいけるといいね。そんなことをつらつら考えていると、お店のドアのベルが鳴った。
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