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    tkpk_dokkan

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    tkpk_dokkan

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    書けたら支部かべったーに上げる予定のぶぜさに進捗 メモ帳のコピペなのでここから大幅に変わる可能性大だし方言メモとか入ってる

    #刀さに
    swordBlade
    #ぶぜさに
    inPeace

    おやすみ(仮)――

    「なー、何か手伝えることある? 近侍だし、身の回りのこともしてやんよ」
     私が彼らの筆跡に興味津々でいるうちに、タブレットが動かなくなってしまって手持ち無沙汰の豊前が再びもたれかかってきた。今度は体を正面にして、私の胴に逞しい腕を回し、肩に頭を預けながら。
    「その前にこの腕は何事なの……」
     戸惑う気持ちが強く出たが、それでも優しくぎゅっと引き寄せられるように腕を回されるのは嬉しかったし、そっと手を重ねてみるとたちまち指を絡めて握り返してくれた。間もなく豊前の口から「急に両手が空になって寂しいけ(とぜんなか?)」と呟くような返事を聞いて、私は思わず吹き出してしまった。
    「笑うとこかよ」
    「ごめん、何か意外でさ!……じゃあいっこ頼んでいいかな。日誌書いたらすぐ寝るからさ、奥の部屋に布団敷いてくれる? 寝具はそこの収納に入ってる」
     今事務作業に勤しんでいるこの部屋も布団が敷けないことはないのだが、私は作業スペースと寝室を分けたい性分なので、寝るときは奥の壁に囲まれた物置みたいな部屋に布団を敷いて寝ている。現世の自分の寝室もこんな感じにできたらとよく思う。
    「……分かった。他に頼んどきたいことは?」
    「や、特にない! ありがと」
     名残惜しそうにゆっくりと豊前の体が離れていく。その直前、再び私の体を抱く腕と絡められた手に力が入ったのがよく分かって胸がドクンと脈打った。ここまで体の距離が近くなったのは久しぶりかもしれない。

    ――
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    まろんじ

    MAIKINGすごい穴ぼこだらけの書きかけ江さに♀見つけたので いつか完成するのかな?十八になった今でも、はっきりと思い出せる幼少の記憶がある。
    「あの向こうには、何があるの」
     岬の切り立った崖から私が指さしたものを、彼は正しく理解していたのだと思う。空と海の堺には、二つの蒼が融け合う一筋の白い線が通っていた。
    「……空の向こうにあるのは……幾筋もの道です」
     
    「みち?」
    「ええ。そして其処が、あなたの故郷」
    「……こきょう?」
     長い髪がさわさわと風に吹かれていた。海の蒼より、幾分か淡い色だった。
    「あなたもいつか……帰るのでしょうね」
     水平線に降る雪のような瞳は、ずっと遠くを見続けていた。
    「あの空の向こうへ──」




     ねえ。あの子、今日お山を降りたんだって。まだ四つなのに。昨日、あの子と遊んだんだ。何だか、変なこと言ってたな。白い布をかぶったお兄ちゃんが、こっちを見てるって──。
     ……忘れる?
     そうかなあ。忘れちゃうのかな、私。
     ──江雪兄様が言うなら、本当かもしれないね。


     お山を降りたら、働くんでしょう?
     あの子、四つなのにもう働くの?
     私はまだ働かなくていいの?
     いつ働きに行くの?
     江雪兄様にも、分からないことがあるんだね──
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