尾形とおひねこ尾の精神が入れ替わってしまうはなし 二人とも珍しく予定のなかった休日、近くのスーパーにしばらくの食糧や日用品、惣菜などを買いに行った。家に帰るとちょうどお昼ご飯を食べる頃合いだった。せっかくの休日だからと昼間のうちからお酒を飲んで少し贅沢なランチを食べる。他愛のないことを話しながらついつい飲み過ぎてしまえば自然と眠気が訪れた。リビングのソファは猫たちに占拠されてしまっている。たまには、と二人で寝室に向かいまだ日の高い時間からベッドに潜りこんで眠りについた。
「……ん」
鯉登は何か腹に重みを感じて目を覚ました。一体なんだと思い寝ぼけ眼をこすりながら目を開けると腹の上には尾形がのしかかっていた。
「……尾形?」
こんなにも寝相が悪い奴だっただろうか。転がってきたにしてはすっぽりと鯉登の腹に収まっている。ともかくそれなりにがたいの良い成人男性が腹の上に乗っているのは苦しい。雑に肩を揺らして起きろと声をかけると尾形はゆっくりと目を開いた。
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