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    syako_kmt

    むざこく30本ノック用です。
    成人向けが多いと思うので、20歳未満の方はご遠慮下さい。

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    むざこく30本ノック④
    22日目
    無惨様からシボ様に、京都のイントネーションで「かわいらしいなぁ」と言っていただきたいです。議員でも始祖でも!

    #むざこく30本ノック
    random30Knocks
    #むざこく
    unscrupulousCountry

    無惨様からシボ様に、京都のイントネーションで「かわいらしいなぁ」と言っていただきたいです。 黒死牟がお座敷遊びで使ったであろう額を他人の懐から回収した無惨は、誰に身請けされることもなく年季を明け、自力で置屋を出てきた。そもそも売られたわけではなく、趣味で潜入しているだけだから年季も何もないというのに適当な縛りを設けた方が俄然燃えると勝手に設定し、その上、黒死牟に金を奪われた為、上乗せしてその損失まで芸妓の仕事で取り返した。
     例のお侍以外の客と枕を交わすこともなく、色ではなく芸を売る。無惨の三味線と美貌なら、この先いくらでも稼げるから残って欲しいと泣き縋る遣手婆を振り払い、慣れ親しんだ三味線と「あれ」だけを持って、着物や帯は半玉に渡して出てきたのだ。
    「いいんですか? おねえさん」
    「ええんよ、大事に使ってね」
     黒死牟が使った分以上の金が回収出来ているので、とても機嫌が良い。以前立ち上げた会社は資金繰りが上手くいかず夜逃げ同然に放置してきたので、今回の潜伏は次の開業資金となる良い稼ぎとなった。
     そんな内情を知らないと羽振りの良いお姉さんに見え、半玉たちも別れを惜しんで泣いてくれている。実際のところ機嫌が良いだけでなく、同じ着物に二度袖を通さない着道楽なので、持ち帰ったところで使い道がないのだ。
     嬉しそうに着物の柄を合わせている半玉たちを見て、無惨はふふっと笑う。
    「あんたら、かいらしいなぁ」
    「おねえさん、京都のお人でしたんか?」
     あまりの機嫌の良さに素の姿が出てしまっていた。そして、素に戻ると故郷の言葉が出ることに無惨は気付いていなかった。改めて指摘されて「廓詞や」と誤魔化したが、こんなところで捨ててきた京の言葉が出るのか、と密かに驚いた。

     さて、そんなご機嫌の無惨だが、久し振りに無限城に帰り自室を見た時、眩暈がして倒れそうになった。
     派手に壊された金庫。黒死牟の仕業である。
     ここまでは想定内だったのだが、お座敷遊びに持ってきた以外にも、かなりの現金を入れていたはずだが、綺麗さっぱりなくなっているのだ。
    「黒死牟!」
    「ここに……」
     久し振りに無惨に呼ばれ、浮かれてやってくる黒死牟だが、到着してすぐに首を刎ねられた。
    「お前……この金庫から、いくら盗んだ……」
    「はて……」
     生やしたばかりの頭を傾ける。無惨は貴族出身の割に意外と銭勘定がしっかり出来ているのだが、比較的裕福な領地を任されていた修行馬鹿の黒死牟は金の使い方もろくに解っておらず、紙幣の価値もいまいち理解出来ていない。流通したばかりの1円札の束を持って豪遊したのは、偏に金銭感覚が身についていないだけなのだ。
     無惨は壊れた金庫を前に項垂れる。銀行から借りられるだけ借りて夜逃げし、次の開業資金にしようと思いつつ、ほとぼりが冷めるまで芸妓でもして小銭を稼いで、暫く遊んでから仕事するか、と思っていた開業資金を根こそぎ黒死牟にやられていたのだ。今、持ち帰った金が無惨の全財産である。遊んでいる暇はない、明日からまた仕事である。
    「無惨様に会いたい一心で……」
    「お前、随分とかいらしいことをするやないか……」
     感情が振り切れると素に戻り、京の言葉が出る。半玉たちのおかげで思い出した自分の癖だが、まさか、こんなに早く顔を出すとは思わなかった。
     無惨は持ち帰った荷物の中から「あれ」……そう、鼈甲の張形を取り出した。
    「無惨様……お戻りになられたら、本物で可愛がって下さると……」
    「そうや、たっぷり可愛がってやるからな」
     顳顬に青筋を浮き立たせ、怒りを滲まして笑う無惨の表情に後ずさりするが、そんな黒死牟の髪を掴んで、容赦なく鼈甲の張形を黒死牟の口に押し込んだ。喉の奥まで突っ込むと息苦しそうに顔を歪めるが、次第にそれに舌を絡め、たっぷりと唾液を塗り付けると、口から取り出した時には唾液が滴り落ちるほど濡れそぼっていた。
    「そんな美味しそうにしゃぶって……ほんまにかいらしいな、お前」
    「無惨様……」
    「褒めてないわ」
     頬を染める黒死牟に対し、冷ややかなツッコミを入れる。そんな仕置きか褒美か解らない無惨の折檻はその日から三日三晩続き、黒死牟の悲鳴のような嬌声が休むことなく無限城に響き渡った。
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    TRAININGむざこく30本ノック④延長戦
    7日目
    シンプル、カジュアル、ラフなペアコーデで、公開用のオフショットを撮影するむざこく
    シンプル、カジュアル、ラフなペアコーデで、公開用のオフショットを撮影するむざこく 無惨と黒死牟が仕事上だけでなく私生活でもパートナーであると公表してから、どれくらいマスコミに囲まれ、あることないこと書かれるかと心配していたが、取り立てて大きな生活の変化はなかった。
     職場は二人の関係を元から知っていたし、世間も最初は騒ぎ立てたものの「鬼舞辻事務所のイケメン秘書」として有名だった黒死牟が相手なので、目新しさは全くなく、何ならそのブームは何度も来ては去っている為、改めて何かを紹介する必要もなく、すぐに次の話題が出てくると二人のことは忘れ去られてしまった。

     そうなると納得いかないのが無惨である。
    「わざわざ公表してやったのに!」
     自分に割く時間が無名に近いアイドルの熱愛報道よりも少ないことに本気で立腹しているのだ。あんな小娘がこれまたションベン臭い小僧と付き合っていることより自分たちが関係を公表した方が世間的に気になるに決まっていると思い込んでいるのだが、職場内だけでなく国内外でも「あの二人は交際している」と一種の常識になっていた上に、公表を称えるような風潮も最早古いとなると、ただの政治家の結婚、それだけなのだ。
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    TRAININGむざこく30本ノック③
    17日目
    黒死牟が髪をバッサリ切った時の無惨様のリアクション
    黒死牟が髪をバッサリ切った時の無惨様のリアクション 何か理由があって髪を伸ばしているわけではない。
     長い髪って手入れが大変ですよね、と言われるが、実はそうでもない。短い髪の時は月に一度は散髪に行かないといけなかったが、長い髪は自分で毛先を揃えるくらいでも何とでもなる。女性と違って髪が傷むだの、枝毛がどうだのと気にしたことがないので、手入れもせず、濡れた髪を自然乾燥させることにも抵抗がない。それに短い髪と違って、括っておけば邪魔にならないので意外と便利だし、括っている方が夏場は涼しいのだ。
     つまり、ずぼらの集大成がこの髪型だった。
     特殊部隊に入った時、長髪であることにネチネチと嫌味を言われたこともある。諜報活動をする時に男性のロングヘアは目立ち易く、相手に特徴を覚えられやすいから不向きだと言われ、尤もだなと思ったが、上官の物言いが気に入らなかったので、小規模な隠密班を編成する際の長に選ばれた時、全員、自分と背格好が近く、長髪のメンバーだけで編成し、危なげもなくミッションを成功させたことがある。だが、自分の長髪にそこまでこだわりがあったわけではなく、単なる反発心だけである。
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    TRAININGむざこく30本ノック③
    15日目
    陽光のもとに並んで立てるようになった二人が、それぞれ何を思って何を語らうのか
    「ほら見たか!これで恐れるものなぞ何もないわ!」とかつてないほど昂るのか、「案外大したことないわ、つまらんな」と吐き捨てるのか、「太陽の方がやはりお好きで?」「白昼にも月は出ておるわ馬鹿者」みたいな気楽な会話になるのか
    陽光のもとに並んで立てるようになった二人が、それぞれ何を思って何を語らうのか  それは初恋の憧れに似ていた。
     手の届かない遠い存在という意味か、遠い昔の燦爛とした断片的な記憶のせいか、その強い「憧れ」が根底にあるから黒死牟とは意気投合したのかもしれない。
     自分たちにとって太陽とは最も忌むべき存在であり、その反面、強く憧れ、恋い焦がれた存在であった。
     今でも朝日を見ると、今際の際を思い出し身構える。しかし、その光を浴びても肌が焼け落ちることはなく、朝が来た、と当たり前の出来事だと思い出すのだ。

    「今日も雲ひとつない晴天ですね」
     黒死牟が車のドアを開けると、その隙間から日の光が一気に差し込む。こんな時、黒死牟のサングラスが羨ましいと思うのだが、まさかサングラスをしたまま街頭に立ち、演説をするわけにはいかないので日焼け止めクリームを丹念に塗り込む程度の抵抗しか出来ない。
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    TRAININGむざこく30本ノック③
    13日目
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう
    零余子、上司共へのストレス発散にBL同人誌にしてしまう 今日もやっと1日が終わった。
     朝から晩まで、あの鬼上司2人に扱き使われたのだ。
    「おい、零余子!」
    「はい!」
    「零余子!」
    「はいー!!!!」
     多分、この数年で確実に親より名前を呼ばれている。これまで割と要領良く生きてきたので、こんなに怒鳴り散らされることはなかった。
     初めは鬼舞辻事務所に就職が決まり大喜びした。
     今をときめくイケメン政治家、鬼舞辻無惨の下で働けるなんて……その上、彼は独身。もしかして、もしかする、未来のファーストレディになれるようなルートが待っているかもしれない!? と馬鹿な期待をして入職したのだが、それは夢どころか大きな間違いだった。
     毎日怒鳴り散らされ、何を言っても否定され、無惨だけでも心がバキバキに折れそうなのに、これまたイケメンの秘書、黒死牟が更にエグイ。まず行動原理が「無惨様のため」なので、無惨の怒りを買った時点で、どんな言い訳をしても通用しない。こちらに非が無くても、無惨に怒鳴られ、黒死牟にネチネチと嫌味を言われ、最悪のコンボが待っている。
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