黒猫の祝福 小さな集落で緋美花はひとりの赤子を抱く。
黒い耳に二股の尻尾、先程産まれたばかりの我が娘だ。顔は……何となく自分似だろうか?
この子は一体どんな子に育つのだろう?
もし自分に似るなら……お転婆で、時折思い切った行動をする子になるのだろうか?
何にでも興味を示して、年頃になったらマタタビにでも酔っ払うようなありがちな失態でもおかすかもしれない。
失敗することも沢山あるかもしれない。もちろん思い通りにならない事も多いだろう。それでも自分の意志というのは大切だ。
どんな事があってもめげずに自分の気持ちを大切に出来る子になってくれればいい。
そしていつか自分を助けてくれたあの人のように、自分の信念に真っ直ぐで、助けたいと思う人を助けらるような素敵な人に育ってくれたらなお良い。
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