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    Rahen_0323

    @Rahen_0323

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    Rahen_0323

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    ヒスイ入りして帰って来たカキツバタその3です。再会とよしよしパートです。続きは未定。
    シリーズなので「置き去った男」の1と2を先に読むことをオススメします。
    怪我や体調不良表現があります。細かいことはあんまり気にしないで読んで欲しい。なんでも許せる方向け。
    早く幸せになってくれ〜〜〜呟いてたりしてたけどアカデミーにでも行って普通に学校卒業してくれ〜〜〜

    置き去った男 3カキツバタが意識を失ってしまったので、聴取だとか細かいことは後回しになり、俺は一先ず放り出してしまっていたゼロゲートでの仕事を片付けておいた。仲間達も各々の業務に戻ったらしい。
    一応薬の投与でカキツバタの容体は落ち着いていたし、病室にはハルトを残したので大丈夫だとは思うが、それでもどうにも身が入らなくて。
    済むとリーグまで書類と端末を取りに行き、直ぐにあの嘗ての先輩の元へと戻った。
    「ハルト、カキツバタ」
    「! スグリ!おかえり」
    ノックを挟み静かに扉を開けば、ハルトもまたノートパソコンを立ち上げていた。訊けばハッサクさんが気を配って持って来てくれたらしい。同じリーグ職員でよかったよ、と笑ってた。
    「ツバっさん、丁度起きたところなんだ。薬の影響でちょっとボーッとしてるみたいだけど」
    辛そうに案じている友人は、パソコンを置いてカキツバタの目の前で手を振る。
    「ツバっさん。スグリが戻って来たよ」
    「カキツバタ」
    「…………………………」
    俺も近づいて覗き込むが、薄く開かれた虚ろな瞳とは視線が合わなかった。ちょっと、どころかかなり朦朧としているようだ。
    でもまあ……痛くて苦しいよりはマシだ。話したいことは沢山あるけど、我儘を言って困らせたくはない。
    ちゃんとここに居る。生きている。何度でも言うが、もうそれだけで十分なのだ。
    「んー、でもまだ熱っぽいな……」
    「これでも解熱剤が効いてる方だと思うんだけど」
    額の熱さに心配になり、ボタンが置いて行ってくれたらしいブランケットを掛け直す。俺は特別医療知識を持ってるワケでないけど、あまり冷えたら良くないとは分かる。心も身体もボロボロで、免疫力だって落ちてるだろう。出来る配慮は目一杯してあげたい。
    要はどうしようもないくらい心配だったんだ。特にこの男は、記憶の限りでは人を頼るのが有り得ないほど下手くそだった。放っといたらギリギリまで我慢してしまうだろう。現にさっきもそうだった。
    俺が、皆が見ててやらないと。もう絶対死なせない。死なせたくないから。
    「カキツバタ。眠いなら寝てていいよ。俺達のことなんて気にすんな」
    もこもこのイーブイ柄のブランケットの効果か、その目が閉じかけていたので寝てもいいと促した。
    何故か暫くうとうと無言で格闘していたが、間も無く瞼が閉じ切って寝息が聞こえてくる。
    「おやすみ」
    「おやすみなさい。大丈夫、独りにはしませんからね」
    聞こえてないと分かりつつも、穏やかに声を掛けた。心無しかその強張っていた身体から力が抜けた気がした。
    「……それで、ハルト。ねーちゃん達は?」
    ずり落ちそうになっていたカキツバタの手を戻してやりながら、小声で尋ねる。俺からも姉や友人に連絡したが、まるで返事が無かったのだ。
    向こうでもなにかあったんかな、と不安を口にすれば、親友は「あー」と頰を掻き苦笑いで答える。
    「それが、ツバっさんのこと伝えたら『明日までに仕事全部片付ける』って……それから僕もスルーされてるんだ」
    「えっ、まさか時間さ作る為にメッセージ見てねえってこと?気持ちは分かっけど、頑張り過ぎも毒だべ……」
    「経験者は語るね」
    俺が言えた口ではないけれど、全力で会いに来ようとしてると聞くとどうにも複雑だ。無理されるのはカキツバタもあんま嬉しくねえんじゃ……?
    悩みに悩んで再び連絡を試みるも、やはりフルシカト。既読さえ付かない。皆とても本気だ。
    「シャガさん……カキツバタの家族は?」
    「ハッサク先生曰く、同じく『超特急で予定を済ませて来る』って。シャガさんは少し前にジムリーダーを、その前に市長を引退してたらしいから、そろそろ来てもおかしくは……」
    そう話していた矢先だった。

    ドンドン!という殆ど殴るようなノックの音が響いたのは。

    「カキツバタ!!」
    「あ……」
    どうやら噂をすればってやつらしい。返事も待たずに扉を開け、息を切らしながら飛び込んできたのは、カキツバタの件で度々顔を合わせていたシャガさん本人だった。
    七年前より少し痩せたくらいでまるで衰えを知らない彼は、流れる汗にも構わず近づいてくる。
    「カキツバタは、」
    俺は七年振りに孫と再会するお祖父さんの為に半歩下がり、スペースを空ける。
    彼は身を乗り出すようにカキツバタの姿を確認した。
    「っ、ああ、カキツバタ……!!こんな、痛ましい……すまない、すまなかった……!!不甲斐無い祖父を許してくれ……!!」
    狼狽して憔悴し切ったまま、華奢で包帯が巻かれた手を両手で包む。項垂れる背に俺はなんと声を掛ければいいのか分からなかった。
    「長かった……七年間、どうしてきみなのだと運命を呪い続けた……きみを見つけることだけが、今の私の生きる意味だったのだ……それなのに、」
    すまない、すまないと繰り返す彼の声を聞いてか、眠りに就いたばかりの瞼が震えた。
    そのままカキツバタは目を覚ます。
    「………………じー、ちゃん………?」
    「ああそうだ。祖父ちゃんだよ、カキツバタ。……きみにまたそう呼んでもらえる日が来るとは……」
    「………じーちゃん、ないてんの………?」
    揶揄うように、しかし柔らかく、ふっと笑う少年。
    それを見て、シャガさんは縋るように抱き締めた。カキツバタは俺にしたように背を撫で、宥める。
    「へへ……みんな、なきむしだねぃ」
    「泣き虫で結構だ。またきみを抱ける日が来て、これ以上嬉しいことは無い……!!」
    「おーげさ」
    ハッサクさんがここに居たらまた大号泣していたことだろう。時間も時間だし、不在でよかった。
    俺とハルトは暫く二人きりにしてやろうと、黙って頷き合いそっと病室を出た。

    ドアの近くの壁に寄り掛かり、微かに聞こえる嗚咽や笑い声をぼんやり聞いていれば、十分程でシャガさんが出て来た。
    「あれ、もういいんですか?」
    「……カキツバタが眠ってしまってな。酷く疲れているようだから……寝かせてやりたい」
    「そっか」
    三人で病室内へと戻り、穏やかな呼吸で眠る子供を見る。
    「ハッサク殿から事のあらましは聞いた。……私達は、この子を置き去りにして進んでしまったのだと」
    「…………仕方のないことですよ。僕達には立ち止まる方法が無くて、彼には元の時へ戻る術が無かった。……これ以上、また"賭け"に出て走る気力は先輩には残っていないでしょう。受け入れてあげないと」
    「どっちみちシャガさんも手ぇ放す気無いんだべ?カキツバタもちょっと大人になるのが遅れちまっただけだ」

    生きてる限り、やり直せる。だから本当に死んでしまわないように。

    シャガさんは首肯し、俺達とは違い幼さの残る頬を撫でた。
    「せめてきみが大人になるところは見届けたい。長生きしなければな……」

    眠ったままの口元が少し緩んだ。















    翌日、朝。
    結局俺もハルトもシャガさんも家や宿に戻る気にはなれず病室に泊まると、俺達が起きて直ぐにカキツバタも目を覚ました。
    「あー……じーちゃん……てっきり夢かと……」
    薬が抜けてきたのかどうやら昨晩よりは意識がハッキリしているようで、なんか顔を片手で覆っていた。
    ……失踪前のカキツバタは、言ってしまうと反抗期真っ只中だった。特に祖父へは塩対応だったらしく、三年生への進級こそ決まっていたものの、完全に和解までは行っていなくて。
    そんな相手にふにゃふにゃ笑ったのが恥ずかしいのかもしれない。身内なんだから気にする必要無えのに、子供だなあ。
    「ツバっさん、もう『ジジイ』って呼ばないの?」
    「キョーダイ……容赦無えな」
    良く言えば正直、悪く言えばノンデリなとこのあるハルトが尋ねて、シャガさんが「私はどちらでも構わないが」と気を遣えば、顰めっ面で溜め息を吐いた。
    「向こうに居た半年間で色々と…………省みてよ。ガキみてえだなって逆に恥ずかしくなっちまったんだ」
    「まだガキだろ」
    「スグリくーん黙ってー???」
    鼻で笑うとシャガさんにゲンコツされた。流石にねーちゃんの拳より痛え。多分手加減はしてくれたんだろうけど。

    その後、ハルトが俺達の朝ご飯を買いに行って戻って、そのタイミングで運ばれた病院食を「不味い」「腹減ってない」と駄々を捏ねるカキツバタに食べさせて。

    「えっ、じーちゃんジムリーダーも市長も辞めたの!?」
    「辞めたよ。きみを探したかったのもあるが、前々から未来ある若者へ譲るべきだと思っていてね」

    俺達が今なにをしてるかとか、七年の間に起きたこととか、取り留めのない話をご機嫌でしたら。

    そのうちまた殴打するかのようなノックが届いた。

    「「「カキツバタ!!!」」」「カキツバタ先輩!!!」

    「あっ、ねーちゃん!」
    「アカマツくん達も!」
    面会に来たのは、ブルーベリー学園の嘗ての仲間達。
    押し掛けてきたその姿にカキツバタは一瞬ギョッとして、目を逸らしながら口を開けた。
    「あー、えと。久しぶり、だねぃ?元気してたか、」
    ねーちゃん達は震えて唇を噛んで。
    カキツバタが首を傾げると、堪え切れなかった様子で息を吸い込んだ。
    「「「わあああああああんんん!!!!!」」」
    「えっ、ちょ」
    「カキツバタせんばいいい!!!久じぶりぃい!!!!会いたかったああああぁぁ!!!!!」
    「このっ、この、バカ!!!バカキツバタ!!!いきなり、消えて、っ、何処で油売ってたのよ!!!バカ!!!!」
    「うぅ、ぐす、わたしっ、私達!!ずっと、探してたんですよ!!!七年間!!!ずっと!!!」
    「…………生きていて、よかった。ネリネは嬉しい。………もう二度と会えないかと…………」
    飛び付かれて大泣きされて、当人はオロオロしてた。珍しい姿だ。
    「ご、ごめんって。色々あってさ、」
    「謝るな!!!!」
    「自ら姿を消したわけではないのでしょう」
    「そういうの良くないと思います!!!」
    「そーだそーだ!!先輩のバカっ!!!」
    「ええ…………」
    助けを求めるように視線を向けられたが俺達はスルーした。仲間達の気持ちの方がよく分かるし。
    カキツバタは、「皆変わったな?」とか「ごめんな?」とか「元気にしてたか?」とかアレコレ喋るが、誰一人としてまるで泣き止まない。
    「どうして欲しいのよーツバっさん言ってくれなきゃ分かんねえぜぃ」
    「もうどっか行かないって約束して!!!!」
    「んー、その保証はちょっと、」
    「わあああああああんん!!!!!」
    「あああーーー」
    「今のはカキツバタが悪い」
    どうして欲しいとか、そういう話でもねえんだけどな。変なとこで鈍いヤツだ。
    「うっ、待って、いたい……」
    「えっ!?」
    「あ、ご、ごめんなさい!!!大丈夫!?」
    お腹が圧迫されて傷が痛くなってきたらしく、呻くので皆は途端に慌てて離れた。
    シャガさんが血相を変えて立ち上がり、カキツバタを支える。
    「だ、だいじょぶ、へーき」
    「強がらなくていい。一旦横にするよ」
    息を乱して寝かせられる姿に、ねーちゃんもアカマツ達も青褪めていて。
    逆に冷静になったようだ。泣いたままだけど今度は触れずに言う。
    「ハルトさんから、聞いてたけど。カキツバタ、本当に昔のままですね…………」
    「今幾つなの?」
    「あー……あれから、はんとし、っ、だから、だいたい、18てまえ、くらい?」
    「えっ」
    「……アカマツとスグリは今何歳でしたか」
    「21歳…………」
    「ハルトは?」
    「19です…………」
    俺は年齢のことはそこまで気にしてなかったけど、冷静になってみればいつもの面々で最年少だったハルトでさえ現在19歳だ。対してカキツバタは18になる寸前……
    あれ?じゃあ今コイツが一番年下ってこと?年長者だったカキツバタが?
    「カキツバタ、」
    「やめて、言わないで。先輩としてのプライドいちおうあんの」
    「いやでも」
    「先輩もう先輩じゃないってこと……?」
    「……『ツバっさん』じゃなくて『カキツバタくん』って呼んだ方がいい……?」
    「………………………………」
    「あっこれめっちゃショック受けてる!!」
    「キミ達……」
    「訂正しなさいアンタ達!!」
    「ごめんなさい!!今まで通り呼ぶから!!泣かないで!!」
    「せ、先輩は先輩だよね!うん!これからもカキツバタ先輩って呼ぶよ!」
    ちょっと泣きそうになるカキツバタにお祖父さんがげきりん寸前だったので、ハルトとアカマツは取り消した。
    なにも知らない人から見たら違和感ありそうだけど。これ以上傷付くのは可哀想なので、プライドくらいは守ってあげるとしよう。
    俺も俺で今後子供イジりをするのは止めることにした。さっきはゲンコツで済んだけど下手したらシャガさんに殺される。嘗てはちゃめちゃに揶揄われたとはいえ、仕返しは程々にしなければ。

    「……本当に生きていてなによりですが。カキツバタは今後どうするのですか?」
    それから皆も泣き止んで雑談を繰り返す途中で、ふとネリネ先輩が問い掛けた。
    痛みはどうにか治まったらしいカキツバタは起き上がってて、「んー」となんとも言い難い表情で肩を竦める。
    「とりあえず、戻って来れなかった二人の家族に会ってブン殴られておくとして、」
    「殴らせないぞ」
    「オイラは殴られたいんだよ」
    「言い方」
    「その後はなーんにも考えてねえかなあ。どうせブリジュラス達ももう誰かに渡したんだろぃ?今更やりたいことも………」
    「きみの手持ちは他のトレーナーに譲っていないが??」
    「えっ」
    言いながら、シャガさんがカキツバタの手持ちの入ったモンスターボールを取り出す。
    無理矢理渡されたカキツバタは、目を白黒させていた。
    「えっ、え、な、なんで、だって七年も」
    「きみのポケモンがきみを見限るとでも?誇り高きドラゴンが、容易に自身のトレーナー以外に心許す筈もあるまい」
    「私達も協力して、ずっと面倒を見ていたんです。病院では出せないので再会は怪我が落ち着いてからですが……」
    「皆さんずっと貴方を待っていた。ネリネ達よりも、また会いたいと願っていた。それを否定しないでください」
    今にも飛び出そうに揺れるモンスターボールに、諦めていたバカな男は呆然とする。
    「でも、だって、オイラ、向こうで、ちがうポケモン」
    「それは仕方ないべ。聞く限りじゃ大変な世界だったんだろ?生きてくのに必要だったならお前は悪くない」
    「そもそも僕みたいに手持ちをコロコロ変えるトレーナーだって居ますし。皆そこまで心も狭くないでしょ」
    再会してから今までで一番動転して、身体を震わせるカキツバタは。
    それでも泣かずに、ボールを抱き締めながら下手くそな笑顔を浮かべた。

    「………………ごめんな」

    彼の頭をシャガさんが撫でる。セットされていない見慣れない状態の白髪が揺れた。
    「とにかくさ!ポケモンの為にも早く元気になろ!オレ達も出来ることはなんでもするし!」
    「沢山食べて沢山寝れば少しは前向きになれますよ、きっと」
    「ネリネも同意します。積もる話もあります、どうか辛くとも頑張って欲しい」
    「死亡届けとか?そういうとこはアンタは気にしなくていいから。好きなように生きなさい」
    「怪我が治ったらヒスイで出会ったポケモンっことバトルさせてくれな」
    「パルデアリーグもなんでも協力するよ!」
    「…………カキツバタ。今度こそ大人になってくれると、嬉しい」
    一度彼の世界を壊したことのある俺には、強く言えないが。
    楽しく生きて、ちゃんと大人になって欲しい。もう俺達より年上のあの頃のカキツバタじゃなくてもいいから。

    ……カキツバタは、何処か曖昧に笑っていた。
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    Rahen_0323

    MAIKINGカキツバタが居なくなる話六話目です。完全シリアス。捏造過多でなんでも許せる方向け。
    シリーズなので「アレは死んだ(一話)」「SOS?(二話)」「堪えた悲鳴(三話)」「円盤(四話)」「王者(五話)」から読むことをオススメします。
    気付いたらこのシリーズ一ヶ月止まってたらしいです。申し訳ねえ。色々間違ってないか不安になりながら投稿してるので後から修正入る可能性があります。
    愛と後悔「先ず、一番重要な点から伺います。……カキツバタくんは、死んだんですか?」
    僕が念の為覚悟を胸に静かに問うと、スグリが怖い顔になり、アカマツくんがギュッとフライパンを握り締めた。
    アイリスさんはそんな僕達を順に見て、言葉を選ぶように暫し沈黙して考え込む。
    数分にも数時間にも感じた静寂が過ぎ去った後、飛んだ答えはこれまた不可解だった。

    「私も、死んだのだと聞かされました。でも生きてると思う」

    僕達三人は視線を交わらせる。
    そんなアイコンタクトには気付いているのだろう。イッシュの女王は大きく息を吐き出して続けた。
    「ご存知か分からないけど、私はソウリュウシティの出身でもドラゴン使いの一族の生まれでもないの。竜の里という場所から来た、所謂"余所者"。お祖父ちゃんの後継者だからって、そこは変わらない。だから……一族の仕来りにはまだあまり詳しくなくて。関わることが無かったわけじゃないけど、仲間外れにされることも多いの。あくまで"後継者"で本当に当主になる日も決まってないから、尚更」
    3010

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