アフターヌーンティーは夕食前に【アフターヌーンティーは夕食前に】
アフターヌーンティ。
本来ならば午後四時から五時に行われるティータイムのことである。当時は夕食の時間が非常に遅くなることがあり、その間の胃を持たせるために
始まったとされる習慣だ。紅茶と軽食をいただく。
「今日は食堂が止まる日だよ。晩御飯は志賀さんのカレーだって」
「どんなカレーなんだろう。楽しみ」
ルイス・キャロルは帝国図書館分館で本を抱えてアルチュール・ランボーを迎えた。帝国図書館分館は近代文学を専門に集まっている図書館だと
表向きにはなっているが、その実、謎の敵である侵蝕者と戦うための前線基地である。とはいえ中身は一般的な図書館と変わらない。
本の貸し借りが出来るカウンターテーブルが置かれた場所にはキャロルとランボーだけしかいなかった。
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