聖夜に願うこと【聖夜に願うこと】
煙草に火をつける。
斎庭白秋は屋敷町の人が来ない軒下で煙草を吸っていた。ヘビースモーカーで煙草を吸わないと落ち着かないのだ。
ポストアポカリプスを起こして百年以上が経過した世界であるが煙草はある。
今日はクリスマスだ。
真剣少女たちは、クリスマスパーティの準備をしている。この屋敷町も大所帯となった。
「お師さん。準備が出来たよ」
「一服が終わってから」
煙草を吸い続けているとクリスマス衣裳を着ている津軽正宗じょうが駆けてきた。世界が滅びかけても、サンタクロースとクリスマスの概念は
存在していた。こんな世界になってしまったからこそ、かもしれない。
「もうクリスマスって早いよね」
「何年経過したか」
計算したら三年ぐらいのはずだ。今の感覚では、がつくが。
1920