somakusanao
DONE九井テメェ、ヨメ囲うのにマンションなんてひよったこと言ってねぇで、村くらい買ってやれよ!って心の中でマイキーが言っていたのですくいのもり 見渡せど、山、山。山。三方を山に、残りの一方は川に囲まれた小さな村がある。総人口は三桁に及ぶかどうか。山が含まれているので土地は広いが、人の住む面積は少ない。風光明媚と言えば聞こえがいいが、回りをぐるりと山に囲まれた田舎である。
ふしぎと整備された広大な道を進み、二メートルほどの堀を越えれば、落ち武者伝説がある集落がある。そもそも車が通れるほどの橋は少なく、入り組んだ道に車は不向きだ。人ひとり通るのが精いっぱいという道も多い。石階段は経年劣化して歪み、慣れていても足元を取られそうになる。風情のある不思議な光景ではあるが、観光名所というほどではない。
だが暮らしてみれば、意外にも住み心地はいいらしい。
2970ふしぎと整備された広大な道を進み、二メートルほどの堀を越えれば、落ち武者伝説がある集落がある。そもそも車が通れるほどの橋は少なく、入り組んだ道に車は不向きだ。人ひとり通るのが精いっぱいという道も多い。石階段は経年劣化して歪み、慣れていても足元を取られそうになる。風情のある不思議な光景ではあるが、観光名所というほどではない。
だが暮らしてみれば、意外にも住み心地はいいらしい。
ギギ@coinupippi
DONEアイドルパロココイヌの続き。今回はココ視点が中心だけど、ココが悪い男過ぎる…
あと1、2話で終わる予定。誤字脱字多い。
俺の彼氏はアイドル!?2なけなしの勇気を出して劇場に足を運んでみたら、とんでもない目に遭った。
やはり外は危険だった。女の集団は本当に怖い。
何より自分よりも小柄な人間達にぶつかられたぐらいで転んでしまう己の軟弱さが情けない。
仕事柄、腕には筋肉が着いている方かと思っていたが
足腰は弱かった。
辛い…もうあんな思いはしたくない、と青宗はここ最近通勤をバイクから徒歩に変えた。
バイクで5分、徒歩15分。その道を走って少しでも足腰を鍛えようと思う。距離は大したことは無いが毎日続けるのが大切だ。
それに、通勤時間が少し伸びたから卍龍やココの曲を聞く時間が増えて中々に楽しい。
しかしふとした時に思い出してしまう。
嘘みたいに間近で見た九井一の顔。香水の匂い。
12139やはり外は危険だった。女の集団は本当に怖い。
何より自分よりも小柄な人間達にぶつかられたぐらいで転んでしまう己の軟弱さが情けない。
仕事柄、腕には筋肉が着いている方かと思っていたが
足腰は弱かった。
辛い…もうあんな思いはしたくない、と青宗はここ最近通勤をバイクから徒歩に変えた。
バイクで5分、徒歩15分。その道を走って少しでも足腰を鍛えようと思う。距離は大したことは無いが毎日続けるのが大切だ。
それに、通勤時間が少し伸びたから卍龍やココの曲を聞く時間が増えて中々に楽しい。
しかしふとした時に思い出してしまう。
嘘みたいに間近で見た九井一の顔。香水の匂い。
ギギ@coinupippi
DONEアイドルココと根暗なファンイヌピーのココイヌ。無駄に長い。無駄な描写が多くなってしまった…。
ココとイヌピーが初対面する所までとりあえず。
この後も一応結ばれるまでは書こうと思ってはいる。
俺の彼氏はアイドル!?乾青宗21歳。
高校を卒業後に実家を出て、東京の外れでひっそりと生活する極普通の青年である。
車やバイクの修理、解体等を取り扱う工場に就職して安月給で細々と暮らす。
その生活ぶりは質素なもので、家賃の安い風呂なしのボロアパートで好きな物に囲まれて小さな幸せを噛み締め今日も生きている。
朝6時に携帯電話の目覚ましアラームで起床。
会社と実家ぐらいしか登録先も無ければ使う予定も無いので、時代の流れに反してガラケーである。
コインランドリーで洗濯して部屋の隅っこに放置の服の中から適当なシャツを選び、いつも履いてるGパンに足を通す。
賞味期限が近く特売だった安いボソボソの食パンと、安いというだけで購入している低脂肪牛乳を口にする。
9773高校を卒業後に実家を出て、東京の外れでひっそりと生活する極普通の青年である。
車やバイクの修理、解体等を取り扱う工場に就職して安月給で細々と暮らす。
その生活ぶりは質素なもので、家賃の安い風呂なしのボロアパートで好きな物に囲まれて小さな幸せを噛み締め今日も生きている。
朝6時に携帯電話の目覚ましアラームで起床。
会社と実家ぐらいしか登録先も無ければ使う予定も無いので、時代の流れに反してガラケーである。
コインランドリーで洗濯して部屋の隅っこに放置の服の中から適当なシャツを選び、いつも履いてるGパンに足を通す。
賞味期限が近く特売だった安いボソボソの食パンと、安いというだけで購入している低脂肪牛乳を口にする。
somakusanao
DONE芸能人九井一×一般人乾青宗が書きたかったと被告は言っており足掻いて祝福 九井一。
大ヒットしたドラマの主演俳優で、映画主演作は数え切れず、ハリウッド映画にも出演し印象を残し、バラエティ番組では司会者をして、深夜に看板番組を持ち、七本のCMに出演し、書いた小説は飛ぶように売れ、作詞作曲もして、このたび単独ライブも決まった。
九井一の本業はなんだかいまいちわからないが、テレビやSNSで彼の名を聞かないことはない。
通学途中のオレの目の前にある大型モニターに映っているのも九井一だった。
「化粧品のCMも決まったのか……すげぇなココは」
オレは前世で九井一の幼馴染だった。
オレには前世の記憶がある。転生というのかもしれない。バカなりに本を読んで調べたりしてみたが、いまいちわからない。
5097大ヒットしたドラマの主演俳優で、映画主演作は数え切れず、ハリウッド映画にも出演し印象を残し、バラエティ番組では司会者をして、深夜に看板番組を持ち、七本のCMに出演し、書いた小説は飛ぶように売れ、作詞作曲もして、このたび単独ライブも決まった。
九井一の本業はなんだかいまいちわからないが、テレビやSNSで彼の名を聞かないことはない。
通学途中のオレの目の前にある大型モニターに映っているのも九井一だった。
「化粧品のCMも決まったのか……すげぇなココは」
オレは前世で九井一の幼馴染だった。
オレには前世の記憶がある。転生というのかもしれない。バカなりに本を読んで調べたりしてみたが、いまいちわからない。
ギギ@coinupippi
DONEココに恋をしている女の子話。何の罪もない平凡な女の子が、ココイヌの犠牲になってしまう。
ひたすら女の子の独白。
君のことが好きだった。図書館にいる男の子が気になる。
中学3年生、15歳。
私立校への推薦が決まっているから、そこまで必死に受験勉強に励む理由は無い。
同級生達は必死に最後の追い込みへと勉強をしている。
そんな場に私のような者は浮いてしまうから居づらくて、逃げ場所を求めて図書館にやって来た。
子供の頃は親子連れや読書を楽しむ人々で溢れていたけど、ここ数年人々の読書離れのせいか館内は閑散としてる。
却って都合が良いと、そこで昼から夕方頃まで適当に時間を潰すようになった。
子供の頃に読んだ絵本や、一昔前に流行っていたミステリー小説を読み漁りそれも飽きて来た頃。
彼は現れた。近くの中高一貫の私立校の制服を着た男の子。
歳の頃は私と同じくらい。黒髪に長めの前髪で真面目そうな雰囲気なのに左耳には揺れるピアス。
8076中学3年生、15歳。
私立校への推薦が決まっているから、そこまで必死に受験勉強に励む理由は無い。
同級生達は必死に最後の追い込みへと勉強をしている。
そんな場に私のような者は浮いてしまうから居づらくて、逃げ場所を求めて図書館にやって来た。
子供の頃は親子連れや読書を楽しむ人々で溢れていたけど、ここ数年人々の読書離れのせいか館内は閑散としてる。
却って都合が良いと、そこで昼から夕方頃まで適当に時間を潰すようになった。
子供の頃に読んだ絵本や、一昔前に流行っていたミステリー小説を読み漁りそれも飽きて来た頃。
彼は現れた。近くの中高一貫の私立校の制服を着た男の子。
歳の頃は私と同じくらい。黒髪に長めの前髪で真面目そうな雰囲気なのに左耳には揺れるピアス。
もぶおぢさん
PASTTwitterにあげたけど支部に上げなかったやつは良く考えるとそのままネットの海に消えていってしまうので、今までで多分漏れてる分をまとめました。支部に入れてない=汚いので根性決めて見てください多方面配慮なし 11
ギギ@coinupippi
DONE水商売をするイヌピーの3話目。ココイヌ。早く終わらせたいけどもう少し続く。
全部書き終わったら、タイトルつけてまとめる予定。
その夜、乾はいつものようにボーイの仕事を熟し閉店作業を終えた。
仕事には慣れてきてはいるが、最初の頃より疲労が溜まる気がするのは酔った客に絡まれまくるからだろう。
鬱陶しいな、と思わないでも無いがまあ酔っ払いだし、この先付き合っていく訳では無いのだからと適当にあしらった。
その経験が生きているのか、昼間のバイク屋での図々しい客でも適当に捌けるようになった。
とはいえ、昼間の客より夜の酔った女たちの方が扱いが面倒ではある。
酒と閉鎖的な薄暗い空間で感覚が大胆になるのか。欲望を隠しもせず、自分の指名してる男に直接的な言葉を投げ掛ける。露骨にホテルに誘ったりしているのを見てるとちょっと引く。
それらを客の機嫌を損ねる事も無く上手く宥めている男達は凄いなと思う。
11257仕事には慣れてきてはいるが、最初の頃より疲労が溜まる気がするのは酔った客に絡まれまくるからだろう。
鬱陶しいな、と思わないでも無いがまあ酔っ払いだし、この先付き合っていく訳では無いのだからと適当にあしらった。
その経験が生きているのか、昼間のバイク屋での図々しい客でも適当に捌けるようになった。
とはいえ、昼間の客より夜の酔った女たちの方が扱いが面倒ではある。
酒と閉鎖的な薄暗い空間で感覚が大胆になるのか。欲望を隠しもせず、自分の指名してる男に直接的な言葉を投げ掛ける。露骨にホテルに誘ったりしているのを見てるとちょっと引く。
それらを客の機嫌を損ねる事も無く上手く宥めている男達は凄いなと思う。
somakusanao
DONE火事と4000万についてはなんどでも書きたいさよならかみさま 屋敷は阿鼻叫喚に包まれていた。
常ならばきれいに掃き清められている床は血で汚れ、見る影もない。火の気のない場所から炎が上がり、またたくまに燃えひろがった。広大な屋敷は人気のない山奥にある。助けを求めたところで、警察や消防が駆けつけてくるのは、早くても明日の朝だろう。どうにか扉の中に身を隠した男は必死で息を殺していた。すべてうまく行っていたはずだった。すべてはあの男がこの屋敷に来てからおかしくなった。賢かった妻は愚かな女に変わり、大人しかった娘も言うことを聞かなくなってしまった。あの男。九井一と名乗った男。
男は売れない劇団員だった。金に困っていたところを女に、いまの妻に拾われて、教祖に仕立て上げられた。シナリオはすでにできていて、男はそれを演じただけだ。
2826常ならばきれいに掃き清められている床は血で汚れ、見る影もない。火の気のない場所から炎が上がり、またたくまに燃えひろがった。広大な屋敷は人気のない山奥にある。助けを求めたところで、警察や消防が駆けつけてくるのは、早くても明日の朝だろう。どうにか扉の中に身を隠した男は必死で息を殺していた。すべてうまく行っていたはずだった。すべてはあの男がこの屋敷に来てからおかしくなった。賢かった妻は愚かな女に変わり、大人しかった娘も言うことを聞かなくなってしまった。あの男。九井一と名乗った男。
男は売れない劇団員だった。金に困っていたところを女に、いまの妻に拾われて、教祖に仕立て上げられた。シナリオはすでにできていて、男はそれを演じただけだ。
somakusanao
DONEいぬぴーはすっごい美人さんなんだよ、って言いたかったんですけど、きみはのらいぬ 九井が職員室に呼び出されたのは、金曜日の放課後だった。まだ若い、新卒でこの高校に採用されて三年目の、いまどき珍しい熱血教諭というやつだ。正義感があり、教育熱心で、それでいてユーモアもある。イケメンとまではいかないが、そこそこに容貌もよいため、生徒から莫大な人気がある。そんな彼は、いわゆる優等生である九井を呼び出したことに、申し訳ないと謝った。呼び出したのは、おまえのことじゃないんだ。彼から呼び止められた時点で、ある程度のことは察している。
「じつは乾のことなんだ」
そうだろうな。予測していた九井に、ほっとしたような顔をして彼は頷いて、そして溜息をつく。
乾青宗。
彼の名をこの高校で知らぬ者はいないだろう。
4215「じつは乾のことなんだ」
そうだろうな。予測していた九井に、ほっとしたような顔をして彼は頷いて、そして溜息をつく。
乾青宗。
彼の名をこの高校で知らぬ者はいないだろう。
ギギ@coinupippi
DONE大分早めのココイヌバレンタイン。何故か解らないが学パロ。
ココが漫画みたいにモテる上に暴走している。
火事も起きてないし赤音さんも元気に生きている設定。
キスはチョコ味。「九井の下駄箱エグ…」
朝校門で会ったクラスメイトと談笑しながら上履きを履き替えようと、靴を脱いだ所でクラスメイトが引き攣った顔をしている。
顔を上げて自らの下駄箱を見てみれば、上靴入れの扉は開け放たれ正方形の中にはみっちりと色とりどりの包みが詰め込まれていた。
「上履きどこ行ったんだ」
その惨状に驚いた様子も無く、そこに入っていた筈の上履きは何処かとそれを気にしている。
今日はバレンタインという、普通の年頃の男女達に取っては一大イベントとも呼べる日だ。
去年は高校生になってから初めてのバレンタインであったが、九井は朝からチョコ攻めにあっていた。
それを律儀に貰えない、と謝りながら断る姿に一瞬嫉妬で苛ついていた男子達も九井偉いぞ!と色めきだったものだった。
7292朝校門で会ったクラスメイトと談笑しながら上履きを履き替えようと、靴を脱いだ所でクラスメイトが引き攣った顔をしている。
顔を上げて自らの下駄箱を見てみれば、上靴入れの扉は開け放たれ正方形の中にはみっちりと色とりどりの包みが詰め込まれていた。
「上履きどこ行ったんだ」
その惨状に驚いた様子も無く、そこに入っていた筈の上履きは何処かとそれを気にしている。
今日はバレンタインという、普通の年頃の男女達に取っては一大イベントとも呼べる日だ。
去年は高校生になってから初めてのバレンタインであったが、九井は朝からチョコ攻めにあっていた。
それを律儀に貰えない、と謝りながら断る姿に一瞬嫉妬で苛ついていた男子達も九井偉いぞ!と色めきだったものだった。
somakusanao
DONE眼鏡ココを書くために弁護士にしてみましたが、まっっったく眼鏡は生かされていないですね……すえながくおしあわせに その日から、平凡なわたしの世界は華やかになった。関わってはいけないと、本当はしっていたのに。
閑散とした喫茶店。祖父が残した場所が、会社を辞めたばかりのわたしの居場所だった。営業はしていない。祖父の死と共に、店は閉めてしまっている。空気を入れ替えるのを口実に、わたしはすっかり喫茶店に入り浸っていた。
古いビルの二階。ネイルサロンと、タトゥスタジオ、カイロプラクティック店、あとは弁護士事務所や会計事務所などがはいっている。人の出入りはほとんどなく、事務所はともかく、お店の方ははっきり言って大丈夫なのかと心配してしまうほどだ。まぁ、完全予約制の隠れ家的ショップというのなら、その目的はじゅうぶんはたしているだろうけれども。
6943閑散とした喫茶店。祖父が残した場所が、会社を辞めたばかりのわたしの居場所だった。営業はしていない。祖父の死と共に、店は閉めてしまっている。空気を入れ替えるのを口実に、わたしはすっかり喫茶店に入り浸っていた。
古いビルの二階。ネイルサロンと、タトゥスタジオ、カイロプラクティック店、あとは弁護士事務所や会計事務所などがはいっている。人の出入りはほとんどなく、事務所はともかく、お店の方ははっきり言って大丈夫なのかと心配してしまうほどだ。まぁ、完全予約制の隠れ家的ショップというのなら、その目的はじゅうぶんはたしているだろうけれども。
もぶおぢさん
DONE🈁視点です前回のココイヌオメガバ (コiコα×イヌiピΩ(モブイヌ前提))の続きです
読んでなくても分かるかもしれませんが、読んだ方がいいかもしれません😇
前回の場面と同じシーンなので、「こんな風に思ってた……ってコト……!?」という感覚で読んでください
⚠幸せじゃありません 10
もぶおぢさん
DONEココイヌ ⚠暴力 ⚠監禁なかなか激しいなと今更思ったので上げ直し
①外と連絡をとらないこと ②有事には絶対に俺の言うことを聞くこと ③逃げないこと 以外は全て自由な監禁ライフココイヌ見てぇ〜〜〜〜〜〜〜空から落ちて来ねぇかな
🈁限界反社なのですぐぶちギレたかと思ったら泣いたりして🐶に全ての感情ぶちまけてくれしんど泣く
のなか
DONEココイヌで、イヌピーが少年院にいる間のココの話。ココがチェスをしています。「トーク・アバウト・ア・ボーイ」11歳〜13歳のイヌピーの話とセットになります。スター・プレイヤー 学校の音楽室の片隅にチェス盤が置かれ、二人の少年がゲームをしていた。
盤面に向かう少年のうち、一人は中学生の枠を飛び越えるくらい強かった。もう一人、それより劣るもののやはり実力者である少年がいたが、この日はずっと勝負の行方の観戦に徹していた。盤面に向かう残りの一人が、この場所の新顔だった。
見物者の少年いわく、教室での休憩時間にクラスメイトとチェスの勝負をしており、勝利と共に小遣い程度の賭け金を回収していたところ、同じクラスの九井一がゲームに参加するようになったという。しかも「九井には四回の勝負うち、三回負けた」。
「レーティングがオレより二百上のオマエも勝率的に同じだろ?九井とどっちが強いのかと思ってさ」
2656盤面に向かう少年のうち、一人は中学生の枠を飛び越えるくらい強かった。もう一人、それより劣るもののやはり実力者である少年がいたが、この日はずっと勝負の行方の観戦に徹していた。盤面に向かう残りの一人が、この場所の新顔だった。
見物者の少年いわく、教室での休憩時間にクラスメイトとチェスの勝負をしており、勝利と共に小遣い程度の賭け金を回収していたところ、同じクラスの九井一がゲームに参加するようになったという。しかも「九井には四回の勝負うち、三回負けた」。
「レーティングがオレより二百上のオマエも勝率的に同じだろ?九井とどっちが強いのかと思ってさ」
ギギ@coinupippi
DONEメモ帳を整理してたら書きかけの幹部ココイヌあったから仕上げてみた。ハニトラ仕掛けるモブ♀とそれに引っ掛かった振りをしたココと後始末しにやって来るイヌピーの話。
ドライヤーの下りとかは適当。書きたい所だけ書いた。
年明けて一作目がこれなのかと自分でも思う。
汚れた部屋で遊戯に耽る。シャワーの流れる音を聞きながらクローゼットの中に掛けられている手触りの良いジャケットの内側を漁ると黒いスマートフォンを取り出す。
予め注意深く手元を確認して盗み見ておいたパスコードを画面に打ち込むと直ぐに操作が可能になった。
SDカードを挿入すると迷う事なく内部のデータを全てコピーして完了した物を引き抜くとラインストーンの施された華美なシガレットケースの中にしまった。
スマートフォンも元あった場所に入れておくと何事も無かったかのように女は革張りのソファに腰を下ろしシャンパングラスを傾ける。
カーテンの開かれた窓の外には電飾に彩られた摩天楼の景色達が広がり、そこから下を見下ろすと自分がまるでそれらを手に入れたような気分になった。
6330予め注意深く手元を確認して盗み見ておいたパスコードを画面に打ち込むと直ぐに操作が可能になった。
SDカードを挿入すると迷う事なく内部のデータを全てコピーして完了した物を引き抜くとラインストーンの施された華美なシガレットケースの中にしまった。
スマートフォンも元あった場所に入れておくと何事も無かったかのように女は革張りのソファに腰を下ろしシャンパングラスを傾ける。
カーテンの開かれた窓の外には電飾に彩られた摩天楼の景色達が広がり、そこから下を見下ろすと自分がまるでそれらを手に入れたような気分になった。
somakusanao
DONE一行目から展開が読めると思いますが、ご想像通りの展開です。ムーチョが出てくるのは、単純にわたしがムーチョが好きだからです。
九井一が恋人に指輪を贈るらしい 九井一が恋人に指輪を贈るらしいと小耳に挟んだ。
東京卍會の集会所になっている神社では、それぞれの隊によって、たむろする場所がなんとなく決まっているが、まだ不慣れな乾が彷徨っていた時だ。
ふだんは噂話など気にしない乾だが、「九井」という声を耳が拾った。東京卍會に九井はひとりしかいない。乾のたいせつな幼馴染だ。もしココのことを悪く言うやつがいたら、オレが許さねぇ。こぶしを握りかけたところで、「恋人」と「指輪」という単語が耳に入ってきた。統括すると九井は恋人に指輪を贈るらしい。
伍番隊の武藤なる彼は宝飾店のショーウィンドウの前にいた九井とたまたまばったり遭遇し、「誰かにやるのか」と聞いたらしい。
「へぇ、九井はなんて答えたんですか」
5770東京卍會の集会所になっている神社では、それぞれの隊によって、たむろする場所がなんとなく決まっているが、まだ不慣れな乾が彷徨っていた時だ。
ふだんは噂話など気にしない乾だが、「九井」という声を耳が拾った。東京卍會に九井はひとりしかいない。乾のたいせつな幼馴染だ。もしココのことを悪く言うやつがいたら、オレが許さねぇ。こぶしを握りかけたところで、「恋人」と「指輪」という単語が耳に入ってきた。統括すると九井は恋人に指輪を贈るらしい。
伍番隊の武藤なる彼は宝飾店のショーウィンドウの前にいた九井とたまたまばったり遭遇し、「誰かにやるのか」と聞いたらしい。
「へぇ、九井はなんて答えたんですか」
somakusanao
DONE恋に落ちた九井一は一万回でも書きたいコーヒーにはスティックシュガーを「ココくんはイヌピーくんのどこが好きなんですか」
唐突な花垣からの質問に九井は、いささか驚かされた。東京卍會なんていうチームに属していても、しょせん中学生だ。恋バナもゴシップも大好きなのは理解している。千堂らを待つ間の時間つぶしにちょうどいい話題に違いない。理解はしているが、ふつうは本人を前にして聞かないのではないか。現に花垣は相棒の松野千冬に肩を叩かれている。
「おい、相棒。なに言ってんだよ」
「千冬が気になるって言ったんだろ」
「だからって本人に直接聞くかよ」
花垣と松野のやりとりは、本人たちは小声のつもりなのかもしれないが、どんどんとヒートアップしていき、ほとんど筒抜けだ。
わざとらしく、こほん、と咳払いをすると、花垣と松野は面白いくらい背筋を伸ばして押し黙った。なんか小動物っぽい。おもしろいな、こいつら、と思ったことは秘密だ。つけあがらせるのはあまりよくないが。
2640唐突な花垣からの質問に九井は、いささか驚かされた。東京卍會なんていうチームに属していても、しょせん中学生だ。恋バナもゴシップも大好きなのは理解している。千堂らを待つ間の時間つぶしにちょうどいい話題に違いない。理解はしているが、ふつうは本人を前にして聞かないのではないか。現に花垣は相棒の松野千冬に肩を叩かれている。
「おい、相棒。なに言ってんだよ」
「千冬が気になるって言ったんだろ」
「だからって本人に直接聞くかよ」
花垣と松野のやりとりは、本人たちは小声のつもりなのかもしれないが、どんどんとヒートアップしていき、ほとんど筒抜けだ。
わざとらしく、こほん、と咳払いをすると、花垣と松野は面白いくらい背筋を伸ばして押し黙った。なんか小動物っぽい。おもしろいな、こいつら、と思ったことは秘密だ。つけあがらせるのはあまりよくないが。
のなか
DONE梵天ココ×バイク屋イヌピー、R18。公序良俗に反する内容、同意を伴わない性行為を含みます。
未成年者に読んで欲しくない為、限定公開になりますことをご理解下さい。
18歳以上か成人済み記載が無い場合はブロックします。
マスターズ・ネーム(このお話) →インク → ゴールデン・ハンズ→インタールード→トーク・アバウト・ア・ボーイ→スター・プレイヤー→最終話の順番で話が繋がる予定です。 10168
somakusanao
DONE遅刻ちこくぅ。シャンパンを飲んでしまい、途中で寝落ちしたので、40分ほど遅刻です。25日の贈り物 その年、乾青宗は初めてサンタクロースからプレゼントをもらった。
二十四日は両親からプレゼントをもらう。たいていは本を貰う。それじゃなかったら、筆記用具。辞書なんていう年もあった。
図書館に通うくらい本が好きな姉・赤音はほっぺたを赤くして「すごくうれしい!」と感謝を述べるが、読書家でもなんでもない乾はちっとも嬉しくない。よかったのは図鑑くらいで、趣味じゃない児童書(「クロネコサンタの大冒険!」「ミイちゃんの不思議な杖」)なんてもらっても、一度も読まずに積んであるくらいだ。だから幼馴染の九井に「イヌピーはクリスマスになにが欲しい?」と聞かれても、「なにもいらねー」と答えてしまった。九井は目を丸くして乾を見る。
3593二十四日は両親からプレゼントをもらう。たいていは本を貰う。それじゃなかったら、筆記用具。辞書なんていう年もあった。
図書館に通うくらい本が好きな姉・赤音はほっぺたを赤くして「すごくうれしい!」と感謝を述べるが、読書家でもなんでもない乾はちっとも嬉しくない。よかったのは図鑑くらいで、趣味じゃない児童書(「クロネコサンタの大冒険!」「ミイちゃんの不思議な杖」)なんてもらっても、一度も読まずに積んであるくらいだ。だから幼馴染の九井に「イヌピーはクリスマスになにが欲しい?」と聞かれても、「なにもいらねー」と答えてしまった。九井は目を丸くして乾を見る。
ギギ@coinupippi
DONE一応クリスマスなココイヌのつもり。黒龍が無くならないでそのまま突き進んでいってる的なふわっとしたif軸の設定。
まともに働いたことの無いイヌピーがバイトしたりして頑張る話。
無駄に長くなってしまったから最後ぶつ切りに。
緩やかな青の束縛。街中をコートを羽織り歩けば、どこもかしこもクリスマスの装飾に定番の音楽が流れていた。
後ろには二人の部下が雑談をしながら着いてくる。
一人でも良い、と断ったがココくんが…と幼馴染の名前を出され仕方なく二人を従えて大寿とココこと九井一が居る事務所となっているマンシヨンの一室まで向かう途中だった。
九井は青宗に対して些か過保護な所があり、黒龍が暴走族という形態から組織化した事でより青宗の身を案ずるようになったのだ。
これが任務中ということであればダラダラ歩いて無駄口を叩く等、部下に許す事は無いが青宗は基本的に他人に興味が無いから任務外であれば好きにさせておく方だった。
「もうクリスマスだもんなぁ。お前彼女に何か買ったの?」
18550後ろには二人の部下が雑談をしながら着いてくる。
一人でも良い、と断ったがココくんが…と幼馴染の名前を出され仕方なく二人を従えて大寿とココこと九井一が居る事務所となっているマンシヨンの一室まで向かう途中だった。
九井は青宗に対して些か過保護な所があり、黒龍が暴走族という形態から組織化した事でより青宗の身を案ずるようになったのだ。
これが任務中ということであればダラダラ歩いて無駄口を叩く等、部下に許す事は無いが青宗は基本的に他人に興味が無いから任務外であれば好きにさせておく方だった。
「もうクリスマスだもんなぁ。お前彼女に何か買ったの?」
somakusanao
DONE原稿に飽きたので、ココイヌちゃんを書きました。カフェでアルバイトするイヌピー 美人とイケメンしかいない噂のカフェがある。
ある日、美人のアルバイトがやってきた。目の覚めるような美人だが、気さくで、ものすごくいい子だった。しばらくすると、その子が美人の友人をアルバイトに誘ってくれて、その美人の友人がイケメンの彼氏を呼んでくれて、そのイケメンの友人が以下略。
というわけで、なんだか知らないうちに美人とイケメンのアルバイトが増えていたというのが真実だ。
誰だって美人やイケメンに接客されたら、うれしいものだ。カフェは人気繁盛店になった。その一方こまることもあった。美人イケメン目当てに厄介な客も増えたのだ。
これに店長が「対策しよう」と言っていたのが先日のこと。
満を持してやってきたのは
5071ある日、美人のアルバイトがやってきた。目の覚めるような美人だが、気さくで、ものすごくいい子だった。しばらくすると、その子が美人の友人をアルバイトに誘ってくれて、その美人の友人がイケメンの彼氏を呼んでくれて、そのイケメンの友人が以下略。
というわけで、なんだか知らないうちに美人とイケメンのアルバイトが増えていたというのが真実だ。
誰だって美人やイケメンに接客されたら、うれしいものだ。カフェは人気繁盛店になった。その一方こまることもあった。美人イケメン目当てに厄介な客も増えたのだ。
これに店長が「対策しよう」と言っていたのが先日のこと。
満を持してやってきたのは
ギギ@coinupippi
DONE20代前半辺りのココイヌ。東卍と天竺の抗争後に合併し、イヌピーだけが一般人となったif軸の捏造話。
ココがイヌピーを拉致監禁して一緒に過ごす。
またもや煩いモブが登場する。
encounter.東卍と天竺は抗争の末、イザナとマイキーが合意して合併したという事になっている。
表向きの理由はそうであるが、実際の所は戦意喪失した東卍のマイキーの名を振りかざしイザナや稀咲が好き勝手にするのだろう。
誰がトップになろうがどうでも良い。金にさえなれば自分はそれで構わなかった。
抜け殻のようになってまったマイキーを人質に取られたも同然の東卍のメンツはそのまま残る者と去る者とで別れたようだった。
自分が必死に着いてくるようにと説得した幼馴染も、もうここには望むものは無いと目の前から立ち去って行った。
彼が守りたかった黒龍はそこには無いと、諦めた顔をして散々ママゴト遊びに付き合い支えた自分をあっさりと見捨てたのだ。
32364表向きの理由はそうであるが、実際の所は戦意喪失した東卍のマイキーの名を振りかざしイザナや稀咲が好き勝手にするのだろう。
誰がトップになろうがどうでも良い。金にさえなれば自分はそれで構わなかった。
抜け殻のようになってまったマイキーを人質に取られたも同然の東卍のメンツはそのまま残る者と去る者とで別れたようだった。
自分が必死に着いてくるようにと説得した幼馴染も、もうここには望むものは無いと目の前から立ち去って行った。
彼が守りたかった黒龍はそこには無いと、諦めた顔をして散々ママゴト遊びに付き合い支えた自分をあっさりと見捨てたのだ。
somakusanao
DONE不謹慎な話の続き。イヌピー。これでおしまい!『禁じられた遊び』⑥乾青宗 ちいさな青いスコップで土を掘る。固い土は掘りにくく、満足のいく深さを掘るのに、予定外の時間を要した。土を盛って、割りばしで作った手作りの十字架をふたつ刺す。かなり不格好だが、いちおう十字架には見えるだろう。乾はそっと息を吐く。
「それは誰の墓?」
背後に男のひそやかな声があった。
「ココとオレの墓」
ふぅん、と九井が乾の横にしゃがみこむ。高そうな、実際高いのだろう、コートに土につくが、九井は気にした様子もない。先日きた警察に寄れば「存在しない男」だそうだ。おかしなことを言うものだ。九井一がいないなんて、馬鹿なことを言う。
「金魚はもうとっくに土に還っただろ。この中にはなにが入っているんだ?」
「アジトの鍵」
1335「それは誰の墓?」
背後に男のひそやかな声があった。
「ココとオレの墓」
ふぅん、と九井が乾の横にしゃがみこむ。高そうな、実際高いのだろう、コートに土につくが、九井は気にした様子もない。先日きた警察に寄れば「存在しない男」だそうだ。おかしなことを言うものだ。九井一がいないなんて、馬鹿なことを言う。
「金魚はもうとっくに土に還っただろ。この中にはなにが入っているんだ?」
「アジトの鍵」
somakusanao
DONE不謹慎な話の続き。今日はドラケン『禁じられた遊び』⑤龍宮寺堅「九井一という男は存在しません」
ある日、警察を名乗る二人組の男がD&D MOTORSにやってきて、そう言った。龍宮寺にではない。彼らの目的は九井のおさななじみである乾青宗だった。
佐野万次郎が死んだ。
梵天は打撃を受け、その後釜を狙い、大きな抗争が起こった。幹部の数人が亡くなったとされ、確認が急がれている。そのひとりが九井一だった。
だがしかし。
「九井の戸籍はでっちあげたものだということが分かりました。父親とされる九井××と九井一のDNAから、親子関係は認められない。赤の他人です。九井××から見知らぬ子供の身柄を引き取っただけだという証言もある」
乾は一言もしゃべらない。代わりに龍宮寺が「じゃあ、いったいどこのだれなんだ」という羽目になった。
1884ある日、警察を名乗る二人組の男がD&D MOTORSにやってきて、そう言った。龍宮寺にではない。彼らの目的は九井のおさななじみである乾青宗だった。
佐野万次郎が死んだ。
梵天は打撃を受け、その後釜を狙い、大きな抗争が起こった。幹部の数人が亡くなったとされ、確認が急がれている。そのひとりが九井一だった。
だがしかし。
「九井の戸籍はでっちあげたものだということが分かりました。父親とされる九井××と九井一のDNAから、親子関係は認められない。赤の他人です。九井××から見知らぬ子供の身柄を引き取っただけだという証言もある」
乾は一言もしゃべらない。代わりに龍宮寺が「じゃあ、いったいどこのだれなんだ」という羽目になった。
somakusanao
DONE不謹慎な話の続き。灰谷兄弟。『禁じられた遊び』④灰谷兄弟 九井一から依頼を受けた。ある男のDNAが必要なので、墓を暴いてほしい。もちろん作業は専門業者に頼むし、面倒なことは部下にやらせればいい。灰谷兄弟はその監視と確認だ。なぜ九井自身がやらないのかといえば、スポンサーとの打ち合わせが入っているらしい。金稼ぎに関しては九井に一任するというのが、幹部の共通認識だ。墓荒らしなど気が向かないが、しかたない。高くつくぜと金を要求すれば、ことのほかあっさりと九井は頷いた。拍子抜けする。
「その代わり、もうひとつ頼まれて欲しい」
黒川イザナの骨が欲しい。
かつて灰谷兄弟を導いた男の名だった。あの強烈なカリスマはいまもなお灰谷兄弟の脳裏に焼き付いている。
依頼の男とおなじ霊園に佐野家の墓地があるので、ついでに頼む、と九井はさらりと言った。兄弟は顔を合せた。「なぜだ」と声を発したのは兄の蘭だ。
1372「その代わり、もうひとつ頼まれて欲しい」
黒川イザナの骨が欲しい。
かつて灰谷兄弟を導いた男の名だった。あの強烈なカリスマはいまもなお灰谷兄弟の脳裏に焼き付いている。
依頼の男とおなじ霊園に佐野家の墓地があるので、ついでに頼む、と九井はさらりと言った。兄弟は顔を合せた。「なぜだ」と声を発したのは兄の蘭だ。
もぶおぢさん
DONEココイヌ オメガバココ(α)×イヌピー(Ω) モブ(α)とイヌピーが付き合ってる設定
色々とガバガバ 色塗る気も無けりゃ完成させる気も無いけど描きたいとこだけ今後も追加する可能性はある
なんでも許せる人向け
多分胸糞になる
追記しました(2022 1/15)
ほんとはここまでで一区切りです
ゆっくり進んで行きますが、途中でやめるかもしれません あしからず 14
somakusanao
DONE不謹慎なココイヌのつづき。今日は鶴蝶くん。鶴蝶くん、だいすきです。『禁じられた遊び』③「おまえは死んだらどこにいくんだ」
『梵天』の幹部のひとりである九井一はなにかと噂の多い人物だ。金稼ぎの才能と共に、厄介な性格が語られる。曰く、人を殺すのに躊躇がない。曰く、ヤクザと繋がっている。曰く、麻薬に詳しすぎる。曰く、頭は良いが、ぶっ飛んでいる。
なによりあのイザナが、黒川イザナが、彼のことを危険視していた。瞼を閉じた鶴蝶の耳にイザナの声が蘇る。九井はヤバイやつだけど、乾といっしょに居たらまだマシだ。だからあいつらは離さずにいろよ。
乾という男の名は、たびたびイザナの口から話された。オレにすこし似ている。と言っていた。
乾の話をするときのイザナはすこしだけ懐かしそうで、すこしだけつらそうにしている。乾がイザナの兄、真一郎と由縁があったからだろう。しかし話が九井に移ると、イザナの顔は冷徹なボスに戻る。九井は乾と離すなと、念を押すように言っていた。
2047『梵天』の幹部のひとりである九井一はなにかと噂の多い人物だ。金稼ぎの才能と共に、厄介な性格が語られる。曰く、人を殺すのに躊躇がない。曰く、ヤクザと繋がっている。曰く、麻薬に詳しすぎる。曰く、頭は良いが、ぶっ飛んでいる。
なによりあのイザナが、黒川イザナが、彼のことを危険視していた。瞼を閉じた鶴蝶の耳にイザナの声が蘇る。九井はヤバイやつだけど、乾といっしょに居たらまだマシだ。だからあいつらは離さずにいろよ。
乾という男の名は、たびたびイザナの口から話された。オレにすこし似ている。と言っていた。
乾の話をするときのイザナはすこしだけ懐かしそうで、すこしだけつらそうにしている。乾がイザナの兄、真一郎と由縁があったからだろう。しかし話が九井に移ると、イザナの顔は冷徹なボスに戻る。九井は乾と離すなと、念を押すように言っていた。
somakusanao
DONE不謹慎な話②三途春千代『禁じられた遊び』②三途春千代「乾赤音と乾青宗の話をしてやろうか」
深夜の東京湾。『梵天』を裏切った逃亡者の始末をして、迎えの車を待つ間。九井一はぽつりと言った。暗闇に紛れ九井の顔は見えない。声だけが響いている。
三途春千代は舌を打つ。乾姉弟は九井一の急所かと思っていたが、そうではなかったのか。腹の探り合いを楽しむ甲斐のない男に肩をすくめる。
「赤音さんはオレの初恋の女だ」
九井が知っているいちばん身近な女と言えば母親だが、はっきりといえば売春婦だった。九井をこの世に生んでくれたことは感謝しているが、それ以外のすべてを軽蔑している。ヤクザの情婦だったこともあり、そんなときは九井も麻薬の売買を手伝わされたこともあった。そんなとき稀に母親以外の女と接することがあったが、ろくな女ではなかった。あるいは不幸な女ばかりだった。
1347深夜の東京湾。『梵天』を裏切った逃亡者の始末をして、迎えの車を待つ間。九井一はぽつりと言った。暗闇に紛れ九井の顔は見えない。声だけが響いている。
三途春千代は舌を打つ。乾姉弟は九井一の急所かと思っていたが、そうではなかったのか。腹の探り合いを楽しむ甲斐のない男に肩をすくめる。
「赤音さんはオレの初恋の女だ」
九井が知っているいちばん身近な女と言えば母親だが、はっきりといえば売春婦だった。九井をこの世に生んでくれたことは感謝しているが、それ以外のすべてを軽蔑している。ヤクザの情婦だったこともあり、そんなときは九井も麻薬の売買を手伝わされたこともあった。そんなとき稀に母親以外の女と接することがあったが、ろくな女ではなかった。あるいは不幸な女ばかりだった。
somakusanao
DONE不謹慎なお話。九井君の過去捏造がだいすきなオタクです。『禁じられた遊び』①芝大寿「おまえはなぜ乾に尽くすんだ」
打ち合わせの合間に、ふと尋ねられた。聞いたくせに、芝大寿はさして興味のなさそうな顔で、九井に視線すら向けない。彼にとってはどうでもいいことで、けれど確認はしておきたいというところか。
その質問は九井にとってありきたりで、なんどとなく繰り返されてきた。幼馴染だから。放っておけないから。偽りの言葉で誤魔化してきたが、大寿になら本当のことを言っていいかと、気まぐれに思った。黒龍十代目の実態は、芝大寿の暴力的カリスマと、九井一の潤沢な資金によって成り立っている。実質、パートナーに近い存在だと思う。それは大寿自身も自覚しているだろう。だからこそ、大寿は九井と乾の関係を聞いてきたのだ。
2622打ち合わせの合間に、ふと尋ねられた。聞いたくせに、芝大寿はさして興味のなさそうな顔で、九井に視線すら向けない。彼にとってはどうでもいいことで、けれど確認はしておきたいというところか。
その質問は九井にとってありきたりで、なんどとなく繰り返されてきた。幼馴染だから。放っておけないから。偽りの言葉で誤魔化してきたが、大寿になら本当のことを言っていいかと、気まぐれに思った。黒龍十代目の実態は、芝大寿の暴力的カリスマと、九井一の潤沢な資金によって成り立っている。実質、パートナーに近い存在だと思う。それは大寿自身も自覚しているだろう。だからこそ、大寿は九井と乾の関係を聞いてきたのだ。
のなか
DONEココイヌ。11歳〜13歳のイヌピーの話。「スター・プレイヤー」に続きますトーク・アバウト・ア・ボーイ 人間の頭を躊躇することなくぶっ叩けるようになった子どもについて話をしよう。
そんなことができるなんて、最悪なガキだって思うだろ?
俺もそう思う。
ケチのつき始めは小学生のときだった。火事で家が焼けた。
自宅は父親と母親が思い切り背伸びをして建てたローン三十八年の新築一戸建てで、そこで家族全員が仲良く暮らすことが両親の夢だった。
夢はあっけなく崩れた。まず、ローンのたっぷり残った家が、跡形もなく無くなった。次に、姉の赤音が全身に火傷を負った。同じ火傷でも、俺は比較的軽症で早々に退院したけれど、赤音は相当重症で入院したっきりになった。
最後の、「仲良く暮らす」という点についても触れておこう。
赤音がまだ生きていたとき、家族の心は一つだったと思う。皆、頻繁に病院に見舞いに行ったし、特に母親は赤音の病室に泊まり込んで、一生懸命に赤音のケアをしていた。ある意味で、赤音の病室が一つの家として機能してた。
1820そんなことができるなんて、最悪なガキだって思うだろ?
俺もそう思う。
ケチのつき始めは小学生のときだった。火事で家が焼けた。
自宅は父親と母親が思い切り背伸びをして建てたローン三十八年の新築一戸建てで、そこで家族全員が仲良く暮らすことが両親の夢だった。
夢はあっけなく崩れた。まず、ローンのたっぷり残った家が、跡形もなく無くなった。次に、姉の赤音が全身に火傷を負った。同じ火傷でも、俺は比較的軽症で早々に退院したけれど、赤音は相当重症で入院したっきりになった。
最後の、「仲良く暮らす」という点についても触れておこう。
赤音がまだ生きていたとき、家族の心は一つだったと思う。皆、頻繁に病院に見舞いに行ったし、特に母親は赤音の病室に泊まり込んで、一生懸命に赤音のケアをしていた。ある意味で、赤音の病室が一つの家として機能してた。
のなか
DOODLEココイヌで、ココと柚葉によるShitty Talk.下品ですみません。(R15)
今更の話 柚葉は九井に尋ねた。
「世界が終わるとしたら、アンタなら最後に何をする?」
九井はあごに手をあてて考えるそぶりをした。
「そうだな、宇田川キリスト教会、あるだろ?あそこの祭壇の前にイヌピーを立たせる」
「それで?」
「それからイヌピーの服を剥ぎ取って裸にして、立ちバックで後ろから犯す」
信じられないと言いたげな顔の柚葉に向かって、九井は舌を出してみせた。
「終末論だろ?どうせこの世の終わりなんて来ねぇよ」
「アンタってつくづく冒涜的だよね」
「アダムを刺してエデンの園からオン出てきた女が何言ってんだ?言っておくが俺が林檎を渡したのはおまえが楽園から出た後だからな。冒涜的なのはお互い様で、今更の話だ」
311「世界が終わるとしたら、アンタなら最後に何をする?」
九井はあごに手をあてて考えるそぶりをした。
「そうだな、宇田川キリスト教会、あるだろ?あそこの祭壇の前にイヌピーを立たせる」
「それで?」
「それからイヌピーの服を剥ぎ取って裸にして、立ちバックで後ろから犯す」
信じられないと言いたげな顔の柚葉に向かって、九井は舌を出してみせた。
「終末論だろ?どうせこの世の終わりなんて来ねぇよ」
「アンタってつくづく冒涜的だよね」
「アダムを刺してエデンの園からオン出てきた女が何言ってんだ?言っておくが俺が林檎を渡したのはおまえが楽園から出た後だからな。冒涜的なのはお互い様で、今更の話だ」