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    #悠脹

    warabi0101

    DOODLE※本誌バレ ※死ネタ ※捏造
    残された者と残さなかった者のお話。
    死んだひとはお墓に宿るのか思い出に宿るのか、というお話のような。自分でも何を書いているかよくわかりませんが、どうしても今書かねばならないと思って書きました。死ネタですので閲覧ご注意ください。
    空っぽの夕焼け(悠脹)俺と脹相が再会したのは、全てが終わった後だった。

    九十九さんに会いたいかと聞かれて、俺はそれが何を意味するかが分かった。連れていかれた先は、ひどく寒くて暗い部屋だった。俺は浅い息を吸い込んでから九十九さんに聞いた。脹相は何か残さなかったか、と。彼女は首を振った。脹相は最期まで俺を呪わなかった。
    脹相は彼のふたりの弟と同じように葬られた。俺は九十九さんの隣に立って、その様をずっと見ていた。命尽きるまで戦ったのだろうと分かる傷だらけの身体が火に抱かれ、骨になって、小さな壺に収められて、森の中に建てられた小さなお堂の中に収められるまでを、ただ静かに、目に焼き付けるように眺めていた。
    涙は出なかった。脹相の身体が灰になるときも、つめたくてかるい壺を胸に抱いた時も、脹相が収められたお堂の前に立った時も。俺は涙を流すことも、お堂に手を合わせることも、目を瞑って心の中で語り掛けることも出来なかった。俺はそれがなぜかわからなくて、お堂の前に立ち尽くして自分の中に押し寄せるさざ波のような音をずっと聞いていた。もう日が暮れるよと先生が俺の肩を叩いてくれたとき、俺はひとつだけわかったことがあった。
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    warabi0101

    PAST※獣人パロ ※ふたりに子供ができます
    虎獣人悠仁君×山犬獣人脹相です。九十九さんはどの世界線でもふたりのキューピッドであってほしい。
    (過去pixivに投稿したものです)
    「じゃ、この子をよろしく頼むよ!」
     暗い洞窟に似つかわしくない快活な声とともに、ずずい!と目の前に差し出されたしましまの毛玉。
     脹相はとてつもない嫌な予感に眉間にしわを寄せた。

     山犬の獣人である脹相と鷹の鳥人である九十九が出会ったのは、脹相の弟八人が立派に巣立ちしてからしばらくたってからの事だった。ひどい雨の日に脹相が住む洞窟にびしょ濡れで転がり込んでくるや否や「どんな女が好みタイプかな?」とウィンクしてきたのが始まりだった。その時からというもの、鷹であるのに渡りをするこの自由気ままな女との腐れ縁に脹相は辟易へきえきとしていた。
     今日も今日とて突然現れたかと思うと、脹相の前にしましまの毛玉――小さな虎の子を差し出してきたのだった。まだ人型になることはできないのだろう。柔らかい首の皮を九十九に掴まれてゆらゆら揺れる毛玉はまさしく毛皮をまとった虎の子の姿だった。橙のような明るい茶色に白が混ざったふわふわの毛。ころりと丸い頭に、これまた丸い小さな耳。小さな体躯に見合わないずんぐりと太い手足と広い手のひら。首の皮を九十九に掴まれているのに楽しそうにきらきらと輝く青色の瞳と目が合った。脹相と目が合ったことに気づいたその毛玉は、ひどく嬉しそうに目をつむって小さく「きゃぅ!」と鳴いた。
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    warabi0101

    DONE※現パロ・バニーボーイ
    お兄ちゃんが弟を養うためにバニーボーイになって働いているお話読みてぇ~~~~^-^-^^-^-^(大の字)ってなったので書きました。深く考えずにお読みください。
    めざましウサギ(悠脹)カツン カツン カツン

    磨き上げられた黒のハイヒールが鳴る。

    しなやかな長い脚に這うように張り巡らされた、パツパツの網タイツ。

    細くくびれた腰と豊かな逞しい胸筋の曲線を強調するような、ピッチリとした肩出しのボンデージスーツ。

    血管の浮き出た筋肉質な手首に巻かれた白いカフス。

    たくましく太い首を飾る安っぽい付け襟。

    そして―――尻を彩るふさふさとしたまあるいしっぽと、頭の上に揺れる白く長いウサギの耳。

    それが、このバニーボーイ・バーで働く脹相の制服だった。




    脹相にはとにかく金が必要だった。
    兄としてまだ独り立ちしていない八人の弟たちを養わなければならないのだ。とても昼間の肉体労働だけでは足りない、と悪友である真人に相談して勧められたのがこの店のバニーボーイバーの仕事だった。真人のニタニタとした笑顔が鼻についたが、その労働条件を聞いた脹相はその日のうちに真人と共にバーの門を叩いていた。背に腹は代えられぬ、というやつだった。
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    蟹SUN

    PAST現パロ悠脹。幼少期悠脹の回想、モブ(→?)脹、悠脹の三部構成です。
    ・職場の後輩モブ男の視点
    ・モブの活きが良い
    ・けんかみたいになって攻めも受けも泣く
    恋してめんどくさくなっちゃう攻めは可愛いしそれを包み込む受けは頼もしいですね
    どこにいたって迎えに行くよ ショッピングモール 迷子センター

    「うっ……う、うう……」
    「今ね『ゆうじくんが待ってますよ〜』ってみんなにお知らせしたからね。おうちの人が来てくれるまで、もう少し待ってようね?」
    「う゛う〜〜……に、にいちゃ、おにいちゃん……! ぅえっ」
     ソファに座って泣きじゃくる男の子がいた。『ゆうじ』と呼ばれたその子どもの耳には、穏やかな口調で宥める職員の声も届いていない様子だ。
     その日、その男の子──虎杖悠仁は三人の兄と共に郊外にある巨大なショッピングモールに来ていた。
     結論から言えば、はしゃぎすぎた悠仁は──一人はぐれた。幸い、彼はすぐに迷子センターで保護された。
     しかし、幼い子どもにとってこの世界は広すぎた。独りの時間は永遠とも思えた。兄たちのいない世界など想像したこともなかった。もう二度と会えないかもしれないとまで考える小さな心は押し潰され、その目からは涙が止まらなかった。
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