待ち合わせ学校からほど近い距離にあるカラオケ店の前で玄弥は1人ポツンと立ちつくしていた。
中間テストも終わり、今は昼に差し掛かる時間だった。「テストも終わったことだしみんなでパーッと騒ごうぜ!」という善逸の提案に賛成したのだが、参加予定の炭治郎、善逸、伊之助の3人は富岡先生から呼び出されてまだ来ていない。
暇を持て余してはいたが、空は青く澄み切っており風はそよそよと涼しかった。玄弥はたまらずあくびを噛み殺すために下を向く。
「オイ、こんな時間に学生がうろちょろしてていいのかァ?サボりか?」
嗜めるような口調の低音がすぐ側で聞こえた。玄弥は思わず顔をあげ、声のした方に目線を動かした。
鍛え抜かれた体躯。思わず凝視したくなるほど整った顔の男前。上下黒のスーツは糊がきいていて一見どこぞの役者だと言われても信じてしまうほどのオーラがある。
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