新ラフレオどうにも、調子が狂うのだ。
普段の自信満々な態度は腹が立つけれど、それはそれとして殊勝な態度というのはレオナルドらしくなくて、なんていうか居心地が悪い。
「利き手は生きてるんだからそこまで不便はしてねぇよ。強いて言うならムスコが扱いにくいくらいか?」
なのでちょっとの意地悪をこめつつ、立ったままのレオナルドを見上げる。
あまり下世話な話は好きじゃないレオナルドならそれに憤慨するだろうと踏んだのだ。
「ちょ、まてまて、馬鹿!」
しかしそれらの目測は全て外れた。
唇を引き結んだレオナルドが近づいて、ラファエロの間に座り込む。
そうしてふとももに手が触れたところで慌てて無事な方の腕でレオナルドを押し返した。
「っ手伝うってずっと言ってるだろ」
納得いかないといった表情に、呆れてものも言えないとはこのこと。
「そういうんじゃねェって…レオナルド、ほんとにわかんねぇのか?」
きゅ、と口元を引き結んだ様子はわかっているのかわかっていないのかよくわからない。
いずれにせよ手を止めてくれたことに違いはないが、それでもこれ以上進めないように手を強く握ったまま。
「お前がヤりてぇんならいつでも大歓迎だけどよ、義務感ならお断りだぜ」
大事にしようと思えば思うほど、手をすり抜ける歯がゆさを味わい。
突き放してみようものなら、その手は結局縋られることなく拳を握りこむだけで終わってしまった。
こんなままならない感情を程度は違えど抱えているものは同じだって心を通わせた筈。
第一、献身の姿勢なんて誰よりも似合わない奴なのに、何をそんなに追い込まれているのか理解できなかった。
庇われ慣れてないのはRも一緒ですけどね