これから先も🕶、🌹、🍊、🍀 ver
この街に来て2年が経とうとしている。初めは、4人から始めたこの病院も今では20人超えの大家族。みんな得意なことが違ってみんなそれぞれいろんな個性を持っている。いろんな組織の人がこの街を去っていったり、退職したりする中俺たち救急隊は今でも創設者全員が残っている。
「「隊長」」
「守」
屋上でぼーっと空を眺めながら2年前のことを思い出していると、後ろから聞きなれた声が聞こえてきた。
「ロビーでみんなと話してたんじゃないのか?」
「いや、少し隊長と話したいなって思ってね」
「...そうか」
心地の良い風にあたりながら雲一つない空を見上げる。
「2年って早いもんだな...」
「そうね」
「初めは4人だったのに、いつの間にかこんな大家族になっちまったよ」
「そうだな~…」
下を見ると、いつものように騒がしい光景。いつも通り、飲食店を開いたり、車の修理をする白市民。病院に遊びに来る黒市民。みんなこの街で生活してこの街で生きている。
「そういえばそろそろ結婚しないのか?」
「俺たちに言ってるのか?」
「あぁ」
「うーん…私は特に考えてはいないけど」
「俺もだな。別に、もう同棲もしてるし特に結婚しても変わらないかなって感じ」
「結婚報告とかしたらみんな大喜びしそうだけどな~」
雲一つない空の下。いつものように話をする。
日々色々なものが変わっていく日常。
「…ありがとう。」
俺は誰にも聞こえないくらい小さな声でそうつぶやいた。
とりもも堂 ver
一昨年の冬。目が覚めたらここにいた。初めは自分の名前しか分からなかった。空っぽな心の中にいつの間にかたくさんの思い出が詰まってた。怒られる日、泣く日、色んな日があったけど必ずそんな毎日の中には笑顔があった。
「私達ももう2年もここにいるんですね」
「まぁ…俺はちょっと遅れてって感じですけど…」
「ほぼ、2年だよ!」
「そうですね...w」
くだらない毎日。いつか白紙になってしまう日常。
「…これからもずっと3人で思い出作っていこうね。」
車でドライブをしていた時ももみさんから直接言われた言葉。
「……俺、2人のおかげで明るくなれました。」
「勿論、他の病院のみんなから学ぶこととか沢山あったけど…、でも遊びを教えてくれたのは2人ですし、主に愛情をくれたのも2人です」
「……ももみさん、鳥野さん。」
運転していた車を止め、2人の方を振り向き笑顔で伝える。2人に…いや、この街に来てからの1番の笑顔で…!
「俺、幸せです」