社会人月山の久々に休みが丸一日被ったからお互い今晩エッチするのかなってドキドキしてる話2人きりの食卓に、カチャカチャと食器同士がぶつかる音が、やけに大きく聞こえる。
食べるのに忙しいです、とでも言いたげに、目の前のエビチリをひたすら食べる。そんなにお腹が空いているわけでも無いのに、ひたすらに食べ続ける。
目の前のツッキーをチラリと盗み見ると、モソモソと白米を噛み続けていた。良くもまぁそんなに美味しくなさそうに食べられるものだと、心の中で感心する。ふと、ツッキーが顔を上げる予感がして、咄嗟に下を向いた。
きっと、ツッキーも、俺と同じ言葉を待っている。お互いあまりにも久しぶりすぎて、あの言葉を自分から言い出すのが恥ずかしくて堪らないのだ。
「今晩、えっちする?」
こう言葉にすると、余計に恥ずかしく感じる。もっとうまい誘い方があるだろ。前って、どうやって流れに持っていってたっけ?
恐らくツッキーも同じことを考えていて、明後日の方向を、眉間に皺を寄せて見つめている。
帰ってきて、一緒にご飯を食べて、何となくソファに座って、そしたらツッキーが隣に座って、俺の手を握ってきて_____
その先を思い出した途端、ぶわっと全身の熱が顔に集まってきて、思わず顔を上げてしまった。すると、目の前のツッキーは、大きな目を更に大きくして、こちらを見つめている。
あ、まずい。
きっと、これは今までで1番かっこ悪い誘い方だ。
俺の情けない気持ちなんて全て筒抜けのようで、ツッキーは意地悪な笑顔を見せて、俺の頬に手を添えた。