問題だらけの俺たちは(はるいと) 窓から差し込む日差しが少しずつ遠くなっていって、それでも日没にはまだ早い時分だった。いつの間にか室内の明度が少し落ちている。自分一人だったら横着して、そのままにしている程度の中途半端な明るさ。
作業にはちょうど、区切りがついた頃合いだった。見せられる状態のラフデザインを一瞥して、トラックパッドから手を離す。回転椅子をゆるゆると回しながら振り返ると、数時間前と変わらない、小さくしゃがみこんだ弥代の後ろ姿があった。部屋の明るさなど気にも留めず、おこげと戯れている。
なんで電気、つけないんだろ。作業に没頭していた俺が言うのもなんだけど。きっと下手に電気をつけると、俺の気が散るとでも考えていたんだろうな。そういう奴だよ、弥代は。
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