誓いの言葉を受け取ったなら胡蝶しのぶは心底疲れていた。
柱稽古には参加しないと継子である栗花落カナヲには伝えていたが、その別案件で疲れていた。
……のではなく。
「(あぁもう本当にご自分でどうにかしたらどうなんです?)」
感情が制御が出来ないのは未熟者の証ですと何度も己に言い聞かせる。こめかみに青筋が立っていそうな気がするが、口は笑みを描けている。上出来だろうと目の前の男を黙らせる為にピシャリと言い放った。
「何故です?貴方に弟はいないのでしょう。彼とは無関係では?」
「………ッ!!……ッ、」
押し黙った。ようやっとかとしのぶは長く息を吐き出した。額を押さえ机へ思わず項垂れてしまう。
竈門炭治郎と接触禁止令が出された風柱•不死川実弥から矢継ぎ早に質問攻めに合っていたのだ。
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