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    さんど@みりぺん。

    主に小説用です。わんくっしょんなど必要なもの。
    心の広い人向け。雑食、雑多です。
    ※絵も稀に出すかもしれません。
    無断転載・転用・利用及びAI学習はご遠慮下さい。自作発言NG。

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    POIPOI 42

    ワンドロ・ライお題「葡萄」をお借りしました。
    さねげん
    ※前置き
    現パロ/付き合ってて同棲してる二人/年齢操作有25×20
    名言してませんが👹学同様教師🍃さん
    季節外れの誕生日やn番煎じネタ
    何でも許せる方どうぞ

    早熟ビンテージ「兄ちゃん、今年の誕生日プレゼントさ。
    俺の誕生日に渡してもいい?」

    ゛先延ばしになっちゃうんだけど…゛と申し訳なさそうに弟は告げた。ソファに座っていた実弥の後ろから聞こえる。キッチンカウンターごしからの声だ。数年前に成人しているも、大学とは言え未だに学生の彼の元へ兄は向かう。
    口癖のよう高いモンはいらねぇからと実弥は返した。頭を撫でれば不服そうに弟は眉を寄せる。

    「かぁいい顔しても譲らねぇよ。どんなモンでも嬉しいが玄弥自身の買いたい物とか我慢して買うくらいならいらねぇ。
    先延ばしになるくれぇ兄ちゃん気にしないぜ」
    「…そう言って兄貴のが高いプレゼントばっかくれんじゃん。バカタレ。
    誕生日にプレゼントはないけど、ご飯は代わりにすごいの作るからさ!楽しみにしてて!」
    「あァ、今から楽しみだなァ。明日有給取ってくるからよォ」
    「バースデー有給とかあるの?」

    二ヶ月先の誕生日に気が早い兄へ苦笑いの弟。実弥の顔を覗き込みつつ意地悪く笑う玄弥の眉間を摘んでやる。目を細めて痛みを訴えるも口元から笑みは消えていない。まだ少しこの可愛い恋人と戯れ合っていたいが彼は明日も講義を控えている。さっさと風呂に入って寝ろと両肩を持って順路へ向き直させた。

    有給ってのは申請して作るもんだ。玄弥。




    玄弥の言う通り、実弥の誕生日にプレゼントはないものの好物のおはぎや腕によりをかけた料理で賑やかに祝ってくれた。
    家族とは別に二人だけの前祝いを前日にして、当日の夕飯は実家に向かい皆からお祝いを貰う。
    玄弥の誕生日は家族の分のみ、年末年始に合わせて行い、そうして当日は二人暮らしの家で迎えようとしていた。

    「ハッピーバースデー玄弥ァ」
    「兄ちゃん早い早い早い」
    「俺だって前の日だったからいいだろォがァ」

    確かに前日だったけどもと。
    玄関先でクラッカーに出迎えられた玄弥。紙テープは頭頂部の鶏冠へ綺麗に虹をかけていた。玄弥は先々月、実弥の誕生日前祝い時、朝に夕飯を用意するから帰ってきて欲しいと予定を伝えていた。一方の実弥は朝から特に準備している素振りや予定を伝えてくる様子は全くなく。バイトやサークルなど特に今回なかったがあったらどうするつもりだったのだろうか。

    「(いやでも兄ちゃん昔から俺の予定ほぼ把握してるしな…)」

    見越していたからこそ泳がされたのかもしれない。消えない色とりどりの虹は数本、兄の手に取られる。きゅっと器用に紙テープを千切る事なく実弥は玄弥の顔の外周へぐるりと回しては顎下で蝶結びで繋ぎあげた。

    「あれだな、お前ェ、スーパーで売ってる葡萄の粒みたいだなァ」
    「兄ちゃんもう酔ってる??」
    「お前には酔ってらァ」

    ほら行くぞと通学リュックは奪われ、靴を脱いでフローリングへ上がれば逃がさないと腰をホールドされる。リビングへの扉を開けると食卓には玄弥へ負けず劣らずの実弥の手料理と。

    「……兄貴さ、やっぱ女の子にモテたよね?」
    「いンやァ」
    「嘘だろ」

    ライト用のキャンドルが点灯していた。
    この兄、力の入れようが実家にいた時と二人暮らしになってからが全然違いすぎる。少しずつ慣れてきたとは言え、気恥ずかしくなった玄弥は゛とりあえず…食べよっか゛と実弥の胸に額を押し付けるしか出来なかった。

    「日付変わるまでは絶対寝かせねェ」

    側から聞くと大人のお楽しみ時間のように聞こえるが玄弥達にとってはそのままの意味であった。一緒にご飯を食べ、片付けを行い、お風呂に入ってはリビングでカードゲームやテレビを見てその時を待つ。人が二人分座れるソファだというのに兄の膝の上に乗せられて後ろから抱きしめられる。頭を撫で、髪に擦り寄られ、触れ合いを楽しんでいれば誕生日まで残り五分。
    どちらともなく立ち上がって各々プレゼントを取りに行く。リビングへと戻ると実弥は堂々と隠す事なく前に、玄弥は背に隠すようにして後ろへ、プレゼントを両手で持っていた。立てかけたデジタル時計がゼロへと切り替わる。

    「酒、一緒に飲まないか?」
    「お酒、一緒に飲みたいんだ」

    玄弥、二十歳の誕生日。
    打ち合わせなどしていない。むしろサプライズのつもりだった。箱サイズは同じ縦長方形方。被った台詞に二人は目を丸くしてから笑い合った。再びソファに戻れば実弥が手早くワイングラスを二つ出してくる。

    「待って兄ちゃんマジ??ここまで被った?」
    「被ってねぇ。兄ちゃんのは葡萄酒だ」
    「それワインだよ。同じだってば」

    だから葡萄と言って出迎えたのかとお互いのプレゼントを交換する。律儀に包装紙を折り目通り開ける玄弥と手早く縦横無尽に開ける実弥。箱を開けば赤ワインと白ワインの瓶が現れ、ラベルが目に入る。二人は互いのワインボトルの数字を見ては顔を見合わせ肩を寄せた。微笑みながら互いのプレゼントを見せ合う。

    「玄弥の生まれた年の赤ワインだ」
    「兄ちゃんの生まれた年の白ワインだよ」

    兄弟だからやっぱり同じ気持ちだねと幸せそうに弟は笑う。玄弥は箱から取り出して並べた二つのワインボトルを一枚写真に撮ってから慣れない瓶をどう開けるかと持ち上げた。実弥は抜かりなく、ワインオープナーも持参していたので一本開け方の見本を見せる。四苦八苦しながらも玄弥は自分の赤ワインボトルを開けてみせた。得意げな玄弥へ偉い偉いと微笑みながら、赤ワインを受け取り彼のグラスへ実弥は注ぐ。同じように玄弥も白ワインを顔を強張らせつつ慎重に注いだ。
    グラス下に中指と薬指を差し込んで親指で固定しては互いに持ち上げる。

    「これからは一緒に飲めるね兄ちゃん」
    「これからも、だろ」

    乾杯とグラスが重なり合った。
    明日は一日中、恋人との特別な記念日にするつもりだ。
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    Replies from the creator

    さんど@みりぺん。

    PASTワンドロ・ライお題:「甘い」をお借りしてます。
    さねげん
    ※前置き
    お題・蜂蜜、デコレーションで書いたとなりのさねみさんの続きもの
    前回より友好度や時が経ってるイメージ/記憶・傷なし他人軸
    限界社畜甘党リーマン🍃さん×怖いもの知らず大学生🍉君
    ※匡i近さんの話出ますがそれについてはまた別の話かいつかで
    何でも許せる人向けです。以上がよろしければどうぞ
    となりのさねみさん:ダブルケーキのさねみさん十二月の年の瀬。
    クリスマスや年末年始で賑わう月。
    特別なお祝い事が続くイベントが多い月。

    「クリスマス?いや何言ってんですか。遊びませんよ。めっちゃ掻き入れどきですもん、クリスマスケーキのバイト」

    …が、世間一般の印象の筈だが、どうやら目の前の大学生は違う認識のようだった。はぁ…とため息をついて実弥は続ける。

    「ダチと集まるとかあるだろ」
    「いやねぇっす。毎年バイトなの知ってるんで。
    ねぇです」

    卵の賞味期限が切れそうなので消費を手伝って欲しいと作ったオムレツを頬張りながらはっきりと玄弥は告げた。潔すぎる返答が疑う必要性すらもないと物語っている。互いのオムレツへケチャップにて実弥が玄弥へ上手に描いてやった猫は容赦なく真っ二つになっていた。腹立たしくなった実弥もまた自分で描いた熊を真っ二つに切り分けては大きな口を開けて頬張った。
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    さんど@みりぺん。

    PASTワンドロ・ライお題:「プレゼント」をお借りしてます
    さねげん
    ※前置き
    🎃の🧙学校イメージ/妖精の🍃さん/他人軸
    家族の両親は志i津さんと恭i吾さんでまだいい父ちゃんしてる設定、弟、妹達も原作と同じイメージです
    何でも許せる人向けです。以上がよろしければどうぞ
    ドロップスノウ「俺が生まれた日ってどんな日だったの?」

    玄弥はミドルスクールの宿題を両親へ問いかけた。冬生まれの日付は知っているがその他はよく知らなかったのだ。

    「そうやねぇ。雪がよう降る日やったわぁ」

    しんしんと周りの音を吸収していくような静けさだったと母は小さく笑いながら告げた。逆子だったが土壇場で正常の位置に戻り、難なくお産を終えられたらしい。ガキが面倒かけてくれるななどとぼやく父へ母はまぁまぁと宥めている。

    「雪かぁ」
    「玄弥は雪に好かれとうのかもねぇ」
    「毎年誕生日が雪で此方とら面倒しかねぇぜ」

    除雪に走り出す弟妹達。その全ての相手を務めるのが父だ。母は父へ感謝を述べつつ入れ直したココアを差し出した。軽く鼻を鳴らすも満更でもない父の顔は両親達が仲つむまじい証拠だ。子供へ厳しい父へ苦笑いをして玄弥もまたココアを飲みきり、ありがとうとご馳走様を告げて自室に戻った。
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