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    さんど@みりぺん。

    主に小説用です。わんくっしょんなど必要なもの。
    心の広い人向け。雑食、雑多です。
    ※絵も稀に出すかもしれません。
    無断転載・転用・利用及びAI学習はご遠慮下さい。自作発言NG。

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    POIPOI 42

    ワンドロ・ライお題「海外旅行」をお借りしました。
    さねげん
    ※前置き
    現パロ転生軸/付き合ってる二人
    転生要素や海外要素はふんわりです。
    何でも許せる方どうぞ

    Gute Reise.正直、海外なんて遠出の旅行を兄が了承してくれるなど玄弥は思ってもみなかった。ましてやその単語が兄の方から出てくるなど夢物語のようだ。

    「えらく上機嫌じゃねぇか」
    「そう??」

    玄弥の返答に実弥はおうと軽く答えて歩く。人混みを避けながら目的地までのルートをスマートフォンで確認している。
    卒業旅行にと提案されたこの地は遠いヨーロッパだ。どうせならば遠い地をと家族にも勧められ、思い切って旅立った。飛行機の乗り換えは二回ほどに抑えて、それでも搭乗時間はほぼ一日がかりと言うのだからとんでもない距離だ。機内食が来るまでほとんど寝て過ごして体力を温存させていたが、到着時の足の震え具合に兄が笑っていた記憶が真新しい。

    「石作りの教会とか古い建物とかすげーなって。年季違うしさ、日本じゃ火事とか地震で同じ作りだとここまで残ってねぇし」
    「こっちは地震少ねェからなァ。
    それよりよ玄弥、足大丈夫か?慣れねェだろ石畳の道」
    「兄ちゃんこそ」

    このまま道なりにまっすぐ歩くそうで実弥が玄弥を気にかける。慣れない道ではあるが、砂利道ほど細かくない石の道を二人は並んで歩く。奥に聳え立つ大聖堂が段々と大きくなってきた。
    七、八時間以上もある時差は中々に大きい。此方は早朝でも日本はお昼頃という感覚が慣れないものだ。兄に何度か夜の時、家族へ連絡を取ろうとし止められた。同じ空や時間を過ごしている筈なのに、違う認識をしているような不思議な感覚。

    「玄弥」
    「わっ」

    玄弥は大聖堂を見上げつつ、ぼんやりと考え事をして歩いていた。有名な観光地ではないがそれなりに人通りの多い道だ。肩や体がぶつかる前に実弥の元へ引き寄せられる。変わらぬ身長と目線がかち合い、少しだけ見つめていると実弥側の肩に歩行者がぶつかった。
    ゛エンシューリゴとその国の言葉で謝られる。きょとん…とした兄弟の顔に男性二人は気がついてすぐ゛sorry゛と言い直してくれ去っていく。
    くすくすと玄弥が笑い出す。

    「兄ちゃんこの国の人に間違われちゃったね」
    「うるせェ、一言余計だ」

    玄弥と実弥は男性二人を目で見送る。仲良く手を繋いで笑い合っては指を絡めて。触れ合う肩が二人の関係性を物語っている。この国は一見、怖いイメージを持たれがちだ。口調や外国語の単語の響きなど強めの圧を感じる事や国民柄真面目できっちりした人が多いと伝わってる。玄弥にとってもイメージ通りだった。一方で小さいお店の出入りには必ず挨拶をしたり、旅行で来たの?と聞かれた事をきちんと答えれば親切に教えてくれる。去り際には良き旅を!と見ず知らずの誰かであっても、相手を祝福してくれる暖かな心を持っている。
    強い口調や国民柄にはどこか兄のようだなとも玄弥はこっそり思ってはこの旅を楽しんでいた。

    ガラーン、ガラーンと鳴り響く鐘の音。
    時報代わりに鳴るような感覚で旅行中、時折聞いていた。日本の鐘とは違う音はどこか澄んだ音色だ。

    「…俺達って今どう見られてるのかな」
    「観光客」
    「そうじゃなくて」
    「外人」
    「だから、」

    玄弥の問いかけに短く答えてから、実弥は肩を抱いていた手を離した。実弥の体に触れていた玄弥の手を持ち上げて軽くキスを贈る。

    「恋人」

    あの夜を生きていた頃は目先の世界しか知らなかった。知る余裕もなかった。兄弟で、同性で、こんな気持ちを持つなど許される事じゃないと。隠し続けなければならないと。
    一歩外の世界に出てみれば、自分達を兄弟と知る者もいない。誰がどんな人を好きであろうと恥じる事も隠す必要もない。

    違うか?と問いかける実弥に玄弥も握られた手へキスを贈り返す。

    「ううん、そう。恋人になろう、え、と、実弥……さん?」
    「そこは兄ちゃんだろ」
    「えぇ〜」

    指を絡めて手を繋ぐ。軽くなる足取りに心地よい鐘の音は響き続けている。
    二人を咎める人は誰もいない。
    まだまだ世界を知る時間はたっぷりとある。昔、お世話になった主治医達へ言語と文化を伝えるのが楽しみかもしれない。遠く離れた海外の地だけども、桜だってあるんだと言ったら皆食いついてくれそうだなと玄弥は愛しい恋人の隣で八時間後の大切な友人達へ想いを寄せた。
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    Replies from the creator

    さんど@みりぺん。

    PASTワンドロ・ライお題:「甘い」をお借りしてます。
    さねげん
    ※前置き
    お題・蜂蜜、デコレーションで書いたとなりのさねみさんの続きもの
    前回より友好度や時が経ってるイメージ/記憶・傷なし他人軸
    限界社畜甘党リーマン🍃さん×怖いもの知らず大学生🍉君
    ※匡i近さんの話出ますがそれについてはまた別の話かいつかで
    何でも許せる人向けです。以上がよろしければどうぞ
    となりのさねみさん:ダブルケーキのさねみさん十二月の年の瀬。
    クリスマスや年末年始で賑わう月。
    特別なお祝い事が続くイベントが多い月。

    「クリスマス?いや何言ってんですか。遊びませんよ。めっちゃ掻き入れどきですもん、クリスマスケーキのバイト」

    …が、世間一般の印象の筈だが、どうやら目の前の大学生は違う認識のようだった。はぁ…とため息をついて実弥は続ける。

    「ダチと集まるとかあるだろ」
    「いやねぇっす。毎年バイトなの知ってるんで。
    ねぇです」

    卵の賞味期限が切れそうなので消費を手伝って欲しいと作ったオムレツを頬張りながらはっきりと玄弥は告げた。潔すぎる返答が疑う必要性すらもないと物語っている。互いのオムレツへケチャップにて実弥が玄弥へ上手に描いてやった猫は容赦なく真っ二つになっていた。腹立たしくなった実弥もまた自分で描いた熊を真っ二つに切り分けては大きな口を開けて頬張った。
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    さんど@みりぺん。

    PASTワンドロ・ライお題:「プレゼント」をお借りしてます
    さねげん
    ※前置き
    🎃の🧙学校イメージ/妖精の🍃さん/他人軸
    家族の両親は志i津さんと恭i吾さんでまだいい父ちゃんしてる設定、弟、妹達も原作と同じイメージです
    何でも許せる人向けです。以上がよろしければどうぞ
    ドロップスノウ「俺が生まれた日ってどんな日だったの?」

    玄弥はミドルスクールの宿題を両親へ問いかけた。冬生まれの日付は知っているがその他はよく知らなかったのだ。

    「そうやねぇ。雪がよう降る日やったわぁ」

    しんしんと周りの音を吸収していくような静けさだったと母は小さく笑いながら告げた。逆子だったが土壇場で正常の位置に戻り、難なくお産を終えられたらしい。ガキが面倒かけてくれるななどとぼやく父へ母はまぁまぁと宥めている。

    「雪かぁ」
    「玄弥は雪に好かれとうのかもねぇ」
    「毎年誕生日が雪で此方とら面倒しかねぇぜ」

    除雪に走り出す弟妹達。その全ての相手を務めるのが父だ。母は父へ感謝を述べつつ入れ直したココアを差し出した。軽く鼻を鳴らすも満更でもない父の顔は両親達が仲つむまじい証拠だ。子供へ厳しい父へ苦笑いをして玄弥もまたココアを飲みきり、ありがとうとご馳走様を告げて自室に戻った。
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